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Spectacular Fight Tales in Mysterious Different World  作者: マッハ! ニュージェネレーション
港町トオカッタ編(ザラス大陸(チーム・ノースディビジョン)編ファイナルステージ)
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第89話(マッハサイド):すぐに出航できない理由

「……なーるほどなぁ。そっちには色々と事情があるらしいし、そう言う事だったら領主の俺としてもすぐに手配をさせてえんだけど……」

 黒竜のノアールに追われているかも知れない、と言う事「だけ」をなるべくシンプルにビアードに話した地球人3人とシュヴィリスだったが、肝心なビアードからの返事は曖昧なものだった。

「何か問題が?」

 短く周二がそう尋ねると、良く日に焼けた腕を組んでビアードが口を開いた。

「いや、あのな……中央大陸までの船って言うのは確かにすぐ出せない事もねえんだ。けどよぉ、それなりに長い距離を進まなきゃいけねえから沖に出る前のメンテナンスってーのが毎回重要になって来る。ここまでは分かるな?」

 ビシッと人差し指を突き付けられた地球からのトリップチームの3人と1匹は、ビアードの言った言葉の意味をそこまで理解してほぼ同時に頷く。


 すると目の前で中指も突きつける形……ビアードから突き付けられる骨太の指が2本に増える。

「それだけならそんなに時間はかからねえ。少なくとも昼前には出発出来る筈だったんだが、あんた達の荷物が夕方近くまで時間を引き延ばしてくれる原因になったんだ」

「もしかしてそれって……」

 視界には当然入らないが、外の庭に置いてあるJZZ30ソアラの事だろうとすぐに明には察しがついた。

「ああ、あの大きな荷物だ。どんな仕組みなのか俺にはさっぱりだが、色々調べさせて貰わなくても光の反射とかで何と無く分かるぜ。ありゃー鉄で出来てるんだろ?」

「ああ、まぁ……」

 だったら、と指を引っ込めて再度ビアードが腕を組む。

「そっちの竜がぶら下げて来たって言うのは知ってるけど、ここに来た時の竜の疲れた様子を見る限りじゃあ、かなり重そうなのは分かる。けどあの鉄の塊も一緒に持って行くつもりなんだろう?」

「ああ、ちょっと必要なんでな……」


 ジェイノリーが歯切れ悪そうに答えるが、それよりも別の所をビアードは問題視しているらしい。

「となればあの鉄の塊を船に載せなくちゃいけねえ。竜のあんたには人間になってて貰えばそれで済むが、あの鉄の塊はかなりでかいからその分スペースを取る。それからあんなに重い物を運べるだけの補強も一緒にしなきゃいけねえから、その補強をするのに時間が掛かるってこった」

 話し終えたビアードはフーッと息を吐いて背もたれにもたれ掛かるが、別の部分の心配はトリップメンバーの4キャラにも存在する。

「……金もそれなりに掛かるんだろ?」

 その4キャラを代表して周二が聞いてみたが、ビアードからの返答は意外なものだった。

「いや、丁度ガタが来てた部分もあってよ。そこら辺を修理しなきゃいけねえって思ってたからその分ついでにやっちまう。だけどそれなりの時間が掛かるからこれだけは分かってくれよな」


 これで話は終わるのかと思いきや、どうやらそうも行かないらしいのがこのトオカッタである。

「それとよぉ、船賃もいらねえ」

「えっ、本当かよ!?」

 まさかの展開に明が身を乗り出して目を輝かせるが、ビアードは何処か意地の悪そうな笑みを浮かべてズイッと同じ様に巨体を乗り出す。

「そん代わりに、俺とジョージアに色々御前達の事、もっと聞かせてくれねえかなあ?」

『……どう言う事? それって』

 それに反応したのは異世界のドラゴンであるシュヴィリス。

 事情聴取はもう終わったのでは無いか……と思いながらもそう聞いてみれば、ビアードがとんでもない事をトリップメンバーに言い出した。

「あんなでかい鉄の塊を持って遠くから飛んで来たとか、それから竜の引越しの為に中央大陸まで行くとか色々と府に落ちねえ点があるんでなぁ?」


 ビアードがそう言い終えて指をパチンと鳴らせば、ぞろぞろと武装した騎士団員達が取り囲む。

「……何の真似だ」

 低い声色でジェイノリーがそう尋ねるが、ビアードは首を横に振る。

「なぁに、このトオカッタってのは治安が悪い場所もあるからその護衛だよ。俺とジョージアもついて行くから船の準備が出来るまで街の色々な所を見て回ったり、それからメシも食おうじゃねえか」

 悪くねえ話だろ? と半ば拒否権は無い口調でビアードが尋ねれば、トリップメンバー達は頷くしか道はなかった。


 相変わらず面倒くさがるジョージアも「事情を聞き取らなかった罰だ」としてビアードが引っ張り出してトオカッタの観光がスタート。

 領主であり八剣士でもあるビアードと、同じく八剣士のジョージアと一緒に歩くトリップメンバー達を見ている街の人間からの視線が突き刺さる。

「何か居心地あんまり良くねえな」

「しょうがないだろ……」

 明と周二がそう言い合いながらも、何だかんだでトオカッタの街を満喫する。

 海兵隊将校の屋敷があり、貴族の邸宅や別荘が並ぶ落ち着いたお洒落な西区からスタート。

 街の入り口である北区には商店やら市場が並ぶ賑わい通りがあり、そこで海をモチーフにしたアクセサリーや海鮮料理屋を楽しむ。

 南区には海兵隊基地と軍港、そしてトリップメンバー達が目指すトオカッタ港がある。だが酒場やら娼館が立ち並んでいる分、船乗りが一杯居るし酔っ払いも居るので少し治安が悪い。


 なのでそこを最後に回し、東区の住宅街へ。

 ここには神殿や孤児院があり、トオカッタの中でも異色の雰囲気を醸し出していると言っても良い。

 自分達の事情をビアードとジョージアに結局話す事になったトリップメンバーはその神殿に立ち寄り、さぁいよいよ港へ向かおう……と思ったのだが、ここで思いがけない者の姿を見る事になる!!

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