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苦すぎる初恋

作者: ヒロ

初投稿で、下手くそですけど頑張りました。



ふと、初めて人を好きになったのはいつだろうかと、思い出してみる。小学校の5年生あたりかな。黒髪のショートヘアで、背は他の女子より大きかった。その子は運動が苦手でよくボールに遊ばれてた、そんなお茶目なところが可愛かった。好きになったきっかけは至極単純な理由だ。ある日の授業のとき、分からない問題を、わざわざ隣の席から身を乗り出し声をかけて教えてくれたのがきっかけだった。


「そこの答えは2だよ」


「…………」


この時だ、僕はこの時、彼女に惚れてしまったのだ話したこともないただの隣人に答えを教えくれる優しさ、さらに、笑顔のオマケつきでだ。その笑顔を見た刹那僕の頭の中が彼女の優しい笑顔で埋め尽くされた。


「どうしたの?」


「あっ、2ね、ありがと」


「うん!」


天真爛漫のようなうなづきに僕はまたもや頭の中が彼女だけになってしまった。


答え合わせの時間になり先生が問題を上から順に答えを黒板に写していく。

僕は写された答えを見て丸つけをしていくのだが、どうも教えてもらった問題のところが間違っているようだ。

隣の彼女を横目で見てみる。

彼女は少し悲しそうな顔をして、申し訳なさそうに俯いてた。その顔を見た僕は何か言おうと思ったけど、何を言えば良いか分からずにただ時間だけが過ぎていった。


僕はこの問題を恨んだ、「なぜ答えが2ではないのか!」と。


それから僕は、彼女のことをよく見るようになった。最初の頃は席が隣だったから何回か話す機会はあった。でも、話すといってもだいたいは班で行う授業のときだけ。それでも僕は彼女と話すときは、他の人と話すときの何倍もの気を使いながら話した。だけど、彼女はあまり僕を好きではないみたいだった。それは、僕も少しながら、分かっていたんだと思う。


席が変わり彼女とは離れた、遠からず近からず微妙な距離で僕の斜め後ろの方だった。席が離れた時から僕には変な癖がついてしまった。それは、彼女を見過ぎでしまうことだ。1日に何回も彼女を見ては目が合い気まずくなってすぐに目をそらす、ストーカーと思われてもおかしくないだった。自分でも見てはいけないと言い聞かせて、なんとかやめようと考えてたんだ。でも、見てしまう自分がいて、とても憤りを感じた。


ある日の休み時間に、彼女の友達から廊下を歩いている時に声をかけられた。


「佐野くんて、えりのことすきなの?」


最初、はっせられた言葉を理解するのに数十秒かかった。なんて答えればわらかない。どうすればこの状況を打破できるか脳をフル回転させて考えた。


「なんで?」


まず、理由を問うのが堅実だ。


「えりが佐野くんとよく目が合うって言うから」


そうなるよなと思った。あれだけ彼女を見て、目が合えばすぐ目をそらす。そう思われるのは自然だ。

そうだよ好きだよと言いたかったけど、言わない。


「別に好きじゃないよ」


好きかどうか本人じゃない人の前で正直に言うのは嫌だった。それに、問われて、はい好きですって言うのも嫌。僕にだって少しながらプライドは持っている。


「じゃあなんで、えりを見るの?」


「見てないよ、たまたま目が合うだけだろ」


必死の言い訳だった。


「ふーん、まあ良いや、好きじゃないだよね」


「う、うん」


最後にそれを聞いてじゃあねと教室に入っていった。


「ああ、終わったな」


こうもあっさり僕の初恋は幕を閉じた。けど、気持ちだけは伝えたかった。それももう無駄かと思い諦めた。


それから学年が上がりまた同じクラスだったけど、何もできずただ見ることしかできなかった。


僕は彼女への思いを心の奥底にしまいこんで人生初の恋を終わらした。




読んでくれてありがとうございます!!

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