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転生したら無職で追放されたけど、実はチートだったので、とりあえず、魔王というやつをこの目で確めて来ます  作者: 真柴 零
無職転生

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ep16.知識の図書館

最強の飛空艇(アストラル・ブレイカー)に乗り込んだ一行は、最高速度で天空を駆け、数日後、古代の賢者が集ったという伝説の地、**「知識の図書館」**へと到達した。


そこは、空に浮かぶ巨大な岩礁群の上に築かれた、荘厳な大理石の建造物だった。周囲の空気は澄み渡り、魔力と知識の波動が満ちている。


飛空艇(アストラル・ブレイカー)を静かに着陸させた創夜たちは、中へと足を踏み入れた。図書館の内部は、無限に続くかのような書棚と、天井まで届く巨大な知識の柱が立ち並ぶ、壮大な空間だった。


「すごいアル!ここは、世界の全ての知識が集まっているネ!」リンが目を輝かせる。


「ふふ、知識という名の秘宝…私に相応しいわ」セリアは、そのセクシーな魅力で周囲の静寂な空気を華やかに彩りながら、古文書に手を伸ばす。


創夜は、ポセイドンの設計図と雷神の石板に残されていたヒントを頼りに、最も古い書架の奥へと進んだ。探しているのは、彼が**「転生者」としてこの世界に来た理由と、彼を追放した王**に関する記述だ。


創夜が手を触れたのは、塵を被った一冊の古びた記録書**『異界の干渉者』**という書物だった。そのページをめくった瞬間、創夜の身体に電流が走った。


そこには、この世界の歴史の裏側に隠された、恐ろしい真実が記されていた。


> 「…遠き過去、我らの世界は、異界の魔物によって侵略の危機に瀕した。その魔物は、人の形を借り、権力の頂点に立つことで、内部から世界を蝕む計画を実行した。時を同じくして、世界を救うため、異界より特別な魂が召喚された...それは、世界を変える力を持つ者。」


「異界の魔物...特別な魂...」創夜は言葉を失った。


リンとセリアが創夜のただならぬ様子に気づき、隣に寄った。


「創夜、どうかしたアルか?」


「この本...まさか…」セリアは記述を読み進め、表情を凍りつかせる。


その本の最終ページには、創夜が転生して最初に会った、彼を「無職」として追放した王の肖像画が描かれていた。そして、その肖像画の下には、恐ろしい文字でこう記されていた。


「現在の王こそ、異界の魔物の擬態である。彼の目的は、真の世界の救世主たる異界の転生者を排除し、世界の崩壊を導くことである。」


「...嘘だろ?」創夜は膝から崩れ落ちそうになった。


「あの王が…魔物?」セリアが信じられないといった様子で口元を覆う。


創夜は、これまで自分が「無職」として追放されたことに抱いていた、わずかな自嘲の念が、怒りと使命感へと変わるのを感じた。


ミーナとミリィも創夜の元に集まり、事の重大さを理解した。


「創夜を追放し、世界を滅ぼそうとしているのなら、容赦はしないわ」ミリィの目が鋭く光る。

「そうだ、俺を追放した王は、この世界最大の敵だったんだ。本当の魔王というやつは、遠いどこかじゃなくて、俺たちのすぐ近くにいたってわけだ」創夜は立ち上がり、決意を固めた。


創夜の身体から、これまでで最も強く、そして憤怒に満ちたオーラが噴き出した。それは、仲間を守るという絶対安全圏の無意識の力に、真実を知った怒りが加わったものだった。


「リン、セリア、ミリィ、ミーナ。俺たちの旅の目的が決まった。俺を追放した魔物の王を、倒す!」

リンは力強く頷いた。「創夜の怒り、私たちが全て受け止めるアル!」


セリアは、創夜の怒りすら魅力的だと感じながら、魔力の制御に意識を集中させる。「私の究極の制御の力を、存分に見せてあげるわ」


ミリィは静かに、しかし強く言った。「王の動き、未来を予測して、会心の一撃で必ず仕留める」

創夜たちは、図書館で王を倒すための最後の情報を手に入れた。王は、首都の巨大な城の地下深くで、異界の魔力を取り込む儀式を行っているという。


**「知識の図書館」**での探索は、彼らの冒険の真の目的を明らかにし、旅の方向性を決定づけた。最強の飛空艇(アストラル・ブレイカー)と、修行で手に入れた個々の能力、そして創夜の覚醒した無意識の力が、今、世界を救うために結集する。


図書館での探索を終え、一行は飛空艇(アストラル・ブレイカー)の船内で、王を討伐する前の最後の食事を囲んでいた。彼らの船は、雷雲の聖域の力を得て、今や一瞬で大陸を横断できるほどの速さを持っていた。


「これが、王を倒しに行く前の最後の食事アルか…」リンは、真剣な面持ちで皿の肉を切り分ける。

セリアは、豊満な胸元が強調されるように、ゆったりとしたローブを纏い、創夜の隣に座った。彼女は、創夜のワイングラスに丁寧に酒を注ぐ。


「創夜、あなたを追放した魔物を倒すのよ。最高の気分だわ。でも、戦いの前は、ちゃんと栄養を取らないとね。フフ、私にもたっぷり注いでちょうだい」セリアは、そのセクシーな魅力で、緊迫した空気を和ませる。


ミリィは静かに食事を続けるが、その眼差しは鋭い。「王の城の構造、頭に叩き込んだわ。未来を予測して、最短ルートで王に辿り着く」


ミーナは、特製の愛の気を込めたクッキーを皆に配った。「みんな、これで力を出すの!王様を倒して、世界に平和なクッキーを取り戻すの!」


創夜は、肉を一口食べ、力強く頷いた。


「ああ、最高の仲間と最高の食事だ。俺たちが転生してきたのは、この瞬間のためだったんだ。王を倒して、この世界を救う。そして、俺を追放したことを、生涯最大の失敗にしてやる!」


創夜の力強い言葉とともに、全員がグラスを掲げた。


「王討伐アル!」


彼らの目指す先は、魔物の王が潜む首都の巨大な城。最強の力を手に入れた一行の、世界を救うための最終決戦が、いよいよ始まろうとしていた。


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