(50)ヴォイテク、先生怒らす。
てなわけで俺も実践だ。
風系統の魔法に強いのは…なんだっけ?
「勇輝!土系統の魔法だろ?土だ土!」
さっすがヴォイテク、暗記に関してはピカイチだな。
というかピカイチでないと困る。
一応世界で最も優秀なAIって言われてんだから。
「次!バロン、前へ!」
俺の順番が回ってきた。
いい加減バロンから離れてくれよ…。
「てか、こんなん重ね掛けすりゃ余裕じゃね?」
俺は魔法陣を軽く5個程度出して構えた。
「あっ!バロン君、5個同時展開は確かに凄いが、重ね掛けは禁止だ。通常なら重ね掛けなどせずとも防げるからな」
へー、そうなんですか?
じゃあアイツらはなんだったんだ一体。
「じゃあ土系統の防御陣を1枚ホイっと」
「よし、じゃあ行くぞ!」
ポン!
先生が放った魔導弾は真っ直ぐ俺に向かってきた。
「VTW防御システム作動!」
スパパパパパパッッッッッ!
魔法陣から指向性を持った小さい土系統の魔導弾が弾き出される。
シュバッッッッ!
そして目標を捉え破壊した。
「なんだ、チョロかったな」
ヴォイテクがボソリと呟く。
イージスシステムの上位互換みたいな奴だからそりゃチョロくて当たり前だろ。
「は、反則じゃないか!」
先生半ギレ、やっぱりダメですよねー。
と思ったらヴォイテクが食い下がった。
「迎撃禁止とは言われていないぞ?弾の受け方についてそういう指示はなかったはずだが?」
「う、不覚だ…なら、もう一度やるぞ!」
おっとヴォイテク先生の神経を逆撫でしたらしい。
これ今普通にキレてるな。
先生は魔法陣を同時に6つ出現させた。
「魔導弾は1つしか撃たないと誰が言った?」
ポン!ポン!ポン!
次々と魔導弾が撃ち込まれてくる。
「なんでえ、全部直線軌道じゃねえか」
シュババババババッッッッッ!
現代のイージスシステムは同時に200目標を追尾し、16目標以上に同時対応が可能だと言われる。
VTWの持つ防御システムはそれを遙かに上回る(らしい)。
僅か6個の魔導弾など俺には届きさえしなかった。
完全にキレた先生は魔導弾の数と威力をどんどん上げて攻撃してきた。
だが防御システムに全て空中で破壊され1発も届かない。
「はぁはぁ、これでも抜けないというのか…!」
明らかに疲れているのが見て取れる。
一方のこちらは全くの余裕だ。
俺は魔法陣を展開しとくだけでいいんだから。
そんな感じで5分は経過しただろうか。
流石に飽きて来たので目標を防御システムだけじゃなく、俺自身の手動防御で迎撃する事にした。
パスンッ!パスンッ!
次々と叩き落とされていく魔導弾。
しばらくすると突然先生が後ろに倒れた。
「…!先生!」
ボーッと眺めていたみんなも慌てて駆け寄る。
「あ、魔力使い切っちまったのか!?」
流石にこれはやりすぎたな。
あとで始末書書く事を俺は覚悟した。
こんばんは
ひぐまです
いつもお読みくださりありがとうございます
おかげさまで50話まで進みました
次回は1月28日(金)の23時に投稿予定です




