(35)やあランドルさん
「なるほど、お主らは日本なる国からレイセンに召喚されたのだな」
「そういうこと」
たったこれだけの説明にずいぶん無駄な時間を割いた気がした。
「残念ながら帰還術は私でも扱えぬ。というか、この世に扱える者などおらんじゃろう」
「はへ?」
「帰還術は超級魔法。神級魔法のさらに上の魔法じゃ。神級とはそもそも神が扱うほどの魔法だから神級なわけで、それを超す超級魔法などそう使える者はおらんのじゃぞ?」
俺は深くため息をついた。
つまりは自分で使えるようになるしかないようだ。
まぁこういう流れの時は超級魔法なんて誰も使えないなんて状況は当たり前だ。
俺は諦めて帰路に着くことにした。
「あ、お主どこへいく気じゃ?」
「どこって地上に戻るんだよ。ここの攻略は住んでるし、帰還術はまだできないと分かればもうここに用はない」
「待ってくれ!なら私もついていく!帰還術は扱えなくても他の手助けならするから!」
「まぁ好きにしてくれ」
俺は肩を落としながらトボトボと地上に戻っていった。
「あ!ユウキ君!無事だったかい?よかった」
ワイト迷宮の入り口でランドルが馬に乗って待っていた。
むしろこっちの方がランドルさん大丈夫か心配なったわ。
「まぁ無事だけど、あんたなんで誰かの声聞こえたくらいで逃げだすんだ?まさか…」
「私は怖いのは苦手なんだよ…」
「へー、意外だな」
俺たちの横からシトラスが顔を出す。
そして大きく深呼吸をしてから言った。
「は〜、やはり外の空気は格別じゃのう」
「えっとそちらの方は…?」
「ん?私のことか?」
お前しかいねえよ、というセリフは抑えとく。
「私は亜神シトラス。神に見捨てられた者だ」
「シト…ラス…?亜神?ということは、使徒様!?これはとんだ無礼を!」
ランドルが素早く馬から降りて膝をつく。
この世界では神に使える亜神も崇拝の対象なのだろう。
「気にするでない。面をあげよ。お主の名はなんと申す?」
「はっ!レイセン王国の剣士、ランドル・アールフレデリックと申します」
「さようであるか」
「はい、私はグレゴリオの出身でしてそこから旅に出てペラペラペラペラ…」
シトラスとランドルは超級長話を
「なぁヴォイテク、俺たちこれからどうするよ」
彼らが会話をしているうちに、こちらも今後の事を話し合おうと思った。
「そうだな…結局自分で超級魔法を会得するしかないのかねぇ…」
「ああ、だが俺たちは各初級術式しか扱えない。いくら魔力と錬金術があるとはいえ、超級魔法がサクっと身につけれるわけがない」
「そうだよな…」
魔術は初級から1つずつ上位のものを練習して会得していくものだ。
いきなり上位の魔術が手に入るなら世の中の魔術師は苦労しないだろう。
上級魔法の習得について考えているといつの間にかランドル達の会話が終わっていたので俺たちはレイセンに向かって帰路についた。
こんばんは
ひぐまです
いつもお読みいただきありがとうございます
12月21日(火)に次回投稿予定しております




