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転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: @SsRay
和の国編

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ep9.和の国編 鍛冶職人の仙人探し 翌朝


 ――――

 状況整理

 ① 青龍→リンにより解放

 ② 白虎→リンにより解放

 ③ 朱雀→セリアにより解放

 ④ 玄武 

 ⑤ 大蛇→セリアにより解放

 ⑥ 黒夜神鹿→ミリィにより解放

 ⑦ 九尾狐→ミーナにより解放

 ⑧ 八咫烏→創夜により解放

 ⑨ 大天狗

 ⑩ 金烏→ミーナにより解放

 ⑪ 狛犬→リンにより解放

 ⑫ 麒麟→ミリィにより解放

 ――――

 翌朝。カエデの家。

 創夜そうやは、どろのような深い眠りの中にいた敵であれば創夜は常に気をはっているので目を覚ますはずだが仲間の気を感じているため目を覚まさなかった。


 夢を見ていた。何か、巨大な力に押しつぶされるような、けれど逃げたくないような、不思議な夢だ。

「……うぅ、重い……」


 金縛かなしばりのような重圧じゅうあつが胸元にかかる。だが、それは決して不快な重さではなかった。むしろ、温かくて、極上ごくじょう羽毛うもう布団のように柔らかい。


 創夜の意識はまだ半分夢の中だ。本能のまま、その『柔らかい何か』に手を伸ばす。


「……ん、ふわふわだ……」


 その感触かんしょくを確かめるように、指先に力を込めてんでみた。


 弾力だんりょくがあり、くようなしなやかさ。創夜はあまりの柔らかさに違和感を感じ別なところに手を伸ばすが一向に柔らかさが消えない。


「……んっ?…………」


 甘く、かすかに上擦うわずった声が耳元で聞こえた気がした。


 その声に、創夜の意識が急速きゅうそく浮上ふじょうする。


「――っ!?」


 ガバッ! と勢いよく上半身を起こすと、そこにはいつもの仲間たちが勢揃せいぞろいしていた。


 セリア、ミリィ、ミーナ、リン、そしてフィーリア。


 彼女たちは既に着替きがえを済ませ、部屋の真ん中に置かれた卓袱台ちゃぶだいを囲んでいた。


「あ、起きたアルか創夜! 寝相ねぞうが悪すぎるアルよ!」


「……創夜の手つき、なかなかにテクニシャンだったわ」


「ん。朝から大胆だいたん。嫌いじゃないかも、フフフッ」

 ニヤニヤと笑う美女たち。創夜をからかっている。


 どうやら、夢の中の「ふわふわ」の正体は彼女たちだったらしい。


「ま、まさか……! あのふわふわは夢じゃなかッなのか!」


 創夜は慌てて叫んだ。


 ◇◇◇◇


「カエデさんが朝ごはん作ってくれたから、早く食べましょ」

「カエデ? なんでいるんだ?」


 見れば、卓上には湯気ゆげを立てるきたての白米、焼き魚、そして味噌汁みそしるが並んでいる。完璧な『』の朝食だ。

 カエデが給仕きゅうじをしながら、少し困ったように、でも嬉しそうに微笑ほほえんでいた。


「みんなめしのよういができたぞ!……。さあ、冷めないうちに召し上がれってんだぃ」


 言われるがままにはしを持つ創夜。一口食べると、出汁だしの効いた味噌汁が五臓六腑ごぞうろっぷに染み渡る。


「……うまい」

「うまいアル! やっぱり和食は最高アルね!」


 全員で食卓を囲む。なぜか、仲間たちの顔は一様に晴れ晴れとしていた。まるで、長年の便秘べんぴが解消されたかのような、あるいはストレス発散はっさんに成功した後のような、みょうにスッキリとした満足げな表情だ。


 創夜は嫌な予感を覚えつつ、箸を置いた。


「まずは俺とフィーリアからの報告だ、実は八咫烏神社の封印を解いてしまって、八咫烏に直接国にいるか聞いてみたが、八咫烏の国にはいないと言われた。……それで。報告を聞こうか。俺たちはカエデのために、できるだけ無益むえきな戦闘はけて、封印の場所や解放条件をさがす手はずだったよな? なんだか、みんなの満足げな顔が気になるんだが……」


フィーリアが口をはさむ。

「倒すなって言っていた人がね、躊躇わずに倒しちゃったのよ」


 創夜のねらいはこうだ。

 火の意思をぐものであるカエデが成長するためには、彼女自身の手で試練しれんを乗り越える必要がある。だから俺たちチート組は、あくまでサポートや露払つゆはらいにてっするべきだ――と。


奇遇きぐうね、創夜。私もよ」

 セリアが焼き魚を綺麗きれいにほぐしながら、事もなげに言った。

「ここの朱雀すざくの国と、あと途中でからんできた大蛇オロチの国? うっかり魔法で消し飛ばして、封印解いちゃったわ」


「は?」

「ん。私も」


 ミリィが味噌汁をすすりながら続く。

黒夜神鹿こくやしんろく麒麟きりん。森を散歩してたら襲ってきたから、迎撃げいげきしたわ。瞬殺しゅんさつよ! 今はもう自由になってるわ」


「わたしもよー」

 ミーナが尻尾しっぽを揺らしながら笑う。

九尾狐きゅうびのきつねの国と金烏きんうの国ね。同族みたいなもんだったけど、生意気なまいきだったからちょっと教育きょういくしてやったのよ。解放済みよ」


「リンも報告するアル!」

 リンが元気よく手を挙げた。

「東の青龍せいりゅうと、西の白虎びゃっこ! それから集合場所の狛犬こまいぬに聞いてきたアル! 結構面白い相手だったネ! 、いい運動だったアル!」


「…………」


 創夜はてんあおいだ。

(こいつら……いや、俺も含めてだけど……)


 カエデの成長のために残しておいたはずの「強敵きょうてき」たちが、一夜にして蹂躙じゅうりんされ、壊滅かいめつしていた。


 彼女たちの満足そうな顔の正体はこれだ。手頃なサンドバッグを見つけて、思う存分ぞんぶんチート能力を振るった後の賢者けんじゃタイムならぬ勇者タイムだったのだ。


 創夜は頭の中で、現在の状況を整理する。


【現在の解放状況】

 青龍(リン:撃破済み)

 白虎(リン:撃破済み)

 朱雀(セリア:撃破済み)

 大蛇(セリア:撃破済み)

 黒夜神鹿(ミリィ:撃破済み)

 九尾狐(ミーナ:撃破済み)

 八咫烏(創夜:解放済み)

 金烏(ミーナ:撃破済み)

 狛犬(リン:撃破済み)

 麒麟(ミリィ:撃破済み)


 12ある重要拠点のうち、実に10箇所が、たった一晩で攻略完了してしまっているどちらかというと、俺たちが侵略者だ。


「……カエデ、すまない。君が戦って強くなるはずの経験値けいけんちを、俺たちが全部横取りしてしまったようだ」


「はぁ?だから、朱雀様の神社の封印が解かれてたのかぁ、他もだって!残りは、水の意思を継ぐもの(アイツ)の国の玄武と大天狗の神社かぁ」


 創夜の心は複雑だった。これでは『火の意思を継ぐもの』の試練が台無だいなしではないか。


「……残るは二つか」


 そして大天狗は、この世界の中心に位置する最強の存在だ。


「……こうなったら仕方ない。残りの二つに関しては、俺たちは絶対に手出し無用だな、どおりで、カエデがいるわけだ」


「ああ、お前らに倒されちまったらあたしのでるまくがねぇってもんだ!」


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