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[完結]転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: 真柴 零
精霊の国編

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ep20. 精霊の国編 闇の混沌

 その時、空間が歪むような振動とともに、闇の混沌の核が巨大な黒い塊として現れる。その中に囚われていた癒しの精霊がかすかに光る。


 アレルが呟く。

「癒しの精霊……あれは、闇に融合しているんだな……」

 スーが決意を込めて答える。

「なら、皆の力で取り戻すしかない!」

 創夜は静かに剣を掲げた。


 夜の剣をガントレッドに変形させた。黒曜の闇の中、白い創夜の群れが無数に立ちはだかる。白い自分を相手にしつつ、創夜は仲間に向かって声をかける。

「みんな、行くぞ――全員の力を合わせるんだ!」


 アレル、シオン、創夜は同時に剣を抜き放つ。

 光と炎の鳳凰が三本の剣から天へ舞い上がり、黒い闇に裂け目を作る。創夜が更に合わせる。


 鳳凰・冥焔断滅《めいえんだんめつ》――!

 抜刀術――時空断裂波!


 炎の鳥が空間を切り裂き、白い創夜の壁を焼き尽くしていく。

 連撃が生む光の爪が、再生する白い創夜を次々に引き裂き、周囲の闇すら焦がして消し去った。

 創夜の切った時空を切断する刃が白い創夜をなぎ払う。


 スーの合成魔法も同時に炸裂する。

 竜巻と雷、炎柱が複数の白い創夜を巻き込み、避けることすら叶わぬ絶対的攻撃を与える。


 無我の境地で最小の動作で最大の攻撃を返す勇者たち

 その圧倒的な連携は、闇の混沌の力に囚われていた癒しの精霊さえも解放へと導く。

 創夜は夜の剣で囚われている癒しの精霊の周りを切った。


 ――時空剣

 次に、創夜はにやりと笑い、夜の剣を漆黒の闇の如く輝かせ、ガントレッドへ変形させ白い創夜を蹴散らす。

「もう、既に切っている――時空剣だ! 癒しの精霊を解放したぞ!」

 闇の混沌の中心に融合している癒しの精霊を救い出しつつ、全員の絆の力で、白い創夜と闇の混沌の体を押し潰すように圧倒する。


 全員の手に謎の光が現れる。

「これは、そうか、皆、合わせてくれ!」

 リン、ミリィ、セリア、ミーナ、フィーリアもそれぞれ無我の境地で攻撃を回避しつつ、腕を創夜に合わせ、魔法でも物理攻撃でもない、聖なる攻撃を放つ。

 剣の軌跡が光の龍となり、空を裂き、地を打ち、混沌の黒い塊を取り囲む。


 アレルが叫ぶ。

「創夜――俺たちの力を、ひとつに!」

 シオン、スーが続く。

「俺もだ、創夜!」

「私もよ!」

 更に、皆が続いた。

「いっけえぇぇぇぇ!」

 全員の力が一点に集中し、天と地を震わせる光の渦が生まれた。

 その光は世界を押し潰すように膨れ上がり、黒曜の闇を裂き、空気が焼ける音が辺りに響く。


 創夜は静かに剣を振り下ろす。

 その瞬間――

 光の衝撃が放たれ、天と地が振動し、黒い闇が断絶する。

 闇の混沌は叫ぶ間もなく消え去り、囚われていた癒しの精霊は眩い光となって空へ舞い上がる。


 白い創夜たちも、再生の力を失い、光の波に飲み込まれるように消滅した。

 光の柱は徐々に収束し、世界は再び穏やかな色を取り戻す。

 風が吹き、空は澄み渡り、地面の草木は揺れ、命の息吹が戻ってきた。


 創夜は剣を下ろし、仲間たちを見回した。

 皆の目には、言葉を超えた誇りと安堵が満ちていた。

「ありがとう……みんな。これが、俺たちの絆の力だ!」


 その声に応えるように、仲間たちも静かにうなずく。

 戦いの終わりを知ると、リリィが創夜の肩から光を放ちながらほっとした顔で姿を現す。

「終わったのね!」

 世界を覆った闇は消え去り、しかし彼らの心には確かな光――

『絆の光』が永遠に刻まれたのだった。


 世界のどこからともなく、優しい声が響く。

「ありがとう……勇者たち……あなたたちの光で、私たちは自由になれた」

「命を、世界を……救ってくれて……ありがとう」

 その声は大地の風に乗り、仲間たちの耳元でささやくように聞こえる。

 重なる声の中には、精霊の澄んだ響き、鳳凰の低く包み込むような声、どちらも感謝と安堵に満ちていた。


 創夜たちは無言でその声に耳を傾ける。

 光の中で仲間たちの表情に笑みが浮かぶ。

「……俺たちの戦いは、終わったんだな、勇者にあえて、仲間を信じてよかったぜ。神々に見透かされていたのかもしれないな」創夜は小さく呟いた。


 空には精霊と鳳凰の影が一瞬、光の翼を広げて舞い、そして静かに消えていく。

 残ったのは、世界を包む穏やかな光と、仲間たちの胸に刻まれた『絆の光』だけだった。

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