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Spectacular Fight Tales in Mysterious Different World  作者: マッハ! ニュージェネレーション
港町トオカッタ編(ザラス大陸(チーム・ノースディビジョン)編ファイナルステージ)
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第87話(マッハサイド):闇の気配

 その余りのスピードの速さに、地球人の3人は一瞬呆気に取られた表情になる。

「ど……どうした?」

 最初に問い掛けたのは3人の中で1番口数が少ない周二。

 そんな周二を横目で見やり、ジョージアが不穏な事を口走る。

「このトオカッタに、さっきの青い竜とはまた違う人外の気配がする」

「えっ!?」

 まさかの発言に対して声を上げる明に構わず、ジョージアは勘と経験で自分の考えを3人に告げる。

「人外って言っても妖精族とか人魚族とかそう言う奴等じゃ無いだろうな。あんた等の付き添いと同じで竜の気配だ。だけど……何か嫌な気配がするんだよ」

「嫌な気配とは?」

 周二の質問にジョージアは首を横に振る。

「そこまで詳しくは分からない。だけど友好的な感情では無い事は確かだろうね」


 そう言ったジョージアはベンチから完全に立ち上がり、鋭い目つきでグルリと辺りを見渡した。

「町の方からだな。そっちの方から気配を感じる」

「誰かが俺達を追って来た……って事なのか?」

「……」

 ここではドゼウスやカイザスタンでの話は出さない方が良いだろう、と言葉には出さずとも地球人3人の考える事は一致していた。

 そんな3人の考えをジョージアは知ってか知らずか、3人に対してこんなアドバイスをした。

「とにかく面倒な事は控えた方が良いと思うよ。それじゃビアードも疲れて寝ちゃったし、俺ももう寝るからね。おやすみー」

「あ、ああ……お休み」


 そんな不穏な事を言われたのでは、流石に夜の町へと繰り出して散策をしてみようと言う気持ちも失せてしまった。

「……やっぱり今日は寝るとすっか」

「ああ、それが良いだろう」

「散策なら明日、朝飯を食ってからでも良いだろうしな」

 疲れていて頭が上手く回らない状態だし、その状態で不穏な気配の主と遭遇してしまったのでは何かまた新しいトラブルを生み出す可能性だってある。

 だったら今日はやはり素直に休むべきだろう。

 自分の軽率な行動を反省した明はボリボリと後ろ頭を掻き、館の中に戻って行った。



 そして翌朝。

「あー、よーやくスッキリ目が覚めたぜ!!」

「牢屋の中だの、色々と慣れない所で寝ていたからな……」

 うーんと背伸びをする明、それからコキコキと首を鳴らす周二だが、ジェイノリーは同じ様にベッドで目を覚ましたシュヴィリスが浮かない顔をしているのに気がついた。

「どうしたシュヴィリス?」

『……あんまり眠れなかった』

「そりゃそーだよ、絵なんか描いてないで、俺達みてーに素直に早く寝れば良かったのに」

 明の言葉通り、シュヴィリスは3人が夕食を摂っている間も食事の片手間に絵画を描き続けていたし、3人が寝静まった後も黙々と絵画の制作に没頭していたのである。


 だが、シュヴィリスが眠れなかった原因は別にあるらしい。

『そうじゃないよ。別に絵を描く事自体は何の問題も無かったんだ。楽しかったしこれが僕の本業だからね』

 だけど……と言葉を濁したシュヴィリスは窓の外の青空を見上げてジョージアと同じく不穏な事を口走った。

『どうも嫌な気配を感じるんだよ。町の方からなんだけど、僕達に対して友好的じゃ無い気配が伝わって来るんだよね、同じ竜の気配が……』

「それは本当か?」


 周二が珍しくビックリした顔で質問すると、シュヴィリスは迷い無く頷いた。

『うん。竜の気配なのは間違い無いよ。妖精族にしても雪山の連中にしても、竜の気配とはまた種類が違う気配を持っているんだよ。君達の様に人間じゃ無いからこそ分かる事もあるんだよね』

 その話に3人の地球人は顔を見合わせて頷いた。

「それって……」

「ああ、そうだな」

「シュヴィリスにも話しておいた方が良さそうだ」

 意見が一致した3人は、前日の夜の散策中にジョージアから聞いた話をシュヴィリスと言う人外の存在にも話す事にした。


 その直後に騎士が丁度朝食を持って来たので、3人と1匹は朝食のパンとスープとサラダを頬張りながら不穏な気配の話について議論をしていた。

『……なる程ねぇ、あのやる気無さそうな人もそんな事言ってたの』

「ああ、シュヴィリスの言ってた事と全く同じだぜ」

「人外じゃないけど気配を感じ取れるって事は、やっぱり八剣士と呼ばれるだけの実力はあるって事だな」

 納得する明とジェイノリーに対して、周二は話の続きをシュヴィリスに促す。

「それで、シュヴィリスが感じた気配ってのについてもっと詳しく説明して貰えないか?」

『え……ああ、僕の感じた気配は一言で言えば闇の気配って所だね』

「闇の気配?」


 いかにもファンタジーっぽい単語が出て来たな、とRPG好きの明は思ってしまう。

『そう。僕達ヘルヴァナールのドラゴンの中にも居たでしょ、闇の魔法を扱うドラゴンが』

「……黒いドラゴンのイークヴェス、だな?」

 明がそう口走った瞬間、ジェイノリーが1つの過去を思い出した。

「まさか……」

「どうした、ジェイノリー?」

「いや……1つ思い出した事がある。俺達が恨まれる様な話が」

「え?」

 それは一体何なんだ? と思う他の2人と1匹に対して、ジェイノリーは簡潔な予想を述べた。

「俺がドゼウスの追っ手を退けた……あの森の中の黒竜の塔の話ならその気配とつじつまが合うかも知れない」

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