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(39)有名人バロン様

大貴族(トランプの大富豪に似た遊び)で無双していると時計が鳴った。


「お、そろそろ飯の時間だ。食堂に降りようぜ」


「うん、分かった」


俺はランス達について生徒寮中央棟2階に向かった。


「さあバロンここが食堂だぜ。定食にはいくつか種類あるんだが、俺のおすすめはこの海鮮定食だ。いろんな食材が使われていて食べ飽きないんだぜ。あとはこれとかこれとか…(以下略)」


ランスがメニュー表を見ていろんなものを紹介してくれた。


「ふーん、じゃあ海鮮定食にしようかな」


ランス達は新入生の俺にいろいろなことを教えてくれる。


部屋の場所などは勝手知った学校だから問題ないのだが、やはり全寮制ともあり、システムについては全く初めてだった。


俺が通っていた学校は10年以上前に全寮制が廃止されている。




食事の時間は生徒同士の親睦や談話の目的もあり、割と長めに時間がとられていた。


俺は普段の癖でパクパクと平らげてしまったが、ランスやモンドはゆっくりと話ながら食べている。


「なぁ、勇者の男爵が入学してきたって聞いたか?」


「ん?聞いてるぞ。ハノーバー軍を2日で壊滅させたっていう救国の勇者だろ?なんでそんな奴が入学するのかは分かんねえけどな。十分すぎる力持ってるだろ」


「しかし貴族寮じゃなくて平民寮に入寮したらしいぜ」


「男爵なのにか?珍しい奴もいるもんだな」




「そういえば今日転入生が入ったらしいわよ」


「あら、この時期に入学なんて珍しい」


「なんでも自身が男爵で、勇者の称号持ってて、それでいて17歳なんだって!」


「17歳?嘘でしょ?きっとすごく逞しい方なのね…」




あちこちから噂が聞こえてくる。


「バロン有名人だな。羨ましいぜ全く」


モンドが冷やかしを入れた。


「明日からモテモテ学園生活だぞ?バロン」


「別に有名になんかなりたくねえよ。俺は普通に過ごしたいんだ。隠密!」


俺はスキル隠密を発動した。


隠密スキルは相手の意識から自分を隠すスキルだ。


もちろん相手に見えてはいるのだが、こちらを認識させないことにより意図的に相手の意識から逃れる仕組みだ。


どうでもいいが某有名漫画にもそんな機能ついた帽子あったな。


未来の科学技術すげえわ。




スキルは上手く作動して誰も俺を認識しなくなった。


「なぁヴォイテク。俺は別に目立つことしたくはないんだよな…」


普通に魔法を会得して日本に帰るのが俺の目的だ。


「まぁバロン様じゃ、そうもいかないんだろうね」


俺はテーブルに頬杖をついた。


「どうやって目立たないようにするかだな…」


「別に人は時間が経てば他人なんて興味なくすし、気にしなくていいんじゃね?」


35日だか75日だか忘れたが噂は日が経てば忘れられるなんてことわざがあった。


「うーん、しかしだなあ…」


「もしくは徹底的にモブキャラを演じることだね」


「モブキャラねえ…確かにド陰キャやってれば目立たないかもな…」


俺は適時隠密スキルを使用していく事にした。




ランス達が食べおわったタイミングで俺は隠密を解除する。


「あ、バロン食い終わってたのか」


「じゃあ部屋に戻るか。今日は風呂行ってとっとと寝ようぜ。明日も学校あるしな」


「うん、わかった」


さてとりあえず飯の時間はめちゃくちゃ暇ということが分かったので、今後は飯には教科書を持っていって予習をする事にしよう。

こんばんは

ひぐまです

いつもお読みいただきありがとうございます

次回は1月7日(金)の23時に投稿予定です

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