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3-18 斥候

 エンド達は早速探索を行う担当となる。ラ族の天幕は広いため、そこで出発前に再度集まり地図を広げる事となった。

 尚、別の班になったカリラ達の方はテントには戻ってきては居なかったが、シタラが何人かの護衛と共にテントに残って居た。


「さぁて、アイボー、大体の場所は掴めてるんでしょ?•••ランファも早く見つけて欲しいようだったしね。」


 リンガがニヤリと笑いながらエンドに尋ねながら拳を突き出すと、エンドも拳を合わせる。


「うむ、リアエズの村で待機時間が長かったのでこのキャンプ地の近辺まで来て様子は探っていた。昨日の夜も勿論気配を読んでいたのだが•••大まかな魔獣の気配はこのような分布になっている。」


 地図の上に小石を並べて魔獣が集まっている場所を視覚的に示していく。


「ここにかなりの数の魔獣が集まっているが、夜間に活発に動いて同じ場所に戻ってきている。おそらく事前に話のあった蝙蝠型の魔獣が洞窟か暗がりに集まっているのだろう。」


 ふむふむと地図を取り囲む面々は頷く。


「そして、魔獣が同心円状に分布しーーー何よりも気配が現れたのがこの辺りになる。」


 エンドが地図の一点を指差すと、おお、といった歓声が上がった。


「そこにホールがあって魔獣が出てきているってことだね、流石ボクのアイボーだね!」


 リンガが鼻高々に言ってその身を寄せる。その様子を見てどこからか、ぐぬぬという声が聞こえた。


「いやぁ、早く見つかればボーナスもでるんでしょ?特に発見した所には追加で出るって話も聞いたよ!こりゃあ貰ったね!」


 エンド達と行動を共にする小鬼も楽しそうに笑う。


「だが魔獣の密度が高い場所に向かう事となる。それに地形についてもこの簡易な地図では不明な点が多い。なるべく接敵は避けるべきだろう。」


 別な小鬼が頷きながらも慎重論を説き注意を促す。


「う、うん。みんな頑張って!でも、無理しないで戻ってきてね!」


 シタラが健気に応援と心配の言葉を仲間にかけると、小鬼達はそれに嬉しそうに表情を崩す。

 マナの補給が容易である為かなりのオーラを気軽に使用する事ができるのがこのクランの大きな強みであった。

 オーラを使用する事はマナを消費することと同義であり、使い過ぎれば枯渇して活力を失い、最悪の場合は意識を失って魔獣の餌になるか、そのままマナを減らし続けてアンデッドになり理性を失ってマナを求めて見境なく襲い掛かる化け物となってしまう。

 そのリスクが少ない事は全力のパフォーマンスを発揮する事ができることを意味し、高い戦闘能力をクランの小鬼達に与えていた。

 リンガに至っては同行するエンドによってほぼノータイムで補充がされる為、元々高めの戦闘力にリミッターが外れて磨きが掛かっていた。


 一行は早速出発し、森の中をリンガや隠行の得意なラ族の小鬼が先行して進んでいく。

 エンドもリアルタイムで気配を読んでなるべく魔獣に遭遇しないようにするが、動き回るその全てをかわせるものではなかった。


 猿のような魔獣が三匹ほど集まってその姿を現す。二匹は体高60cm程度だが、リーダー格は一回り大きい。

 エンド達に気がつくと歯を剥き出して威嚇してくるが、次の瞬間四方から襲い掛かる小鬼達によって瞬く間に制圧される。

 小鬼達はなるべく血を出さないように鈍器や武器の峰を使って頭を陥没させたり首を折ったりし、死体には速やかに土がかけられた。


 遠目には30cm程の蝙蝠型の魔獣が枝にぶら下がっているのも見えたが、顔を隠して身動きをしておらず、就寝中のようであったため刺激せずに無視して進む事とした。

 大規模な集団は大きく距離をとって避け、小規模な集団やファングやハウンドといった何処にでもいる魔獣達について騒ぎにならぬよう速やかに退けながら目的地へと迷わず進んで行く。


 そしてついに目的のモノを見つけたのであった。



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