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(37)さあ、学校へ

レイセン魔法魔術学校は馬車の停車場から大通りを歩いて行った先にある。


通りを抜けてやがて住宅街に入っていくと大きな門が目に入ってきた。


丘の上に建つ校舎までは長い登り坂がありなかなかにキツかったが、緑が多くとても静かな環境だった。


普通ならなんの変哲もないただの魔法魔術学校なのであるが…


「なあ、勇輝。こんなような風景どっかで見た事ないか?」


「ああ。ヴォイテクもそう思うか」


その学校の風景は日本で俺が通っていた高校に似ていた。


というかそのままそっくりなのだ。


「なんだこれは、たまげたなぁ。こんな事があるんだな」


勝手知った場所ならなにかと都合がいい。


だがどうしてこうなったか後で追究するつもりだ。


俺はそのまま坂を登り、校舎へと足を運んだ。


「うわぁ、校舎までそのままとはさらにたまげたなぁ」


「勇輝の学校の創立者も実は異世界転移したことがある…かも?」


違いがあるとすれば校舎がコンクリートではなくレンガ造りであることと、周囲にマンションや団地が無いことくらいなものだ。


「たしか校舎に入って左がロビーで、右が事務室だったな」


はたして全くその通りであった。


俺は事務室で入学希望の旨を伝えた。


事務員は俺にロビーでしばらく待つように言うと奥の方へ消えていった。


ロビーから外を見渡してみる。


俺のいた学校では道を挟んで反対側に新校舎があったはずだが…。


「流石にそれはないと…」


「本当にまんまじゃねぇか」


どこのどいつがこの世界に転生したんだか。




しばらくするとチャイム…ではなくベルが鳴った。


「あー、電気がないからベルでチャイムの代わりなんだな」


やがてロビーに1人の老人と1人の女生徒が入ってきた。


老人の方は白い髭を生やして眼鏡をかけたいかにも優秀な魔術師という印象だ。


女生徒の方は金髪で背が高くとても綺麗な顔立ちをしていた。


老人が挨拶をする。


「私はこの学校の校長のセンジュだ。こちらが生徒会長の…」


「エレーナ・ルースファーです」


俺は軽く頭を下げる。


「して、入学希望との事でしたが、当校についての知識は?」


「あまりないですね」


施設とかについてはほぼ把握してるけどな。


「ではまず学校の説明から行いましょう」


センジュさんによるとレイセン魔法魔術学校は全寮制の学校で、基本的に年齢に応じて1〜7年生になるそうだ。


俺の場合は6年生ということになる。


午前中は座学の授業があり、午後から魔術や剣術などの実技授業が行われるそうだ。


食事や入浴なども全て学校で用意されており、学費は一切かからないという。


「ですが、一般生の入学試験は来年にならないとやらないんです…貴族の方なら話は別なんですけども」


あ、入試ってやっぱりあるんだ。


「あーそれなんだがな」


とここで喋り出したのはヴォイテクだ。


「「人形が喋った?」」


当然の反応だがヴォイテクはガン無視だ。


「人形を操る魔術を使える者はいても、言葉を喋らせる魔術まで使える者など初めて見たぞ」


「私もです」


いや、そこかよ。

 

まぁ剣と魔法の世界なら当たり前か。


「勇輝は男爵なんだ。地位については問題ないだろう」


「男爵…なるほどこれは失礼しました。どちらのお家ですか?」


「家…?苗字のことか?俺は旅野家の者ですが…」


一瞬センジュさんが黙る。


「失礼ながら存じませんな。男爵様のお名前はどういう…」


「あー、俺は男爵の息子じゃないんだ」


「と言いますと?」


「そのー、俺が男爵なんだよ」


いつも通りその場の空気が一瞬固まった。


「「ナンダッテー!?」」


俺はステータスプレートを見せる。


さらに称号には【救国の勇者】。


「これは一体…?」


生徒会長が尋ねる。


「あー、こないだやってきたハノーバー軍追っ払ったらなんか貰ったんだ」


「「ナンダッテー!?」」


無事入学決定である。


あけましておめでとうございます

今年も宜しくお願いします

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