(8)スピークロザンヌ?
1時間おそくなりました
すみません!
シェラ・アレンはレイセン王国の召喚術師である。
年齢は17歳で、貴族の出身だ。
レイセン王国王女のリリアーナ・ラ・レイセンや、近衛騎士団の団長の娘メイビス・ブライドとは同い年で、幼い頃から一緒に育ってきた。
貴族の子女は12歳頃になると皆レイセン魔法魔術学校に通う。
そのため普通であればシェラは今頃はレイセン魔法魔術学校の6年生だ。
普通であればと言ったのは当然彼女が非凡であったからである。
彼女は入学時から非常に優秀な成績を残し、あっという間に飛び級して研究院、日本で言うと大学院のようなものに進学した。
彼女は一昨年に召喚術教育課程を卒業し、現在はリリアーナやメイビス、2歳歳下のミューリー・ロゥ・ドーヴと共に勇者召喚を試みている。
ハノーバー連合王国との対立より早急に勇者隊の編成が国王により命じられていたのだ。
ある日シェラは先ほど召喚した対象を探しにきていた。
地上からはシェラ、リリアーナ、メイビスが探し、上空では有翼人のミューリーが探す。
召喚術師は皆特殊な地図を持っている。
なぜかというと召喚術というのは非常に難しい技で、術を行ったその場に対象者又は物が現れることは上級術師でも滅多にないからである。
召喚された対象はしばらくの間ある特定の魔力を放出する。
この魔力は術師により変わるが、その魔力を検知して地図に表示する事で召喚した対象の位置を特定するのだ。
「シェラ、本当にこの辺で合ってるのかしら?」
リリアーナが尋ねる。
するとメイビスがすかさず皮肉をはさむ。
「また羊だったらどうする?」
「行ってみないと分からないでしょ?」
しばらく城外を歩いていると上空のミューリーが叫んだ。
「シェラー!なんか変な虫がいるよぉ!」
「変な虫?」
ミューリーが指差す方向をみると虫と呼ぶには大きい黒い物体がブーンと音を立てて飛んでいた。
「まさかあれが召喚された対象?」
「今捕まえて持っていくよぉ!」
ミューリーが手を伸ばして虫を捕まえようとする。
「いいってそんなの!」
シェラは大の虫嫌いだ。
だが、ミューリーはそんな事お構いなしで虫を追いかける。
が、なかなか捕まらない。
その虫は右に左に、上に下にと虫と思えないくらいの速度で飛び回る。
いつの間にか、ミューリーと虫はグルグルと回り始めた。
3人はその様子を地上からボーッと眺めている。
しばらくすると岩の影から男の声が聞こえてきた。
「オイゼンゼンハナレナイゾ!」
「イツマデマワッテイルキダ!バッテリーアガッチマウゾ!」
「ダメダ!ツイテクル…」
「ヤリカタガワルインダヨ!カセ!」
「ア!オマエ!」
どうやら喧嘩しているようだった。
が、なんと言ってるかわからない。
「聞き慣れない言葉ね?」
非常に気味が悪いので離れようとした時、メイビスが岩に近づいていった。
メイビスが覗くと同い年くらいの男とみた事ない獣の人形が大喧嘩をしていた。
こんばんはひぐまです
ここまで読んで頂きありがとうございます
次回は10月20日の23時に投稿予定です