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(24)仕事の基本はほうれん草!

「ちょっとユウキさん!ひどいですよ置いて行くなんて!」


あー、彼女まぁまぁ怒ってるかな。


逃げたい。


とりあえずここからすぐにどっか行きたい。


「えーっと…」


「えーっとじゃないですよー!あんなことしておいてー!私何回も止めてって言ったのに止めてくれないし」


周囲の視線がだんだん気になってくる。


「おいおい、なんか誤解生みそうな言い方は…」


俺はただバイクに乗って山を登り降りただけだ。


彼女がグロッキーになったのはわざわざ俺のバイクに乗ったからなのだが…。


道の舗装状況はまぁすこぶる悪かった感じがある。


「あんなに激しく揺れるなんて聞いてません!第一乗り方が危ないんですよ!」


「そりゃオフロードは楽しんでなんぼだよ」


彼女がどう感じたかは別として俺はオフロード走行を楽しんでいた。


「体が震えてガクガクして頭が変になってるってのに少しは休ませて欲しかったです…」


「あーそれは…すまん。ただあの道だと馬車に乗るよりはずっとマシだったんじゃないかな?」


それか飛べばよかったわけで…(これは口にはしないででおこう)。


「というか衆前でその言い方すると誤解を招かない?」


いや、もう招いていた。


周囲からヒソヒソと声が聞こえてくる。


「あの、皆さん?」


周囲の視線はどんどん冷ややかになっていく。


ヴォイテクはとっくにVTWに乗って安全地帯から見物していた。


「お…俺は…俺はなんもしてなぁぁい!」


広場に1人の勇者の声が響いた。




「なるほど…鉱石鑑定のスキルですか…」


「ええ、今後鉱石の収集にあたり、身につけておこうかと」


俺たちはセヴァンさんの紹介で、鉱石鑑定士のオスカーの元を訪ねた。


なんでも王国屈指の鑑定士で、数多の鉱石を収集しコレクションしているらしい。


中には過去300年間発見されなかった希少な鉱石も集めているんだとか。


すごい。


「あまり、この技術は他人に教える事はしないんですがね〜…」


鉱石鑑定は鑑定士が必死になって鉱石を探し、その調査に膨大な時間をかけて出来上がったものだ。


簡単にはいどうぞと言うわけにはいかないほど途方もない労力が注ぎ込まれている。


まぁそれは俺たちの世界でも一緒だ。


「そこをなんとか、お願いできませんか?」


俺たちは必死に頼み込む。


「仕方ないですね…町を解放して下さった勇者様だ。特別にお教えしましょう」


「あ、ありがとうございます!」


オスカーは1枚の紙を持ってきた。


その紙には魔法陣が描かれている。


「これが鉱石鑑定の魔法陣になります。全ての鉱石ではありませんが、私が見つけた鉱石は皆この魔法で情報を見る事ができます。」


「すごい…こんな膨大な量の情報を…」


俺はさっそく魔法陣を起こした。


なんと登録されている鉱石は1000種類を遙かに超えている。


その労力を察すると感服するしかない。


マジでご苦労様です。


「ところでユウキ殿。一般に、鉱石がよく採取できるのは地下ダンジョンや迷宮だが、入った事はあるかな?」


「いえ、一度も‥」


「それなら良い迷宮がありますからそちらをお教えしましょう」


俺はロザンヌの北にあるというワイト迷宮を薦められた。


なんでも国内屈指の穴場スポットらしい。


そんな貴重な情報まで貰えるとは思ってもいなかった。


やったぜ☆




「よし、じゃあさっそくいくか…」


例によって休むこともなくそのまま迷宮に行こうとしたその時。


「ちょっと待ったー!」


思いっきり後ろから首を掴まれる。


「何いきなり迷宮に行こうとしてるんですかー?まずは王城に帰って報告するんですよー!」


「えー、めんどくさいじゃん」


俺はやりたい事ができたらすぐに実行したい人なのだ。


「めんどくさいじゃないですよー!ホウレンソウって習わないんですかー?」


報告、連絡、相談の3つの頭文字をとってホウレンソウというらしい。


「そんなこと俺が考えるわけな…ぎゃあああ」


御託を並べる暇もなく俺たちは王城へと強制送還された。


こんばんはひぐまです

いつもお読みいただきありがとうございます

次回は11月27日(土)の23時に登校を予定しています


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