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転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: 真柴 零
無職転生

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ep18.最終決戦 <<異界の王>>

最強の飛空艇(アストラル・ブレイカー)は、首都上空に開いた次元の裂け目を、轟音と共に突き抜けた。船体が激しい揺れを収めたとき、コックピットの窓の外に広がっていたのは、この世の理から完全に外れた領域だった。


そこは、黒い雷が絶え間なく走り、血のような赤い雲が禍々しく渦巻く異界の空間。大気そのものが毒を帯びているかのように、重く、粘ついた悪意に満ちていた。


「ここが、異界の王のホームグラウンドアルか……! 最悪の景色ネ!」リンが顔をしかめ、拳を握り直す。


そして目の前には、全てを飲み込もうとするかのような巨大な異界の城がそのおぞましい姿を現していた。城の壁は滑らかでいて不規則で、無数の潰れた眼のようなものが覗き、足元の大地は有機的な肉塊と化し、微かに脈打っている。王の本体が、その最深部で彼らを待ち構えているのだ。


そのとき、飛空艇(アストラル・ブレイカー)の船内放送が、王のおぞましい声で乗っ取られた。


「よく来た、転生者よ! 貴様をここで始末し、この世界ごと私の糧とする! 私の四天王が、貴様らの行く手を阻むだろう!」


創夜はコックピットで冷静に指示を出す。彼の瞳は、王の核がある最深部を一点で見据えていた。


「目標は王の核がある最深部だ。この城の構造は、生きた悪意そのもの。俺一人で道を切り開いていたら、王に時間を稼がれて、異界の浸食を止められなくなる」


創夜は、王が持つ**『因果律操作』の能力を知っていた。そして、自分の『重力操作』**は広範囲に力を展開する特性上、この城の狭く不安定な通路で使えば、仲間の進路まで巻き込んでしまう危険があることも理解していた。一瞬の遅れが、世界の終焉を招く。


「セリア、リン、ミリィ、ミーナ。王は俺たちを別々に引き離すつもりだ。この城は複雑すぎる。それぞれの得意な戦場で敵を引きつけろ。 俺が王の核にたどり着くまで、力で道を切り開いてくれ!」


「任せて! 私の究極の制御アストラル・コントロールで、城の壁をぶち抜いてやるわ!」 セリアが優雅に笑みを浮かべる。彼女の**『属性複合魔法』**こそ、この有機的な壁を最も効率的に焼き尽くせるのだ。


「未来は予測済みよ。《時空間剣術》で、敵の背後から核まで道筋を断ち切る」 ミリィは剣を抜き、決意を滲ませる。彼女の**『未来視』と『加速能力』**は、この複雑な城塞を迷わず進む唯一の道標となるだろう。


「創夜と王の戦いの舞台は、私たちが作るアル! 最高の場所を用意するアルよ!」 リンの声が続く。彼女の**『超速格闘術』**は、四天王との一対一の戦闘で最も輝く。


創夜は全員に再度の**完全加護フルオーラ**を施した。


「行け。全力で勝ち取ってこい! お前たちなら十分倒せる。俺は、王との決戦の舞台を作るために、最速で直進する。 危なくなったら俺を呼べ。必ず行く」


飛空艇(アストラル・ブレイカー)は城壁に激突する寸前で急停止し、セリア、リン、ミリィ、ミーナの四人は、それぞれの進路へと飛び出した。


セリアが向かった巨大魔力増幅塔の周囲には、空間を切り裂く黒い雷と奔流が複雑に絡み合い、空気は濃密な魔力の渦で満ちていた。塔の表面は光と影が奔流の波に合わせて変化し、壁の亀裂から赤い光が漏れるたび、まるで塔自体が呼吸しているかのように見えた。足元の地面もまた粘着するように歪み、歩を進めるたびに魔力の抵抗を感じる。


「くっ……これが異界の力……!」

セリアは口元で呟き、掌に魔力を集める。奔流は生き物のように襲いかかるが、彼女の冷静な目はその脈動を正確に捉えていた。微かな魔力の波を読み取り、攻撃の方向を予測する。それはまるで水面に浮かぶ小石の影を追うような繊細な作業だった。


「来るがいい、セクシーなお姉さんよ! この制御不能な魔力に溺れるがいい!」

アスタロトが再び声を上げると、周囲の魔力が奔流として押し寄せ、塔の壁は振動でひび割れた。巨大な魔力の奔流は、まるで竜の咆哮が空間を引き裂くかのようにうねり、空中に亀裂を生む。


「ふふ……制御不能? その言葉、私には通用しないわ」

セリアは一歩も退かず、周囲の奔流を掌に集める。魔力の網が空間に広がり、奔流はねじれながら一点に収束していく。奔流の力は、反発しようとするたびにセリアの掌の中で形を変え、圧縮され、やがて光線へと姿を変える。


魔力吸収壁マナ・ドレイン!」

セリアが声を張ると、掌から放たれた魔力の結界が奔流を捕らえ、逆に圧縮して返す。奔流の勢いは収束され、塔の空間に衝撃の波紋を描き出す。その瞬間、塔の表面が軋み、魔力の波が反転して空間を逆巻き、アスタロト自身の体を押し戻すように働く。


「な、なに……!? この魔力……支配されている……だと……!」

アスタロトの声は恐怖と驚愕に震え、普段の高慢な態度は消え失せていた。奔流は彼の意のままにならず、束ねられ、集中された力が光線となって突き刺さる。


「残念ね。その奔流、私にとってはただの燃料よ――返してあげる!」

セリアは優雅な微笑を浮かべ、掌から放たれた光線は三つに分かれ、まるで水神の槍のように塔の空間を貫く。奔流を受けた塔内部は光の奔流に包まれ、爆発的な光と振動が辺りを震わせる。


「水神の裁き(トライデント・ジャッジ)!」

三本の光の槍がアスタロトの体に突き刺さると、彼の巨体は黒煙と奔流の渦の中で崩れ、ついに霧散した。空間の歪みがゆっくりと収まり、塔は静寂を取り戻す。


しかし、戦いはまだ終わりではない。崩れた塔の残骸から放たれる魔力の残滓は、周囲に小さな奔流を巻き起こし、セリアを試すように押し寄せる。彼女はそれを掌で操り、光の結界で次々に押し返す。魔力の奔流は攻撃の波紋となり、空間を震わせ、戦場の一瞬一瞬が生き物のように変化する。


「くっ……まだ消えたわけじゃないのね」

セリアは冷静に次の行動を考え、塔の頂上を見上げる。そこには、アスタロトの最後の力が凝縮され、残滓として小さな黒い球体となって漂っていた。その球体は周囲の魔力を吸収し、再び奔流として増幅する危険を孕んでいる。


「よし……これで終わらせるわ」

セリアは再び魔力を掌に集め、光の槍を形成する。彼女の掌から紡がれる魔力は奔流の渦を鎮め、球体を包み込むように集中された。光の槍は魔力の奔流を貫き、球体に直撃した瞬間、爆発的な閃光とともに残滓は消滅する。


周囲に漂っていた赤黒い光が消え、空間は静寂を取り戻した。セリアは深呼吸をし、戦場を見渡す。塔の崩壊の影響で、床にはひび割れが広がり、砕けた石片が魔力の光を反射して乱舞していた。だが彼女の瞳は冷静そのもので、次の進路を決めるために仲間との通信を確認する。


「創夜……塔の外周は無事? 次はそちらに向かうわ」

セリアは創夜のテレパシーで仲間に確認を取り、次の行動の準備を始める。塔の上空には異界の黒い雷がまだ残っているが、彼女の魔力の結界が防護となり、通過する際の危険を最小限に抑えていた。


セリアの魔力奔流が止まった増幅塔を後にし、ミリィが選んだ進路は、王城の中でも最も異質な領域、時空の歪む回廊だった。壁も床も光の残像となって震え、一歩進むごとに時間の流れが加速したり、引き延ばされたりする。この回廊こそ、創夜が最も足止めを食らう場所であり、彼女の**『未来視』と『加速能力』**がなければ突破不可能な迷宮だった。


回廊の中央、時間の渦が最も激しい場所に、四天王の一人、未来を喰らう者・ベリトは立っていた。その姿は、光と影が常に変形する不定形で、いくつもの未来の残像を同時に纏っている。


「愚かな人間よ。よくここまで辿り着いた。だが、お前の未来など、私の掌の上だ! 貴様が次に取る行動、次に発する言葉、全ては既に私に知られている。諦めろ!」ベリトの声は、過去と未来が同時に響き合うように歪んでいた。


ミリィは冷静に、深紅の瞳でベリトの姿を捉える。彼女の心は極限まで集中されていた。


「ふん、あなたの『未来』は、私の集中の前ではただの過去よ。王城にいる創夜に辿り着くためには、この回廊を切り開かなければならない。創夜の魔法は**『時間操作』ではない。この空間の時空の乱れを読み解けるのは、私だけ**。ここで足止めを食らうわけにはいかない」


ミリィは一歩踏み出し、愛用の剣を構えた。彼女の『未来視』は、ベリトが放つ幾千もの未来の可能性の中から、**「確定した未来」**への道筋を、青い光の線として映し出していた。


ベリトは余裕の笑み(のようなもの)を浮かべ、戦闘を開始する。


「無駄だ! 『時空残響タイム・エコー』!」


ベリトの現在の身体、一秒後の未来の身体、そして一秒前の過去の残像が同時にミリィへと襲いかかる。過去の残像は既に発動した攻撃を再現し、未来の身体はミリィが回避するであろう空間を先回りして塞いだ。さらに、あらゆる時空をずらしながら、ミリィの剣が届かない領域を巧みに選び、彼女の**『未来視』**を無効化しようと試みる。


通常の戦士であれば、この**「確定しない多重時間攻撃」**の前には、思考が追いつかず、瞬時に肉体が崩壊するだろう。


だが、ミリィの瞳は揺るがない。彼女が見ているのは、ベリトの攻撃そのものではない。彼女が視ているのは、「時間の流れ」の乱れ、その予兆だった。


**『未来視』は、攻撃の軌道が時間軸上で乱れる「一瞬の綻び」を正確に捉える。彼女の体は、『加速能力』**によってその未来の情報に完璧に追従し、最小限の動きへと収束させた。


ミリィは横に一歩、足を滑らせる。それだけで、過去の攻撃が巻き起こす爆風を避け、未来の攻撃が通り過ぎる一線をかいくぐった。ベリトの無数の拳と刃が、ミリィを包囲しながらも、全てが空を切る。


「な……なぜだ!? 貴様の回避は、私の予測を超えている! それは、私の未来には存在しない動きだ!」ベリトの声に焦りが混ざり始めた。


「あなたの未来は、私にとってどうでもいい。私が求めるのは、創夜が王を討つという確定した未来よ。そのために、あなたという障害は消えてもらう」


ミリィは剣を握る手に力を込めた。ベリトの攻撃をかわし続けた数秒の間に、彼女は既に敵の**「未来を喰らう能力の核」を見抜いていた。それは、ベリトの存在を時空に固定している、ごくわずかな「時間の静止点」**だった。


「あなたの未来の核は……ここ!」


ミリィの動きは、もう最小限という次元を超えていた。呼吸、視線、筋肉の動き、全てが**『加速』と『未来視』**によって極限まで研ぎ澄まされ、ただ一歩、ただ一閃の動作に凝縮される。


「未来回避の一閃フラッシュ・ストライク!」


彼女の剣閃は、時空を滑るようにベリトの時間の静止点へと吸い込まれた。


刹那、ベリトを構成していた過去と未来の残像が全て消え去り、その存在そのものが時間軸から切り離されたかのように、一瞬で停止した。時間の法則が崩壊したことで、ベリトの肉体は光の粒子となって霧散し、回廊から時空の歪みが消え去った。


ミリィは深呼吸し、剣の切っ先を下げた。回廊に静寂が戻る。


「ベリト、消滅確認。これで、創夜の進路に迷いはない。倒したわよ、創夜!」


彼女の静かな声が、崩壊し始めた王城の深奥へと響き渡った。


ミリィが時空の歪みを断ち切った頃、リンは王城の最も深く、心臓部とも呼べる動力炉へと到達していた。そこは異界の魔力を吸収・増幅するための巨大な炉が脈打ち、熱と悪意の波が絶え間なく押し寄せる、最も破壊的なエネルギーに満ちた場所だった。リンが選んだのは、この心臓部の機能を停止させるという、最も直接的な道だった。


動力炉の中央、赤黒く燃える炉の前に立ちはだかっていたのは、四天王の一人、剛力の覇者・ガープ。全身を硬質な黒い装甲で覆い、まるで巨大な岩石そのものが動いているような、圧倒的な質量を誇っていた。


「竜族の小娘が、この程度の魔力制御に頼る場所に来るとはな! 貴様のような華奢な体で、この拳に耐えられるか!」


ガープは豪快に吠え、その巨腕を振り抜いた。それは純粋な筋力によって生み出された衝撃波であり、動力炉の壁を砕き、周囲の魔力管を破裂させながら、リン目掛けて叩きつけられる。その威力は、並の防御魔法や剣術では完全に受け止めきれず、粉砕されるしかない。


リンはしかし、一歩も引かなかった。彼女の全身の筋肉は極限まで緊張し、**『超速格闘術』**で培った集中力を全身にみなぎらせる。


「耐えるアルよ!私の技を見せてやるネ!」


彼女は両手の平を合わせ、自身の身体と意識を**『竜族の気』へと集中させた。創夜の『絶対防御』が広域の概念操作であるのに対し、リンの防御は、その無意識の防御の概念を、竜族特有の強靭な「気」**を用いて一点に再現するものだった。


「竜気の絶対防御ドラゴニック・セーフティ!」


衝撃波がリンの目前に到達した瞬間、彼女の身体の周囲、わずか数ミリの空間に、透明な気の障壁が出現した。それは、広範囲に展開する創夜の防御とは異なり、ガープの衝撃波が持つ「破壊」の概念そのものを、**「力の無効化」**という別の概念に変換して受け流す、究極の一点集中防御だった。


「な、なぜだ!? 私の剛力が、小娘の目前で力を失っただと!?」ガープの巨体に動揺が走る。


「剛力には、気の圧縮で応えるアル! 貴様の力はただの破壊。私の力は、破壊すら呑み込む制御アル!」


リンは防御を解除し、一瞬で超速の体勢へと移行した。彼女の狙いは、ガープの装甲の最も厚い部分、すなわち**「剛力の源」**である心臓部だった。


彼女は、体内の**『竜族の気』**を、まるで圧縮空気のように右手の拳の一点に集中させる。その気の密度は、鉄を溶かし、ダイヤモンドを砕くほどの硬度と破壊力を秘めていた。


ドゴン――!


リンの小さな拳が、ガープの厚い胸部装甲の中心へと突き刺さった。それは超速が生み出す衝撃であり、圧縮された気が生み出す破壊だった。


衝撃音とともに、ガープの分厚い装甲が内部から亀裂を生じ、木っ端微塵に砕け散る。巨体は呻き声を上げることすらできず、動力炉の壁に激突し、崩れ落ちた。


「剛力を制御してこそ、真の力アル!」


リンは拳を突き出したまま、満足げに笑った。その小さな体からは想像もつかないほどの闘気が、動力炉を満たしていた。四天王の一人、剛力の覇者・ガープは、リンの超速と制御によって、瞬時に敗北したのだ。


(よし、これで三つ目! 創夜、あと一歩アル!)


リンは再び**『超速格闘術』**の速度で飛び出し、次の仲間、ミーナの戦場へと意識を集中させた。


ミーナが辿り着いたのは、城の奥深くにある生命循環路――異界の魔力が脈打ち、無数の管が地面を這う不気味な空間だった。

そこに立つのは、王の最後の四天王。

「混沌の創造主ケイオスメーカー・ザガン」。

その姿は黒い粘液と骨が融合した異形で、見る者の心を狂わせるほどの存在感を放っていた。


「……来たか、小悪魔の娘。貴様のその血は、混沌に最も近い。私の器として、悪くない。」


ザガンの声は空間全体から響くように歪み、足元の地面が波打つ。

ミーナは、赤黒い魔力を纏う。


「私はもう、誰の器にもならない。

――“創夜の仲間”、ミーナとして戦う!」


ザガンが手を振ると、周囲の肉壁から無数の黒い腕が生え、触れたものを溶かす腐食の瘴気が溢れ出した。

しかしミーナはひるまない。彼女の体から放たれる悪魔のオーラが一瞬でしょうきを弾き飛ばす。


「悪魔の力をなめないで!」


ミーナは瞬間的に姿を消す。

ザガンの目が追いつく前に、ミーナの斬撃が走った。


「――シャドウ・スラッシュ!」


闇を裂くような一撃が、ザガンの外殻を切り裂く。だがその傷口はすぐに再生する。

「無駄だ。私は“混沌”そのもの。破壊など、意味をなさぬ。」


ザガンの身体から黒い触手が奔流のように伸び、空間を覆う。

その全てが、ミーナを飲み込もうと迫る。

だが彼女は跳ねるように宙を舞い、魔力の加速で上空へと回避した。


「――インフェルノ・スピン!」


赤黒い炎が剣を包み、回転と共に無数の炎刃が周囲に降り注ぐ。

ザガンの触手が次々と焼き切れ、断末魔のような音が空間に響く。


「この程度……まだ混沌の核には届かん!」


ザガンが怒りと共に咆哮し、生命循環路そのものを歪ませた。

壁も床も裏返り、上下がわからない。

しかしミーナは目を閉じ、集中する。


――創夜の加護が、確かに背中にある。


「落ち着いて……“混沌”は、中心から崩す!」


ミーナは気配を読む。歪んだ空間の中で、ほんのわずかに乱れた魔力の流れ――そこが“核”だ。

瞬間、地面を蹴った。


「――ダークレギオン・ブレイク!!」


悪魔の翼のような魔力が背に広がり、彼女は一直線にザガンの胸部を貫く。

赤黒い光が閃き、爆発のような衝撃が空間を飲み込んだ。


「ま、待て……!貴様……その力、いったい何だ……!」


「これは、“仲間と共にある力”よ。」


ザガンの巨体は光の粒となり、崩れ落ちていった。

残されたのは、静寂と、脈動を止めた生命循環路の残骸だけ。


ミーナは深呼吸し、腕を下ろした。

額から汗が滴り、赤い瞳がわずかに揺れる。


「……やった。もう、終わったんだね。」


創夜のテレパシーで、リンの声が響く。


『さすがミーナ!最後の四天王、撃破アル!』


セリアの軽やかな声も続く。


『ふふ、やるじゃない。創夜、これで道は開けたわね。』


ミーナは微笑み、わずかにしっぽを揺らした。

「うん……これで、創夜さんのところへ行ける。」


その瞳に、恐れも迷いもなかった。

悪魔の少女は、もう迷子ではない。


四天王を全て撃破した創夜たちは、ついに異界の王の核へと辿り着いた。

異界の心臓――そこは、生きた肉塊と奔流する光が絡み合い、常識の通用しない空間だった。


赤黒い光が脈打ち、空間そのものがうねる。触手や奔流が生き物のように蠢き、近づく者を容赦なく引き裂こうとしている。創夜は剣を握り締め、目を細めた。


「よくぞ来たな、転生者よ……だが、もう遅い!」

王の核の咆哮が空間を震わせ、地面が隆起し、空気が粘つくように重く押し潰す。


「ここからが本番アル!」

リンが叫ぶ。全身の気を高め、触手や奔流に立ち向かう覚悟を示した。


創夜は目を閉じ、無我の境地を解放する。光の結界――**絶対安全圏セーフティ・フィールド**が展開され、仲間たちを包む。外部からの奔流や触手が結界に触れるたび、爆発的な衝撃波を伴って弾き返される。


「俺の力は破壊のためじゃない。仲間を守るためだ!」

剣に力を込めながら、創夜は仲間たちの思念と力を一点に集中させた。


セリアは魔力を全開にし、奔流を抑え込むように結界を補強。

ミリィは未来視によって王の次の攻撃を先読みし、創夜へ最適な攻撃軌道を指示する。

リンは気の波で足場の崩壊を抑え、触手を弾き飛ばす。

ミーナは愛の気を広げ、仲間の結界をさらに強化する。


王の核は、圧倒的な存在感で巨大に膨れ上がり、赤黒い光を渦巻かせる。

「転生者よ……全ては終わる。世界ごと、この私の糧となれ!」

核の一部が飛び出し、触手となって創夜たちに襲いかかる。


創夜は剣を振るい、触手を断ち切るが、切っても切っても瞬時に再生する。触手は無数に増え、空間を覆うように伸びる。

「……くっ、全力で行くしかない!」

剣を大きく振り下ろすと、光の刃が赤黒い触手を裂き、核の表面に亀裂を入れる。しかし核は形を変え、破壊を許さない。


「創夜!左翼から触手が回り込んでくるアル!」

リンの声が響き、創夜は回避しつつ、剣の先端で触手を弾き飛ばす。

触手が炸裂し、赤黒い飛沫が空間に散る。


「よし……ここで仲間たちの力を最大限に!」

創夜は剣を構え、セリアの魔力を吸収し、光の刃に融合させる。

ミリィの未来視で導かれる最適軌道を刃に反映させ、リンの気の波で空間を安定させる。

ミーナの愛の気は刃の威力を極限まで高め、敵の核に集中する。


「行くぞ、王。これが――俺たちの答えだ!」

アイアンブレードは七色の光を放つ魔法剣へと変化する。光は異界の法則そのものをねじ曲げ、奔流や触手を寄せ付けない。


世界破断剣ワールド・ブレイク!」


光の刃が王の核を貫く瞬間、赤黒い奔流と触手が激しく抵抗する。空間が裂け、異界の中心部が大きく揺れた。

核は巨大な波動を放ち、光と闇の奔流を撒き散らす。創夜は膝をつき、剣を支えにして耐える。


セリアの魔力が奔流を吸収し、刃に変換してさらに核へと突き刺さる。

ミリィは未来視で残存する攻撃を瞬時に予測し、最小の動きで刃を核の中心に導く。

リンは気の波で触手を抑え、ミーナの愛の気で結界を強化する。


王は絶叫した。

「な、何だ……この力は……! 我が核を……破壊するとは……!」

触手や奔流が必死に刃に絡もうとするが、光の刃は動じず、全てを切り裂き続ける。


そして、王の核が完全に砕け散った瞬間、空間は轟音と共に崩壊し始める。赤黒い光が消え、奔流が空中で爆ぜる。異界の心臓は崩れ、触手や肉塊は粉々になって地面へ落下する。


創夜は剣を支えに膝をつき、重く息をついた。

「……終わった、か。」

静寂が空間を包み込み、崩壊の波動が徐々に穏やかになっていった。


仲間たちの思念が創夜へ流れ込む。

『創夜……やったアル!』リン

『無事ね、創夜。道は開けたわ』セリア

『……未来、見えないけど、確かに勝ったわね』ミリィ

『創夜さん、私たち一緒だったよ』ミーナ


創夜は静かに頷き、剣を背に立ち上がる。

空間の残骸を踏みしめながら、仲間の顔を一人ずつ見渡す。

誰もが傷だらけだが、確かに生きている。


――そして、彼らの前に残されたのは、静寂の中でゆっくりと消えていく異界の残骸だけだった。


異界の王の核は、完全に沈黙していた。

空間を覆っていた赤黒い光が薄れ、歪んでいた大地もゆっくりと崩れ始めている。


「……でも、このままだと空間ごと飲み込まれる。」


創夜は顔を上げ、意識を集中させた。

額に宿る紋章が淡く光り、仲間たちの意識へと“思念の糸”が伸びていく。


(――みんな、聞こえるか?)


すぐに、脳裏へ複数の声が流れ込んできた。


(聞こえるアル! こっちは脱出準備オッケー! でも裂け目が狭まってるヨ! 時間がない!)

リンの声はいつもの調子だが、その裏に焦燥と必死さが滲んでいた。


(創夜、塔の外周は完全に崩壊してる! でも飛空艇(アストラル・ブレイカー)はまだ健在よ。早く戻りなさい!)

セリアの思念は冷静で、しかし微かに震えている。


(……未来視によると、この次元の崩壊まであと3分。)

ミリィの声が淡々と響く。

けれどその奥に――確かな確信があった。

(あなたは帰ってくる。それは、確定した未来だから。)


創夜は微笑み、剣を握り直した。


「……行くぞ。みんなのところへ。」


彼は地を蹴り、崩れゆく肉壁の裂け目を跳躍する。

異界の空気は重く、身体を押し潰すような圧迫感があったが――創夜の心は、軽かった。

仲間たちが待っている。その事実が、何よりも力になる。


崩壊した通路を抜けた瞬間、上空から赤黒い閃光が走る。

残存する王の断片――異界の防衛意識が、なおも彼を飲み込もうとしていた。


「まだ残ってやがったか!」


創夜が防御を展開しようとしたその時、爆発的な魔力の奔流が横から割り込んだ。


「遅いわね、創夜! レディを待たせるなんて失礼よ!」


輝く水と氷の光が空間を貫き、防衛機構を一瞬で粉砕した。

セリアが塔の残骸の上に立ち、優雅に微笑んでいる。


「セリア……!」


「ふふ、無事で何よりね。行きましょう。リンたちが上空で待ってるわ。」


彼女が杖を一振りすると、氷の階段が空へと伸びていく。

だがその途中、地面が再び揺れた。

異界の空間そのものが崩壊の最終段階へと入っている。


「……セリア、飛ばすぞ!」


「了解!」


創夜がセリアの手を取り、魔力の翼を展開。

二人の身体が、燃え尽きる空間を突き抜けて上昇した。


――そして。


上空の裂け目の前で、巨大な影が二人を迎えた。


(創夜ァァァァァ!! 早く乗るアルよォォォ!!)


リンの思念が頭の中で爆音のように響く。

飛空艇(アストラル・ブレイカー)のハッチが開き、風が巻き込む。


(こっちよ、早く! もう空間がもたない!)

セリアが指示を飛ばし、魔力の軌道を安定させる。


(転送ゲートまであと十秒――!)

ミリィの声は冷静だが、加速する船体に緊張が走る。


創夜とセリアが飛び込んだ瞬間、後方から炎の渦が吹き荒れた。

だが、その炎を真正面から切り裂くように、もう一つの影が舞い降りる。


(待たせたわね! あたしも最後の切り札、置いてきたところ!)


ミーナの声が強く響き、赤黒い翼が燃えるようにたなびく。

彼女は悪魔の血を解放し、最後まで戦ってきたのだ。


(ミーナ! お前も、よくやったな。)

(ふふっ、創夜さんが見てると思ったら、手は抜けませんから。)


ミーナが照れた思念を返すと、リンの声が割り込んだ。


(よく帰ってきたアル~! 全員そろって、これで勝ち確定ネ!)


(ちょっとリン、抱きつくと危ないってば!)

(離さないアルー!! 感動アル~!!)


セリアがその様子を見て、苦笑混じりの思念を送る。

(ほんと、あんたたちらしいわね。異界で戦っても最後はハグ大会。)


(……でも、そういう“未来”が見たかったのかもしれない。)

ミリィの声は穏やかで、少し震えていた。


飛空艇(アストラル・ブレイカー)が揺れる。

下方の異界が、完全に崩壊を始めた。

空間の裂け目が急速に閉じつつある。


(創夜、もう限界アル! 脱出するヨ!!)


(全員、シートに固定! ミリィ、転送航路を!)

(了解――目標:現界、首都上空座標!)


飛空艇(アストラル・ブレイカー)の魔導エンジンが唸りを上げ、七色の光が船体を包み込む。

背後で次元の破裂音が響き、まるで世界そのものが悲鳴を上げるようだった。


(みんな……ここまで、ありがとう。行くぞ!)


(「了解!!」)


飛空艇(アストラル・ブレイカー)が加速する。

異界の裂け目を突き抜け、光の奔流の中を駆け抜ける。

視界が白に染まり――そして、青い空が広がった。


まぶしい太陽。

清らかな風。

懐かしい世界の匂い。


「……帰ってきた。」


創夜が呟くと、リンが嬉しそうに跳ねた。


(やったネ! これで本当に終わりアル!!)


セリアは深呼吸をして、空を見上げた。


(この空……最高ね。異界の空気とは大違い。)


ミリィは無言で未来視装置を閉じる。


(……未来は、もう自分たちで作れるわ。)


ミーナは剣を胸に抱きしめ、穏やかな思念を放つ。


(創夜さん、本当に……ありがとう。)


創夜は静かに頷き、仲間たちの心を一人ひとり感じ取る。

誰もが傷だらけだが、確かに生きている。


(……いや、ありがとうは俺の方だ。

お前たちがいたから、俺は王を倒せた。

この世界を、救えた。)


一瞬の沈黙。

そして次の瞬間――


(うわーん!! 感動モード突入アル~!!)

(ちょ、ちょっと落ち着けって!)

(落ち着けるかアルよー!! 死ぬかと思ったアル!!)


セリアとミーナが思念で笑い、ミリィも小さく吹き出す。


(……ふふ、ほんと。最高のチームね。)


飛空艇(アストラル・ブレイカー)はゆっくりと首都上空を旋回し、朝の光の中を進む。

崩壊した異界の裂け目が完全に閉じ、空にはただ静かな青だけが残った。


創夜は目を閉じ、心で仲間たちに語りかける。


(……なあ、みんな。)


(ん? どうしたネ?)


(これからも、一緒に――旅をしよう。)


少しの沈黙。

そして温かな思念が返ってくる。


(当然よ。)

(賛成。)

(もちろんアル!)

(……はい、創夜さん。)


飛空艇(アストラル・ブレイカー)は昇る朝日に向かって進む。

その光の中で、仲間たちの思念が重なり、ひとつに溶け合った。


――こうして、異界の王との最終決戦は幕を下ろした。

だが彼らの旅路は、まだ終わらない。

救った世界の果てに、また新しい冒険が待っている。


それが、“創夜たち”の物語だ。

エピローグ


異界の王を打ち破り、世界を救った創夜たちは、すべての騒動が収まったあと、故郷の海の町へと帰ってきていた。


王の悪行はすべて公表され、世界は混乱から立ち直りつつある。

人々は「創造主・創夜」への感謝を胸に、新しい時代を迎えていた。


その夜――。

彼らは海の町で一番の高級レストランを貸し切り、静かな祝宴を開いていた。

テーブルには豪華な海鮮料理と極上のワインが並び、仲間たちは思い思いの正装で席に着いている。


セリアは深紅のイブニングドレスに身を包み、グラスを手に優雅に微笑む。

リンはしっとりとした和装姿で、珍しく静かに杯を傾けていた。

ミーナはクッキーを片手に、いつものように幸せそうな笑みを浮かべている。

ミリィは静かに魚料理を味わいながら、満ち足りた表情で一行を見つめていた。


「ふぅ……やっぱり、最終決戦のあとに食うメシは格別だな。」

創夜はステーキを切りながら、心からの笑みを浮かべる。


リンがグラスを掲げた。

「あの王との戦い、思い出すだけでゾクゾクするアル! 創夜の“無我の境地”、本当にすごかったネ!」


セリアは艶やかに肩をすくめる。

「あの時のあなたの防御、まるで神の加護だったわ。私も、自分の魔力制御を極められて満足よ。このドレスも、私の勝利を祝っているの。」


ミーナはクッキーをかじりながら、にこにこと言う。

「ミーナの愛情クッキーで、王様の憎しみも優しさに変えられたらよかったのにね! でも、世界が平和になったから、もっとおいしいクッキーを作れるの!」


ミリィが小さく笑った。

「修行の成果が報われた瞬間だったわ。王の未来予測も、私の一撃の前では通じなかった。」


創夜はそんな仲間たちを見渡し、穏やかに言った。

「ああ……結局、俺のジョブは“無職”のままだったけどな。でも、わかったよ。“無職”ってのは、何にも縛られずに、想像したすべてを形にできる――最強の自由のことなんだ。」


リンが笑いながらうなずく。

「その通りアル! 創夜は“無職”という名の、世界の創造主アルネ!」


会場に笑いが広がった。

そして、セリアがワイングラスをくるくると回しながら、ふと問いかけた。


「そういえば創夜。あの異界の城が崩壊する直前――あなた、何かを“イメージ”していたんじゃない?」


創夜は一瞬だけ目を細め、ニヤリと笑った。

「ああ。あのとき、王の魔力と知識が別次元の“座標”を形成していくのを感じた。だから、その座標を俺の“瞬間移動”で、別の場所へと移したんだ。」


「別の場所……アル?」リンが身を乗り出す。


「この世界のどこでもない。“俺の想像の領域”にある、誰にも見つからない場所だ。」

創夜は声を潜め、意味深に笑う。


そして、テーブルの上に地図を広げた。

そこには誰も知らない地点に、赤いバツ印が記されている。


「この王の知識を解析すれば、“真の秘宝”や、“この世界には存在しないはずの超古代の隠しダンジョン”への道が見つかるかもしれない。もちろん、難易度は王の城どころじゃないけどな。」


ミリィは赤い印を見つめ、神妙な声を出した。

「……この場所、私の未来視でも何も見えない。本当に未知の領域ね。」


ミーナは無邪気に首をかしげる。

「そこには、おいしいクッキーのレシピがあるの?」


創夜は笑い、仲間たちを順に見渡す。

「さあな。でも、“無職”の俺の想像力には、まだまだ無限の可能性がある。俺たちの旅は“王討伐”で終わらない。この世界で一番面白くて、誰にも想像できない“次の物語”――もう始まってるんだ。」


彼はグラスを掲げた。

「最高の自由と、終わらない物語に――乾杯!」


「乾杯!」


グラスが鳴り響き、笑顔が広がる。

王を倒した達成感と、新しい冒険への期待が、彼らの胸を満たしていた。


リンが身を乗り出して言う。

「ねえ創夜。その“バカみたいに高難度”の隠しダンジョン、行ってみたいアル!」


セリアが腕を組み、微笑みながら言った。

「でも、創夜。アイアンブレードだけじゃ、ちょっと心もとないんじゃない?」


創夜は剣を軽くトントンと叩き、肩越しに笑った。

「そうかもな。でも、物理の武器は作れないからな――作れるのは魔法剣と魔法だけだ。」


ミーナが目を輝かせて口を挟む。


「要するに、剣自体を魔力で強化したり、光や炎の刃に変えたりできるんだ。例えばこのアイアンブレードも、七色に輝く魔法剣になる」

創夜は楽しそうに説明する。

「だから、僕の戦い方は剣と魔法の融合――普通の装備じゃなく、想像力で作った魔法の力が頼りなんだ。」


ミリィが未来視の手つきで笑った。

「なるほどね。それなら隠しダンジョンでも、私の未来視と組み合わせて攻略できそう。」


リンが興奮気味に体を揺らす。

「 創夜は敵なしネ!」


セリアがグラスをくるくる回しながら、軽やかに言った。

「でも、あなたの魔法剣はやっぱり象徴ね。どんな魔法を込めても、剣そのものが創夜の自由を映しているもの。」


創夜は満面の笑みを浮かべ、グラスのジュースを飲み干した。

「ふっ、まあな。自由と想像力の証だからな。アイアンブレードも、僕が作る魔法も――全部、俺たちの物語の一部だ。魔法が効かない相手が居なくてよかったぜ。この装備で裏ボスまで倒したようなものだが、しかし、このままこの装備ってわけにもな。ドロップ品も素材もあるからまともな装備でもつくるか。」


ミーナが頬を膨らませ、嬉しそうに笑った。

「だったら私も、クッキーのオーブンをもっと改造して、次の冒険に備えなくちゃね!」


リンが身を乗り出して、指を弾ませながら言った。

「ねえねえ創夜、その隠しダンジョン、早く行きたいアル! 私の超速格闘術も使えるアルよ!」


創夜は仲間たちを順に見渡し、ニヤリと笑った。

「おう、行くぞ――でもまずはこの乾杯の味をしっかり楽しんで装備を整えて十分準備をしてからな」


そして、みんなで笑い声を上げながらグラスを掲げた。


――こうして、彼らの物語は静かに幕を下ろしたが、

創夜の想像力と仲間たちの絆が紡ぐ、新たな冒険はすでに始まっていた。


――そして、物語は静かに幕を下ろす。


(完)



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