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【旧版】人工知能&かわいいぬいぐるみと一緒なら異世界転移したって全然余裕です。  作者: ひぐま
第4章 くまくまクエスト略してくまクエ
32/57

(30)魔物美味しい(いろんな意味で)

「飯って…倒した魔物を生で食ってどうにかしてるけど…」


「は?」


俺とヴォイテクは一瞬固まる。


KATANAで斬った狼みたいな魔物の生き物とは思えない体液の色を思い出した。


「あの気持ち悪い魔物を生で…?」


「あれってそんな美味いのか?」


魔物ならここに来るまでにも何体か倒している。


だがそのどれも、とてもじゃないけど食いたいと思う物ではなかった。


例えるならゾンビ肉食うようなもんだ。


「もちろん不味いに決まってるじゃないか。でもそれも修行だよ。しかも魔物には固有の魔力があるから食えば食うほどその魔物のスキルや魔力、能力が身につくんだ。洞窟ではそれしか食う物もないしね。それに毒はこの洞窟の72階層の地下水で消せるんだ」


不味いのかよ。


そして衝撃の事実。


ランドルさんはステータスプレートを見せてくれた。



【Aランク冒険者】ランドル・アールフレデリックLv124


天職 なし

職業 剣士

称号 【大迷宮攻略者Ⅲ】


体力 621

攻撃力 761

防御力 927

魔力 691(181)

素早さ 474

腕力 362

スキル 『アンデント特攻+5』『魔物特攻+6』『防護+4』『上級回復術』『上級防御術』・『全属性耐性』・『属性強化』火属性+1 風属性+2 光属性+2 土属性+2 跳躍強化+3・『剣術』・『気配感知』・『魔力感知』・『状態異常耐性』・『言語理解』




「うわあ!チートもいいところのバケモンだな」


魔物食ってバリ強化された猛者ここにあり。


「ふっふっふ。ユウキくんも魔物を食えばバケモンになれるよ」


「ええ…」


いやちょっと(かなり)キツイっす。


確かに悪いことだけではないらしいが…気持ち悪い。


それと同時に俺は血の気が引き始めた。


既に潜って数十時間が過ぎていたが、その間飯を食っていなかったのだ。


ここは確か68階層。


ここで腹を満たすのは…魔物しかなかったのである。


サァァァァァッッッッッ!(血の気が引く音)




「ここが私の拠点だ。お世辞にもいいところとは言えないだろうがゆっくりしてくれ」


ランドルさんに案内されたのは72階層の彼の拠点だ。


洞窟を進んだところに横に狭い脇道があり、そこを抜けた先に地下水の池が溜まっている。


「これが毒を消すっていう地下水か。でもこんな場所よく見つけたな」


ヴォイテクが水面を覗く。


水質がどうなっているのか気になるらしい。


落ちるなよ?壊れたら修理なんてまず無理だからね。


「ああ、3日3晩飲まず食わずでフラフラになって倒れた時あの隙間を見つけたんだ」


ランドルさんはそう言いながら池から網を取り出した。


「毒素を抜いた魔物の肉だ。私はこれで1年間生きてきたんだ」


生のままかぶりつくランドルを見て固まる俺たち。


「なあ、あんた調理するって考えはないのかよ」


ヴォイテクの平常運転トークが始まる。


「チョウリ?」


「俺らの国じゃ肉は焼くなり煮るなりして食うんだよ。まぁ魔物の肉がどうなるかは知らないけど」


「ああ、うちはもともと菜食主義者でね。肉の加工方法は知らないんだ。それに薪がないからここで火は焚けないしね」


そっか、この世界にガスコンロなんてものは存在しないんだった。


火属性魔法があるとはいえ安定した火力を手に入れるのはここでは困難を極めるのだ。


だがしかし、俺たちには生成魔法とイメージのデータがある。


つまりこの世界にないものが作り出せるわけで…


「おい、勇輝…ヒソヒソ」


ヴォイテクに促されて俺はコンロとフライパン、塩胡椒などの調味料を用意した。


「勇輝、ステーキ焼いたことはあるか?」


もちろんある。


そしてヴォイテクの意図も理解した。


「なるほどな。不味い肉も美味くする魔法を使うわけだな?」


「正解!」


俺はコンロに火をつける。


ランドルさんがそれを見て目を丸くしているがそんなことは気にしない。


「こう見えても焼肉屋でバイトしてるんだ。腕見せてやるぜ」


俺は肉の脂身をとってフライパンに油を引く。


そして肉をちょうど良い厚さに切りフライパンに乗せた。


ジュウウウウウウウウウ…


「いい音だねえ」


「こ、これは一体何を?」


「肉を美味い料理に変える魔法だよ」


俺は塩と胡椒を振ってソースをかけ、皿に盛る。


「どうだ?食ってみてくれ」


「あ、ああ。ありがとう」


俺が差し出した皿をランドルは恐る恐る受け取った。


俺がすかさず生成したナイフとフォークを渡す。


「肉の焼いたやつなんて王城の宴くらいでしか食べたことないんだ。まさかこんな迷宮の奥深くでありつけるなんてね」


そう言ってランドルさんが肉を口に運ぶ。


「…!!」


さて、魔物ステーキのお味は…。


「なんだこの美味さは!?美味い!王城のよりも美味いぞ!」


え、どうしたこの人。


「そんなに美味いか?」


「ああ!この焼き加減とその魔法の粉!この味はたまらん!」


「魔法の粉?ああ、これか?これが塩で、こっちが胡椒っていうんだ。見たことないのか?」


どうやらこの世界では塩や香辛料などは流通していないらしい。


聞くところによるとこの世界では香草をつけて肉を焼くらしく、味をつける文化はあまりないそうだ。


味より匂いを重視しているのか、香辛料が貴重なのか。


とにかく魔物ステーキは美味いそうだ。


ランドルに味見(毒味)をしてもらったところで俺も肉を食す。


「ん?なんだこの感じ!?」


味そのものは普通のステーキと変わらない。


しかし、何かが流れ込んでくるような不思議な感覚が体を襲う。


「魔物の魔力とかスキルが体に流れているってことだよ」


俺はステータスプレートを確認した。



【男爵】【Fランク冒険者】旅野勇輝Lv10


天職 なし

職業 錬金術師

称号 【救国の勇者】【最短突破記録】


体力 181

攻撃力 128

防御力 192

魔力 191(91958)

素早さ 198

腕力 169

スキル 『言語理解』『鉱石鑑定』『アンデント特攻+1』『魔物特攻+2』『防護+2』『初級回復術』『初級錬金術』『初級防御術』『跳躍強化+1』『瞬足』『水属性強化』



おお、これはすごい。


魔物ってすっごく美味しいね。

こんばんは

ひぐまです

いつもお読みいただきありがとうございます

次回は12月11日(土)の23時に投稿予定です


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