ep1.精霊の国編 プロローグ
バベルの塔で神々との戦いを終え、アポロンに改造してもらった飛空艇の内部を確認していた。
操縦席の地球儀型の地図があり、前には見かけなかった次元移動装置と、1ヵ所だけ前には見覚えがない光る座標があった。
新たな冒険の予感に、一行は再び空へ飛び立つ。
「何もないな。ここで、次元移動しろということなのか?」
創夜は次元移動装置を起動した。
---次元移動
静かに空中を滑空していた飛空艇が、突如として激しく揺れ始めた。
「な、なんだ!?」創夜が舵輪を握りしめるが、コントロールが利かない。
船体の周りの空間が、水彩絵の具を溶かしたように歪んでいく。
リンが体を支え、唸る。
「くっ、揺れが酷いアル! どこに飛ばされるアルか!?」
船窓の外の景色が、七色の光の奔流へと変わる。体中に圧力がかかり、耳鳴りがキーンと響いた。
数秒とも、永遠とも思える時間が過ぎ――。
墜落
ドオォォンッ!!
激しい衝撃と共に、飛空艇は真っ逆さまに落下した。船体が軋む凄まじい音。
「うわぁっ!」
ミーナの悲鳴が響く。
なんとか姿勢を立て直そうとする創夜だが、飛空艇は暗闇の中に広がる『暗い地面』に、派手に叩きつけられた。
船内には焦げた匂いが充満する。
「みんな、大丈夫か!?」
創夜が身を起こし、仲間たちに声をかける。
「何ともないネ!」
「かろうじて……!」
「う、うん……」
「問題ありません」
「問題ないわ、次元移動ってワープとは違うのね」
リン、セリア、ミーナ、ミリィ、フィーリアがそれぞれ無事を確認する。ミリィがすぐさま船内の損壊箇所を把握した。
セリアが船の動力機関に駆け寄り、触れる。その表情が、驚愕に凍りついた。
「嘘……! 動力が完全に沈黙しているわ! 創夜、これって魔法の力で動いていたのよ! 私たちの知る科学技術じゃない!」
「魔法だったのか?」
「ええ! だけど……見て!」
セリアが指さす先、動力核は静かに、ただの鉄の塊のように冷え切っていた。
皆は魔法を確かめるために暗い外の空間へ出た。
創夜は暗い空間を照らそうと魔法を無詠唱で唱える
「暗いな、今明かりを、つける」
しかし、光魔法は全く発動しない。
「おかしいな……魔法が発動しないみたいだ、俺のは魔法じゃないんだけどな。セリアの魔法はどうだ?」
セリアは賢者の杖を握りしめ、何かを唱える。だが、杖の先端にだけ光が宿り回りを照らした。
「おかしいわ……。杖だけが光るなんて。私自身、体の中の魔力の流れを感じない……魔力が使えない!神々にもらったこの杖だけ魔法が発動するみたいだわ」
セリアの言葉に、創夜は自分の腰にある剣を持ち
7属性の魔法剣アルティメットブレードを発動しようとするが発動しない。創夜の剣は神々からもらった剣で自在に思う姿に変わる剣なのだが、気を遣っているのか、見た目だけがアルティメットブレードへ変形することは可能ではあるはずだが、変形しなかった。
リンも確かめるために、神々からもらったガントレットで空中を殴る。
――ボッワ!
リンの鋭い拳に炎が付着し、拳の先に炎の爆発がすさまじい勢いで発動する。さすが神々の武器だ。
「神々からもらった武器だけは、魔法が発動するってことか……?」
創夜は呆然とする。
セリアが険しい表情で付け加えた。
「そうみたいね。賢者の杖だけは、なぜか魔力が使える。それは杖が、この空間の理を超越した神の領域の魔力を持っているから……。この空間は、私たちの世界の法則が通用しない、魔力の存在を拒絶する場所よ!」
「なるほどな……。飛空艇も、7属性の魔法で飛んでいたからこそ、ここでは動力を失ったのか……」
セリアが船窓の外、墜落現場を見つめながら結論を導き出した。
「おかしいわね、この先は……完全に闇よ」
飛空艇の外は、半径数十メートルほどの『狭い空間』だった。その先は、文字通り光すらも飲み込む完全な暗闇が広がっている。まるで、世界が『暗』しかないかのように。
創夜は剣を鞘に収め、神々の力を頼りにするしかないことを悟る。
「動力を直す手がかりを探す必要がある。皆、この付近をそれぞれ探索してくれ、何か見つけたら皆で集まろう」
「私はこの船をもう少し調べてみるわ、神々が何をしたのか全くわからないのよ」
セリアが中心で杖の光魔法を強くして辺りを照らすが、足場のパネル以外特に何も見当たらない。
「なんだか。闇の中は危険な気がする。まずは、闇との境界線の調査だ」
皆バラバラに探索を開始した。
荒涼とした岩肌が広がるだけで、特に目立ったものは見当たらない。
セリアは賢者の杖で、かろうじて発動できる魔法を使い、空間の魔力探知を試みるが、やはり杖に何も反応がない。
「だめね……本当に何もないわ」
その時、リンたちのいる境界線で、奇妙な現象が起こった。
闇の空間から、まるで青い波紋が広がるように、空間そのものが震え始めたのだ。
「なんだ!?」創夜が叫ぶ。
グンッ!!
空間が、巨大なゴムボールのように内側に弾け飛んだかと思うと――
「キャアアアッ!?」
ミーナの悲鳴が聞こえた瞬間、リンとミーナ、ミリィの姿が光の粒子となって散り、消滅した!
「リン! ミリィ! ミーナ!!」
創夜が境界線へと駆け寄ろうとする。
ブゥンッ!
創夜の目の前で、空間が再び歪み、今度は彼自身とセリアを包み込むように、ねじれ始めた。
「創夜!」
セリアの叫び。
創夜もセリアも、強烈な重力のような力に引き裂かれ、意識が薄れていく――。
フィーリアが悲鳴に気付き船の外に出るが誰もいない。
「どう言うこと……誰もいないわ、仕方ないわね、皆が戻るまでこの船をメンテナンスしておくわ、色々調べたいこともあるし、マギテック・ゴーレムのメンテナンスもまだまだ終わりそうにないわ」
あとがき
妖精リリィ
かつての勇者パーティに所属していた、光り輝く羽を持つ妖精。名をリリィという。透明感のある白いレオタードのような衣装を身につけ、その体には神秘的なピンクの模様が浮かび上がる。長く流れるピンク色の髪は彼女の優雅さを際立たせ、その瞳はかつての冒険の日々を物語るかのように、どこか遠くを見つめている。背中に広がる半透明の羽は、星屑を散りばめたかのように輝き、彼女が森や空を自由に駆け巡っていた日々を想起させる。現在は勇者パーティを離れ、静かに暮らしているようだが、その姿からは未だに聖なる力を感じさせる。
簡易版
大剣の勇者: アレル
双剣の勇者: シオン
大賢者: スー
創夜
* 無職を自称するが、「夜の剣」と瞬間移動・抜刀術で巨大な精霊の闇堕ち体を次々と瞬殺する規格外の元・異世界最強。
アレル(大剣の勇者)
* 青い鎧と大剣を持つ勇者で、精霊の加護により死んでも城で蘇る能力を持つ脳筋タイプ攻撃特化しているところがある。。スーのレオタード姿に興奮しがち。
* 「勇者剣術」とシオンとの連携技で戦うが、創夜の圧倒的な力に衝撃を受け、彼を**「とんでもない奴」**と認める。
* 魔法大国にいるスーと、闇に堕ちた精霊たちを救うため、創夜たちと共に精霊樹の上の神殿を目指す。
シオン(双剣の勇者)
* 双剣を操る勇者パーティの魔法もつかえる万能な天才で、冷静だが、アレルを探してはいつも**「フゥの村」の宿屋に立ち寄る律儀な一面**を持つ。
* アレルとの勇者連携で強大な敵と戦いつつ、創夜の力に対して畏敬の念を抱き、彼のことを**「異界の勇者」**と認識している。
* 仲間のスーの身を案じ、魔法が使えない中でも冷静に状況を分析し、一行の旅に加わる。
スー(大賢者)
* 天才魔術師だったが、魔法封印により得意の魔法がつかえないところ魔物の大群に襲われる。
回避率と魅力が上がるある装備で魔術師であるが魔法がなくても戦えるすごーい女の子だ。しかし、あることで相当怒っている。
* アレルとシオンと同じ勇者で強大な敵と戦いつつ、創夜の力に対して畏敬の念を抱き、彼のことを**「異界の勇者」**と認識している。
各キャラの武器
創夜 夜の剣
リン ガントレット
セリア 賢者の杖
ミリィ 音速の剣
ミーナ 薄い黒い本 秘書が持ってそうなやつ
※ミーナの本には、秘密が隠されている。




