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転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: @SsRay
精霊の国編

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ep6.精霊の国編 双剣の勇者

 創夜が扉を開けようと力を込めた、まさにその瞬間。

 それまで神殿全体を覆っていた闇の結界が破れ、空がたちまち晴れ渡った。眩しい太陽の光が差し込み、二人の姿を照らした。


 そして、ドラゴンの跡形もなく消えた場所から、青く煌めく光がゆっくりと立ち上がり、ワープの精霊が姿を現した。


「勇者、そして異世界から来たものよ。感謝します」

 精霊は静かに語りかけた。

「あの闇の姿こそ、闇に魂を奪われた私。この扉を開こうとするあなたの清き意志が、私を覆っていた結界を完全に破りました。私はワープの魔法をつかさどる精霊です。他の大陸が闇に包まれている為、ワープはこの大陸でしか使えないでしょう、神殿のワープを使えるようにしておきました。他の大陸の精霊も闇から解き放ってください」


 精霊は、その役割を終えたかのように、光の粒子となってゆっくりと消えていった。


 神殿の奥にあった扉には、青く煌めく光が渦を巻いた。創夜が扉に手をかけると、光の渦から強い引力が感じられる。

「これが……ワープか、ここに来たときと同じやつだな」

 創夜が呟くと、アレルが鋭い声を上げた。

「急げ!いつ消えるか分からない!」

 二人と妖精は急いで渦の中へ飛び込んだ。


 次の瞬間、三人は全く別の場所に立っていた。そこは、小さな遺跡の内部のようで、外へ出ると、陽光が眩しく、辺りには穏やかな村の風景が広がっていた。

「着いた……ここは、フゥの村の近くの遺跡だ」


 アレルが辺りを見回しながら言った。

「よし、急いで次の勇者に会いに城へ向かうぞ!」

 三人は急ぎ足で村を通り過ぎ、ローゼンブルグ王国の王都を目指した。


 城にたどり着いた創夜たちは、謁見を求め、王に双剣の勇者シオンの行方を尋ねた。

「双剣の勇者シオンか。彼はここにはいない。彼は、君たちアレル殿の居城へ向かったと聞いているよ」


 王からの返答に、アレルは顔を曇らせた。

「俺の城に……?またか」

 苛立ちを隠せないアレルを見て、リリィが冷静に尋ねた。

「アレル様、シオン様はアレル様を探しに行かれたのでは?」


「いや、違う。アイツはたぶん……隣の村にいる」

 アレルが確信のこもった口調で言いった。

 創夜が詳しく解説する。

「シオンは、アレルの城に行こうとしてもワープポイントが使えなくて行けなかったんだろ?」

 アレルが言った意味はそういうことではなかったが、アレルもそれをはっきりと悟った。

「シオンと俺はいつも、行き互いになるんだ、アイツはいつもフゥの村に立ち寄るんだ。初めて会った時もそうだった。そこが一番落ち着くらしい」


「じゃあ、急いでそのフゥの村へ向かいましょう!」

 創夜が先導して、二人と妖精は再び城を後にした。

 フゥの村に着いたのは、すっかり日が落ちてからです。村唯一の宿屋兼食堂木漏れ日亭の看板が、ぼんやりと灯りに照らされている。

「今日はもう遅い。まずは食事と宿だ。幸い、あの宿ならシオンも……」


 アレルが言い終わらないうちに、創夜は宿屋の食堂の戸を開けた。

「おっ、いい匂い!」

 食欲をそそる匂いに誘われ、二人と妖精は食堂に入った。夕食時とあって、食堂には数組の客がいた。その隅の席で、豪快に肉料理を平らげている長身の青年がいた。


 青年は茶色い髪を一つにまとめ、腰には細い大剣のを装備していた。独特な緑の鎧を装備している彼の顔を認めるなり、アレルが大きな声を出した。


「やっぱりここか!シオン!」

 青年、シオンは肉を咀嚼しながら、顔を上げた。そして、アレルを見ると、驚いた表情から、すぐにいつもの不敵な笑みに変った。

「なんだ、アレル。ワープポイントが使えなくてここにきたら会えるんじゃないかと思ってここで待ってたぜ」


 食事を注文し、二人は席に着いた


「まったく、おまえにはじめて会ったときもここだったな!どうしていつも旅の途中でここで休むんだ」

 その会話を聞いた創夜は、思わず一人突っ込みを入れた。


「いつも同じ場所で待っているなんてすけさんか!いや、かくさんか……」


 シオンとアレルは、創夜の唐突な言葉に『すけさん?』と首を傾げたが、創夜は気にせず、ご飯を食べ、シオンに今まであったことを話した。


 シオンは真剣な表情で話を聞き終えると、うなずいた。

「なるほど、ワープの精霊が闇に落ちていたか。スーのやつも危ないかもしれんな。わかった、俺も行く」


「よし!決まりだ。創夜、こいつが二人目の双剣の勇者、シオンだ」


 アレルが創夜にシオンを紹介した。創夜はシオンに深々と頭を下げた。

「初めまして!俺は創夜。これからよろしくお願いします!」


「フン、異世界から来たのか。面白い。まぁ、よろしく頼む。そういや、アレルお前に会いに行こうとワープポイントへ向かうときに敵の群れがいたから魔物の中で強そうなやつを倒した。この辺は暫く大丈夫だろう。白い奴には会わなかったが、4本腕の猿なら腕を切り落として倒したぞ」


「そいつはいい知らせだ。俺も隣村を襲われたときに魔物を倒してきた。同じならもうこの辺は安全だろう」


 夕食を終えると、アレルは真剣な表情に戻った。


「シオン、スーの元へ急ごう。おそらく、スーの大陸へいくワープポイントの神殿には、大地の精霊が闇に落ちて魔物化しているだろう。遅くなればなるほど、精霊の力を戻すのが難しくなる」

「わかっている。飯も食ったし、早々に出発だ」


 こうして、二人の双剣の勇者と、異世界から来た創夜、そしてリリィの四人の旅は、大地の精霊を救うため、夜明けを待たずに次の目的地、スーの大陸へのワープポイントがある神殿を目指すことになった。


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