(44)いざ決闘
「これより、ルービック公爵家のサイラス様と救国の勇者バロン男爵の決闘を行う!」
「俺は旅野勇輝だって…つかなんでこんな大々的にやろうとしてんだ」
周りには数十人の観客がおり、先生が自ら審判をやろうとしている。
先生アンタは喧嘩を止めるのが役目でしょうが。
「決闘のルールは剣術決闘大会の規則に準じて行う!相手が戦闘不能と見なされた時に勝利となる!それでははじめ!」
いやだからアンタは止めるのが仕事だろうがや。
いろいろ答えるまもなく始まってしまった。
ちなみに日本で決闘をすると犯罪になるのでしないように。
間違っても果たし状など送ってはいけない。
捕まるよ、まじで。
「なぁヴォイテク、KATANA使ったら間違いなくキューブの剣ごと斬っちまうよな」
サイコロの剣を斬ったらそれはそれで面倒な事になる。
「そうだな、抜刀せずにさっき伝えた方法でやられまくりな」
「何をごちゃごちゃ言っているんだい?さぁいくぞ!」
サイラスは大剣を振りかざして突っ込んでくる。
正直上手そうにも強そうにも見えない。
「なぁこの国の剣術ってあんなもんなのか?」
「黙ってやられろ」
ヴォイテクがそう言うのと同時に俺はスキルを発動した。
もちろんサイラスの剣が当たるかどうかギリギリのところで。
俺の体は刃が身体を斬る直前で速度上昇を使い、体感速度を遅くした。
ノロノロ動く剣を避けるのに全く技術は必要ない。
スッと避けた後でスキルを解除する。
ブオンという風切り音と共にサイラスの剣は振り切れた。
「さすがサイラス様、一撃で仕留めたぞ」
「勇者バロンもこれには耐えられ…」
「誰が仕留められたって?」
「…!?」
俺は何食わぬ顔でその場に立っていた。
これがヴォイテクの作戦だ。
サイラスの斬撃をとにかく喰らっている様に見せ、平然と立ち続ける作戦。
名付けてプラナリア作戦だ。
プラナリアと言うのは切っても切ってもなぜか復活してくる不思議な生き物だ。
気になったらGo◯gleで調べるといい。
まじですごいから。
「公爵の剣術はそんなものなのか?」
俺はあえて挑発した。
「何?おのれ癪な奴めっ!」
今度は剣を横に振ってきた。
これは避けるのが少し面倒だ。
仕方ないので下を潜ろう。
できるだけ早く、残像すら残さないくらいに。
「ふっ、今度こそ…な…?!」
平然と立つ俺を見て絶句するサイラス。
正気を取り戻すと今度は連続で斬撃を入れてきた。
斬撃は顔や腕、腹など様々なところに飛んでくる。
それを俺はVTWのチートレンズを使って完璧に予測して避けていく。
「はぁ、はぁ、なんで…斬れないんだ…?」
「ヴォイテク、そろそろか?」
「ああ、ショータイムはこれからだ」
生成魔法、赤絵の具!
ドパァッ!
大量の赤い液体が目を覆わんとばかりに撒き散らされる。
まさに血の海である。
「な、なんだ!?」
「もしもアンタの剣がしっかり入っていればホントにこうなったかもねぇ」
全身を真っ赤に染めながら俺はそう言った。
相手に届いてはいなそうだったが。
呆気にとられて見ていた先生もさすがに我に返って
「やめ!君たち、もう十分だ!早くユウキ君を医務室に!」
「俺ならまだ全然大丈夫ですかr…ってぁぁ!」
駆けつけた先生達が無理矢理俺を引っ張っていく。
「その出血量じゃもう無理だ。早く医務室に行くんだ!」
「まだ見世物は終わってないってのにー!ちょっと!あああああああ」
俺は絶叫しながら引き摺られて行った。
こんばんは
ひぐまです
次回は2022年1月16日の23時頃に投稿予定です




