(25)貴族になろう!登録者217万人(大嘘)!
俺は3日ぶりに謁見の間にいた。
いや、強制的に連行された。
せっかくワイト迷宮で掘り掘りしたかったのに。
「このようにして、異世界の勇者ユウキによってハノーバー軍は3日の内に壊滅し、タリネの町は解放されました」
説明をするのはミューリーだ。
現実ではありえないような内容に周囲がざわつく。
もちろん俺は上の空だ。
話なんて1ミリも聞いてない。
この部屋ってとにかくデカいけどどうやって造ったんだろ。
目の前に国王がいなければ早速G◯ogleで検索するんだけどなぁ。
あ、ここ回線通ってなかったか。
「勇者殿、今の話は本当なのか?」
国王は半信半疑のようだ。
まぁ信じろというほうが無理があるだろう。
レイセン主力部隊はハノーバー連合王国軍に粉砕されたわけだし。
「事実です。ハノーバー軍の主力部隊8万の撃退及び奪われた領土の奪還に成功しました」
「一体どのように壊滅させたんだ?」
参謀長がまだ信じられぬといった表情で質問する。
「どうって言われても…火力で圧倒したとしか…」
それを聞いた参謀長以下重臣達が絶句する。
「なるほど…ともあれ、我が国が勇者殿に救われた事は事実のようじゃ。感謝の印にこれを受け取ってくれ」
そう言って渡されたのは称号と爵位だった。
称号は【救国の勇者】。
うーん、カッコよくも悪くもないね。
テンプレの方がもう少しカッコいいかも。
爵位はバロン、つまり男爵だ。
ステータスプレートがやや変わる。
【男爵】旅野勇輝Lv5
天職 なし
職業 錬成師
称号 【救国の勇者】
体力 166
攻撃力 35
防御力 169
魔力 18(75974)
素早さ 103
腕力 154
スキル 『言語理解』『鉱石鑑定』
ほほぉ、俺もこれで貴族ってわけか。
全く実感湧かないけど。
「で、俺たちは敵を壊滅させた。役目はきちんと果たしたわけだ。そろそろ日本へ帰してもらえるか?」
口を開けたままの重臣を無視してヴォイテクがいつもの口調で尋ねる。
「それについてなんだが…別室でシェラ・アレンから説明がある」
「は、はぁ…」
俺たちは濁った言葉に若干やな予感を抱えながら別室に移動した。
「率直に言うと現時点で帰還させてあげる事はできない」
シェラは誤魔化す事なくはっきりと言った。
「…」
俺は言葉が出ない。
部屋にいる皆が下を向いた。
「ふぁ?!なんでだよ!」
ヴォイテクが必死に抗議する。
「対象を呼ぶ召喚術は我が国の基準では上級魔法。それに対して送り返す帰還術は超級魔法。それを扱える者がここにはいない」
魔法にはいくつかのランクがあるらしい。
一番下が初級魔法で、中級魔法、上級魔法となり、その上が特級魔法、神級魔法そして最上位の魔法が超級魔法だ(勇輝調べ)。
つまり呼び出すのはすごく簡単だが、元に戻すのはほぼ不可能と言ってもいいくらい難しい技術ということらしい。
なんでそんなに差があるんだおかしいだろ。
「召喚術ってそんなおっそろしい魔法だったの?!」
「ええい!禁止だ禁止!ふざけんなぁぁっ!」
王城中にヴォイテクの絶叫が木霊してからレイセン王国では召喚術は禁術とされた。
こんばんは
ひぐまです
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次回投稿は11月28日(日)もしくは11月30日(火)の23時を予定しています
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