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1 – 私が死んだ日

2035年3月3日、その日はとても寒かった。私の名前は落ちる翔太で、高いビルのバルコニーに立っていたことを覚えている。下には遠くから私を見ている人々がいて、車は道を普通に走っていた。私がいる場所ではみんながやめるように叫んでいたが、別の場所では世界はいつも通りに回っていた。


本当に何もかもが無意味に感じて、ただその痛みが終わってほしかっただけだった。消防士が掴もうとする前に、私は一歩前に出た。すべてがスローモーションのように見えた。鳥たちは私を避けて飛び、向かいのビルから人々が口に手を当てて見ていた。母親たちは子どもの目を覆い、顔を背けていた。


少し怖かった。終わりのように感じた。風が髪をなびかせ、私は思った。「28歳で諦めるなんて、やっぱり俺は本当に情けない人間だな」と。落ちながら目を閉じて、時間が止まったかのように感じながらも、すべてを同時に感じていた。地面にぶつかる恐怖がどんどん強くなり、涙が頬を伝い、私は叫んだ。「死にたくない、神様、お願い、もう一度チャンスをくれ。俺はただ間違った場所に来ただけなんだ」。


体は落ち続け、目を閉じたまま、壁に激突したような感覚がした。その瞬間、すべての音が消えた。そして、そのとき、何かの存在を感じた。私はもう落ちていなかったし、東京にもいなかった。そこは完全に暗い場所で、どこからともなく光が差し込む高い玉座が一つだけあった。


その玉座には、青い目をした、エボニーのように黒い肌と巻き毛の子供が座っていた。彼はただ白いシルクで隠され、威厳ある態度で私を見下ろしていた。私は立ち尽くし、自分がただの存在にすぎないと感じた。特別な人間でもなんでもなく、身長は1メートル80センチ、体重70キロのごく普通の見た目の人間だ。


何かを質問する前に、玉座に座る子供が言った。「主はその御名を呼び求めるすべての者、真実に御前を呼び求めるすべての者と共におられる… それで… お前は私に何を望むのか?」。その瞬間、私は凍りつき、考えた… 彼が神様なのか?全能の者?すべてを創造した存在?目の前に立っているのは彼なのか?混乱し、恐怖が私を支配した。



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