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3-17 集合

 集合当日、息を切らした探索者のグループも居たが集まれる者は約束の時刻までには到着し、軍人を含み70名弱の人員が集結した。

 少佐であるリンレイが前に立ち、他の軍人が後ろに並ぶ。さらに後ろには探索者組合の職員や臨時で雇われた人足もいた。


「諸君、まずは当たり前のことではあるが・・・時間を守り集合してくれたことを感謝しよう。そして諸君らの同僚2名がここに来る最中に命を落としたと報告があった。その仇は同じ探索者達によってとられている。この場に来ることのできなかった彼女らの冥福を祈り、一分間の黙祷を行う。黙祷!・・・」


 到着が遅く事情を知らなかったもの達にはわずかな動揺がみられたものの、元来危険を承知で仕事に臨む者達であり、覚悟はある。騒ぐ事なく黙祷が行われた。


 その後は予定の確認や注意事項が読み上げられ、この日はリンレイと多少の人員をリアエズの村に残して本拠点とし、他の者で前線の調査キャンプを設営することとなった。


 集合時間前にはすでに昨日までに着いていた面々も荷物を纏めてあり、軍人の指示に従い寂れた道を列を作りながら進む。粛々と進む軍人と比べて雑談や笑い声も交えながら歩くのは探索者達、列を乱さない限りは注意が飛んでくることも無かった。


 そのうち道を外れて藪を超えて少し進むと森林地帯の手前に少し広い草むらが見える。下草を次々にと刈って杭を打ち、ロープを張って囲むとそれだけで大分印象が変わるものとなった。


「よし!ここをキャンプ地とする!」


 この集団の軍人の中では最上位である大尉と名乗った者が宣言し、併せてトイレの場所や食料や水の支給、その他注意点を伝える。それが終わると各々が天幕を張り、荷物を広げはじめた。


 鳴子のようなものや簡単な罠も周辺に仕掛けられ、加えて交代で夜間も火の番を行うこととなる。夜目が効く魔獣にとっては炎のちらつきは忌避感を感じるものであり、一方ヒトの側では夜目が効かない種族もおり火を絶やさないことは重要であった。

 それぞれの班から交代で何人かづつその役を果たし、エンド達も2時間ほど揺れる火を眺める事となったがこの夜には襲撃といえるものは無かった。とはいえ遠巻きに警戒するような気配をエンドは感じており、魔獣達はとっても無関心では無いと分かった。


 翌朝、軍人の鳴らすラッパの音に目を覚ました面々は身支度をして列を成して食糧と水を受け取る。とはいえ配られるのは硬いブロックのような携行食、複数の穀類やドライフルーツが混ざったそれは決して不味くは無いのだが、食感は褒められたものでは無かった。水についても強い防腐硬化があるが苦味を与える白い花が漬けられており、別の香草で多少は誤魔化されていたが心地よいものでは無かった。


 それが終わると集められて簡単な挨拶や連絡事項が伝えられた後に各班ごとに分かれて細かなブリーフィングが行われた。

 エンドの属する班にはあまり馴染みのない者もいたが、ラ族からも10人程が入っておりそれなりに顔見知りとなったのが半分以上居た。加えてこの班の指揮を行う軍人はランファであり、エンド達にとっては悪い環境では無かった。


 班ごとに割り当てられた区画の地図を前に、20人ほどの班をさらに分割して二手に分かれて調査を行うこととなった。あくまでも目的は調査であり戦闘では無いのだが、これ以上少人数になると魔獣に遭遇した際のリスクが大きくなるとの判断であった。また数人はキャンプ地に残り警備と緊急時の予備兵力となる。残る人員はローテーションで日毎に変えることとなった。


 エンドとリンガはラ族の面々と同じグループとして動く事となった。これは差配するランファに男性である事を明かしていることを告げた故の配慮だった。

 ブリーフィングも終わり、ランファが締めの言葉を話す、


「皆さん、ホールは早く見つかっても契約内容通りの金額が支払われます。むしろ、早期に見つけることが出来れば余剰の予算から特別に手当てを出す予定です。頑張って下さい。」


 その言葉にざわめく中で、何かを訴えるようなランファの目線と交わり、エンドは笑みで返した。

 




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