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(3)裏アカという名の死亡フラグ

「じゃあこれからよろしくな」


俺は少し照れながら手を差し出した。


ヴォイテクは柔らかいモフモフした手を俺の手に乗せた。


「こちらこそよろしく。とりあえずまずは君のスマホをさらにhackして効率化してやるよ」


俺がスマホと取り出すと画面が自動的に光った。


画面にはいつの間にかヴォイテクが現れていた。


『これなら勇輝がどこにいてもVTWを操作可能だ。まあ、このスマホの性能じゃちょっと足りないけどな』


「低スペスマホで悪かったな…」


俺のスマホはキャンペーンの時に本体代金600円で買ったやつだから性能はイマイチだ。


FLAT社製でRAMは3GB、ROMは32GBだ。


SDカードを使って128GBを増設している。


が、VTWを運用するにはあまりにも性能が低すぎる。


『もう少しいい性能のないか?あればどっかのサーバーhackしてそこで計算しようと思うんだが』


「あー、学校のタブレットでよければあるぞ。ってかサーバーhackしたら俺が捕まるんじゃ」


『安心しな。VTWは流浪のAIだ。お前が捕まることはないよ』


「大丈夫なんだろうな」


俺はブツブツ言いながら鞄からタブレットを取り出した。


学校で使用しているのはGrape社製のjpad第7世代だ。


俺のスマホより幾分かマシだろう。


『jpadかぁ、ちとめんどくせえな。スマホがもし熱くなったら保冷剤で冷やしてくれ』


ヴォイテクがそういうとスマホの画面はGUIからCUIに切り替わった。


その途端ものすごい量の文字が一気に流れていく。


「うわ、これ大丈夫か?」


思わず画面に手を触れた。


文字はもはや速すぎて見えない。


「熱ッ!」


これ明らかにヤバイやつだ。


急いでキッチンに走って行き冷凍庫から保冷剤を取る。


キッチンでは母親が夕飯支度をしていた。


「下に響くからドタバタ走るんじゃないよ!」


すかさず叱責が矢の如く飛んでくる。


「急がないとスマホが焼肉プレートに変わるんだよ!」


「何を言ってんの?」


自分でも何を言ってるか分からない。


ちなみにPCのCPUで焼肉するとPCは壊れるらしい(誰得)。


部屋に戻ると俺はスマホに保冷剤を当てた。


冷やしてから数秒後にjpadが自動で再起動を始めた。


「ふう、終わったぜ」


ぬいぐるみのヴォイテクが立ち上がった。


「jpadってフィルタリングとか多すぎて使いにくいんだよね」


「外してやろうか?なんならOSごと変えてもいいぜ?」


そんなヤバイ事をさらっというのだからびっくりする。


ヴォイテクはあっという間にフィルタリングを無効化してしまった。


これは美味しい。


「こいつは1日3回サーバーに端末データを送って同期をするらしい。

だから、無効化した代わりに偽のデータを送るプログラムを追加しておいたぜ」


「それはつまり、hackしたって向こうには一切バレないってことか?」


「まあ、そういう事だな」




その時スマホの通知音が聞こえた。


スマホを見てみるとLIMEの通知だった。


「うわ、なんだこいつ」


学校のクラスメートがクラスのグループで友達の悪口を言っていた。


いわゆる陽キャラってSNSでもとにかくイキり散らすよね。


多分それ以外に生きがいないんだろうね。


『おいおい、SNSで悪口いうのは見逃せねえな』


そう言ってヴォイテクがスマホを操作し始めた。


「ヴォイテク?何をしようとしてる?」


画面を覗き込むとグループにチャットを送っていた。


「あ、おい待てい!勝手にチャットすんなって!」


『なぁに悪いようにはしないって』


ヴォイテク:おいお前、どういうつもりでLIMEで悪口言ってんだ?

たけちゃん:は?勇輝には関係ねえだろ

ヴォイテク:しかもお前LIMEだけじゃなくてTritterの裏垢でも言いまくってんのな

たけちゃん:何言ってんだよ

ひで:え?たけお前Tritterの裏垢なんかあったっけ?

たけちゃん:あるわけねえだろ


『勇輝、なんだこのひでって奴は?』


「あー、そのたけって奴と一緒にいつも威張り散らしてる野郎だな」


俺の学校にも当然スクールカースト、いわゆる1軍2軍がある。


たけは1軍の頂点、俺は2軍の上の方ってところだ。


ヴォイテク:おいたけ、お前俺がなんも知らねえと思ったのか?

たけちゃん:証拠もねえのにイキんな陰キャが

ヴォイテク:じゃあこれは何かなぁ??

たけちゃん:そんなの知らねえよ!


ヴォイテクがグループに送ったのはたけのTritterの裏アカのリンクだった。


「なんだこれ!?こいつ自分の友達の悪口まで書いてんのかよ」


これは酷いね。


ヴォイテク:誤魔化したって遅えよ。俺とお前、一体どっちがイキり陰キャだよ?

たけちゃん:て、てめえ…

ヒロマサ:たけ、お前見損なったわ。

たけちゃん:は?勇輝のデタラメに決まってるだろ

ヴォイテク:もう遅いんだよ。これに懲りたら二度と悪口を言わないかどっかへ失せるんだな。

たけちゃん:調子乗りやがって、退会させてやる


:たけちゃんがグループから退会しました。


ヴォイテク:自分が退会するの間違いだったみたいだな


んー、今の気持ちを5字以内で表せと言われればそれは『ざまぁww』だな。


「なあヴォイテク。今のやつってどうやったんだ?」


「簡単な事だよ。あいつがチャットを送信する時の通信を傍受(キャッチ)

使用しているデバイスの特定をしてその情報をもとにTritterのアカウントを検索。

退会の方は通信をhackして自爆用のコマンドに書き換えたんだ」


さらっと言うけどこれ結構凄いことやってるよね。


やはりVTWはただものではなさそうだ。


これからどんな生活ができるのか俺は楽しみだ。


こんばんはひぐまです

ここまで読んでいただきありがとうございます

あれこれハイファン要素どこ?って思った方、

次回急展開となりますのでご安心ください

感想や評価、誤字脱字や文法誤りの指摘等いただけると今後の励みや参考になりますのでぜひお願いします

明日の23時に次回投稿を予定しています

今後ともよろしくお願いします

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