(11)聖騎士になろう!登録ユーザー数250万人!
「きっと聖騎士とかそういう感じの職になるんじゃない?」
ミューリーが目を輝かせて言う。
なわけないでしょ…(笑)。
「行ってみないとわかんないよ」
彼女たちの会話はまだ分からない事が多い。
そもそも異世界転移で適性職をなぜ判定しなければならないのか疑問ではある。
まぁRPGにありがちなステータスのようなものと理解しよう。
農民とか、猟師とか、主人公っぽくない職だったとしても無職よりはマシだと思った。
「ところでシェラさん。レイセンにも軍隊はあるんだろ?敵の攻撃ってそれでどうにかならないのか?」
ギルドに向かいながらヴォイテクが聞いた。
「確かにいることはいる。でも今使える部隊は6000人のみ、数万のハノーバー軍とは太刀打ちできない」
過去の戦闘でレイセンの主力部隊はすでに壊滅してしまったとのことだ。
「数万人と戦う作戦なら立てられるけどな」
「本当かい?我が国の最高の軍師でさえ破れたのに?」
メイビスが怪しがって聞く。
ヴォイテクはVTWに乗って移動していた。
言うまでもなくクセが強い。
「こっちには最強の人工知能がある。その軍師よりもはるかに知識を積んでるぜ」
「それは頼もしい限りだな」
その言葉は半信半疑、いや、7割くらいは冗談だと思っているような口調だった。
最もヴォイテクの発言の真偽は俺も知らない。
そうこうしているうちに一行はギルドについた。
2階のカウンターに上がると50歳ぐらいのモジャモジャした髭のおじさんが出てきた。
「これはこれは、王女様。ようこそいらっしゃいました」
おじさんがリリアーナにお辞儀をする。
「ごきげんようスタンクさん。この者の適職を見てくださるかしら?」
「かしこまりました。では早速診断して行こうか」
俺はスタンクというおじさんに連れられて奥に案内された。
「ここにかけてくださいな」
おじさんは金属でできた長方形のプレートを機械にセットした。
機械の前には透明な丸い玉がある。
「これは水晶玉で、あなたの魔力などを調べる装置です。どうぞ手をのせていただいて」
これ、知ってるやつだ。
すごい技術な感じがするけど大阪のテーマパークにもあったような…。
俺は言われるままに水晶玉に手をのせた。
魔力とか水晶玉とかかなり非科学的だと思ったが文句をいうわけにはいかない。
ここはそういう世界なのだから。
すると水晶玉が紫色の光を放ち始めた。
やがてその光は金色に変化していく。
そして計測不能な力により粉砕…
なんて事はなく、やがて光は消えて元の透明な輝きを取り戻した。
「なるほど、なかなか不思議な力をお持ちのようですね」
おじさんはプレートを取り出した。
「どういうことですか?」
「これが能力プレートです。あなたの今の能力が印字されています」
8個ぐらいの項目があった。
俺はそれを持ってカウンターに戻る。
「どうだったユウキ!?」
ミューリーがプレートを覗き込む。
旅野勇輝Lv4
天職 なし
適職 錬成師
称号 なし
体力 165
攻撃力 35
防御力 168
魔力 12(75689)
素早さ 102
腕力 152
スキル 『言語理解』
「何これ、あまりパッとしない数字ね」
うん、知ってた。
華々しい異世界転生キメた人ならまだしも、その辺の男子高校生がそのまま転移して水晶ぶっ壊すとかまず有り得ない。
大丈夫か、俺。
こんばんは
ひぐまです
投稿予約入れるの忘れてました…orz
次回は10月26日(火)の23時に投稿予約です
感想、評価、ご指摘等頂けたら幸いです