ep5.バベルの塔の門番
創夜は3メートルもある門番を正面に見据えたまま、静かに、皆に指示を出した。
「エジス、シールド。セリア、ミーナは分析。ミリィは状況報告を。――リン、行くぞ」
「待ってたネ!戦いたくてうずうずしてたアル!こんなやつ瞬殺してやるネ!」
エジスが応援する。
「お兄さんたち頑張って~」
リンは威勢よく応た
「リン、あれ行くぞ!」
創夜はリンに連携の指示を出した。二人は肩幅に構え、戦闘態勢に入った、片足を軽く上げ同時に地面を蹴った。
-----ダン!!
地面を蹴った衝撃波が空気を伝わる振動となり、ゴムの一つ目の魔神の全面がブヨブヨと揺れ、動きが完全に停止した瞬間。二体のそれぞれの魔神の一つ目の前にリンと創夜が同時に一瞬で移動し魔神の目玉に同時に強烈なフルオーラの入った拳が叩き込まれる。
反動で空気が一瞬止まったかのように二人の一撃の衝撃波が後ろで控えていた皆に行きそうになる。エジスにはいきなりのすごい戦闘シーンをニコニコしながら巧みに合わせていく。
「お兄さん、こっちの守りは十分だ!ガンガンやっちゃってよ!」
はじめてみる俊足の戦いに、エジスがニコニコと笑いながら衝撃波を強烈なバリアで防ぐ。セリアは胸を下から上に持ち上げるように腕を組み分析している。ミーナも、ミリィも、急な予測外の攻撃に備えつつ敵を分析している。
ドムッ!という鈍い衝撃音と共に魔神は塔の壁に叩きつけられたが、その衝撃を完全に吸収し、創夜とリンが当てた拳の威力と全く同じ力で、二人めがけて弾丸のように跳ね返ってきた!
創夜とリンは迫り来る魔神を再び拳で迎え撃ち、口を開いた。
「おい、リン。目玉もやっぱりゴムだ。これ、殴った分だけ力が返ってくる。完全にカウンター仕様だぞ、打撃は効かないのかもしれないな」
創夜は冷静に状況を分析する。その間にも、二体の魔神は連続で跳ね返ってきていた。
「わかってるネ!この魔神弱すぎネ、この魔神創夜どうするアルか?」
リンは正面から跳ね返ってきた魔神の胸元を拳で弾き飛ばしながら、信頼を込めて創夜に尋ねた。
創夜はリンと会話をしながら連撃を試してみる。
----白虎乱舞
創夜が魔神を殴るごとに、殴った拳の前に白虎の顔が浮かぶ。更にリンが合わせる
----竜爪乱舞
「創夜の技はこんな感じネ!」
リンの方は竜の爪が浮かび、バチバチと火花を散らしている。
一撃でバベルの塔に当たり跳ね返ってくるを繰り返していた魔神に二人同時に連撃を加える。
打撃がとてつもない衝撃波を生んでいる。
創夜はエジスを心配して声をかけた。
「エジス、まだまだ行けるか?」
エジスはニコニコと答える。
「お兄さん、気にしなくていいよ!余裕余裕!」
エジスのバリアはまだまだ行けそうだ。
次に跳ね返ってくる魔神の速度は目に見えないほどの異常な速度ではあるが連撃を確かに凹みゴムが衝撃を跳ね返し、バベルの塔を壁としてボールみたいに跳ね返ってくる。二人は打撃がダメだとわかると。威力を少し弱めながら一撃、一撃をすごいスピードで殴りながらリンに創夜が指示を出す。
「リン、選手交代だ!下がってくれ」
リンが魔神を殴りながら下がっていく
「わかったアル!」
創夜は魔神にグラビティの重力魔法を無詠唱で唱えた。一つ目の魔神は地面に肉塊のように丸まったまま動けなくなった。
セリアがセクシーに前に出る。エジスはそれに合わせる。
創夜が指示を出さなくてもセリアが前に出てきた。
「セリア!魔法反射に備えつつあれやるぞ!」
創夜がセリアに掛け声をかけ、創夜が無詠唱で巨大なファイアーボールを二発それぞれの魔神にぶつける。それに合わせるように炎魔法が当たった瞬間にセリアが氷魔法を当てる。
---絶対零度!
創夜の呪文が跳ね返りセリアの魔法も反射され創夜とセリアに跳ね返る。セリアは魔法を吸収するバリアをはった。
「あーら、私のとっておきの魔法が通用しないなんて、なんて退屈なの。私のセクシーな身体に傷がついたら許さないわよ?その攻撃は詠んでいたわ。創夜の魔力美味しいわ」
創夜は返ってきた魔法を片手で無視を払うかのように拳で殴り魔法は上空へと消えていく。
創夜がセリアに指示を出す。
「セリアありがとう。ゴムだから燃えるかと思ったが魔法反射か、暖めたあとに急激に冷やすと割れるって言うやつも、魔法が返されちゃ効かないっと、こりゃあ予想外すぎるな、石碑とかになんかヒントがないか探してくれ、これじゃお手上げだ」
再びグラビティをかけ、セリアが下がるのを待つまもなく、動けない魔神に創夜はアルティメットブレードで二体同時に叩ききる。七色の光を放つ大剣の魔法剣だ。
しかし、やはりきれない。残撃が空中の創夜目掛けて跳ね返ってくるが創夜は地面に瞬間移動で瞬時に戻る。創夜の強烈な魔法剣の残撃が空に消えていく
創夜は、ミリィとミーナに指示を出す
「ミリィ、ミーナ行ってみるか?」
二人が同時に答える。
「はい。」
創夜は魔神へのグラビティの魔法を解く、魔神がミリィとミーナの元へ接近してくる。
ミリィの数倍はある魔神だがミリィはマシンの攻撃を素早く無だのない動きで丁寧に回避していく
「ここね!」
ミリィは一瞬の隙を突き、腰に提げた短剣を抜き、魔神の足元に切り込む。
「予知・連閃!」
ミーナは魔神へのバチバチに紫の光を放つ悪魔族の技をぶつける
倒れた魔神に対し、ミーナは可愛らしい顔で悪魔族の技をぶつける。ワイシャツと短パンというラフな姿だが、背中の悪魔のしっぽがピンと立ち、全身から紫の魔力が放出されていた。
「チャンスだよ!ミーナも頑張る!」
ミーナは倒れた魔神に向けて、精密な悪魔族の技を繰り出す。
「アーク・スキャン」
まず、魔神の全身に紫の光のグリッド(格子)が展開され、数瞬で魔神の内部構造と弱点を解析する。そして、ミーナが導き出した数値をもとに、一点集中の魔力を放った。
「見つけたよ!ウィスパー・デモリション!」
空間がバチバチと紫の雷を放つ。それは破壊的な魔法というよりも、超高周波の振動に近い。魔神のゴムの体は一瞬激しく振動するが――ピキッという微かな音がしただけで、すぐに振動は収まってしまった。
「うそ!全然倒れない!」
ミーナは悔しそうに顔を歪める。
転倒から立ち直ろうとする魔神に向かって、ミリィが再び飛び込んだ。今度は短剣ではなく、全身の羽に魔力を集中させる。
「フェザー・カッター!」
ミリィの羽から、鋭い魔力の刃が放たれる。しかし、その魔法の斬撃は、創夜やセリアの魔法と同じく、門番のゴムの体表で無力に反射されてしまった。
反射された魔力の刃を避けながら、ミーナが叫ぶ。
「ミリィ!下がって!私の計算じゃ、今の出力じゃ倒せないよ!」
「わかった!」
ミリィが魔神の懐から離脱するのを確認し、創夜は再び低い声で重力魔法を唱える。
「グラビティ」
再び地面に肉塊のように丸まった魔神を見て、創夜は腕を組んだ。
「ダメか。ミーナの振動は有効だったが、決定打にはならなかった。やはり、魔法反射とあの弾力性を同時に破る必要がある……」
創夜の顔に、初めて深刻な色が浮かんだ。
エジスがニコニコと声をかける
「兄さん達すこいね、僕にもやらせてよ。お兄さんの強化魔法で僕も戦えそうだよ交代交代!後ろは、おぬがいね!」
イケメンの歯がキラリと光る。
創夜、ミーナ、ミリィが下がる。リンはセリアを守り、セリアは倒す方法がないか回りを探している。
二体の魔神をエジスの戦いが今始まる。
創夜は何か作があるのかと思っていた。
エジスは魔神へ創夜のフルオーラ状態で、魔神と魔神の丁度間に入ると片方の魔神に突進した。
エジスは魔神と魔神の反射で二体の魔神をどんどん早い速度になり行き来する。
創夜達は何をしているのだろうと作があることを前提にみていた。
エジスが楽しそうに笑いながら魔神と魔神の間を加速する速度で反射している。
「お兄さん、そろそろ止めてくれよ。最初は楽しかったんだけどこれ止まんないや。」
創夜は唖然としながら瞬間移動でエジスを捕まえ後ろに下がる。
魔神はエジスの反射で歪みブヨブヨと凹んで形が戻るまで揺れて原型をとどめてはいない元の形になるにはかなりかかりそうだ。
「ありがとう、お兄さん。」
創夜は理解できないエジスの動きを理解できないままに冷静にエジスに依頼をする。
「エジス、回復魔法が得意だと行っていたよな、試しにあの魔神にかけてみてくれないか?」
エジスはニコニコと答える。
「いいけど、回復魔法を敵にかけるって中々すごいことを考えるね、」
---超回復!
エジスが強めの回復魔法をかけた。
創夜のパーティ全員に回復魔法が反射して回復魔法がかかる。
「こりゃあお手上げだな、打撃も、魔法攻撃も回復も効果なし!?」
これは、どうすりゃいいんだ。
創夜は皆に指示を出す。
「取り敢えず、エジス、セリアを守ってくれ、リン、ミリィ、ミーナ皆でやるか。」
二体の魔神を青いチャイナドレスのリンとワイシャツ短パンのミーナが下で空に創夜と天使の羽のビキニアーマーの四人でボコボコにそれぞれ好き放題打撃を食らわせる。サッカーやバレーをするように完全にボコボコに全員が楽しそうに二体のバベルの塔の門番のゴム魔神を殴り合う。
魔法は反射され、物理は吸収される。そして回復魔法すらも無効化し、こちらへ跳ね返ってくる。規格外の力を誇る創夜たちをもってしても、この「弾む魔神」は、完全に手の届かない強大な壁として立ちはだかった。
しかし、初めての「効かない敵」を目の前にして、パーティは逆に楽しんでいるようにも見えた。リンは「こいつ面白いネ!」と笑い、ミーナは「もっと強い技を見つけないと!」と目を輝かせ、ミリィは「このブヨブヨ、面白いね!」と羽を広げる。
創夜の視線が、魔神とバベルの塔の石碑を交互に捉えた。この絶望的な状況を打破する糸口は、仲間たちの底なしの好奇心と、古代の文字の中に隠されているのかもしれない。
「……まさか、こんな敵がいるとはな。だが、攻略できない相手はいない。この『遊び』の中に、必ず突破口があるはずだ。さあ皆この魔神をボコボコに殴りながら一緒に考えよう」




