第66話(マッハサイド):3人バラバラのチェイス(ジェイノリー編:3人との死闘(後編))
カールが倒れ込んだのを見て、回復したロックヒルがロングソードを振り回しながら向かって来るがジェイノリーはこれを冷静に見切って撃退。
次にシュナイダーも回復して向かって来たのでそれに対処して行くが、カールも回復して来て2対1に。
「くっ、はっ!」
更に2対1ならではの戦法と言う事で、カールとシュナイダーがそれぞれジェイノリーの左腕と右腕をロックして動きを封じる。
「なっ!?」
そこに回復したロックヒルが全力でドロップキックをぶちかまし、ジェイノリーは盛大に後ろに転がった。
「おがはぁっ!?」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
胸を蹴られたジェイノリーはすごく苦しそうだが、3人の方も疲弊している。
「なかなかやるな。だが人数差は俺達が有利だ!」
「一気にこのまま決着を着けるぞ」
「まだやるか?」
カールにそう問われたジェイノリーはゆっくりと立ち上がり、3人に向かって今ロックヒルにやられたばかりのドロップキックで突っ込む。
だがそのジェイノリーのドロップキックに合わせて3人もドロップキックを繰り出す。
真ん中からドロップキックを繰り出したロックヒルだけがジェイノリーのドロップキックを食らって倒れ込み、カールとシュナイダーはジェイノリーにドロップキックを食らわせる事で再びジェイノリーを地面に転がす事に成功。
「はっ!」
カールがジェイノリーに向かうが、ジェイノリーは倒れ込んだままの姿勢からカールのキックを上手く自分の足で受け止めつつ逆に腹目掛けてキック。
そこから素早く立ち上がって次にシュナイダーのロングソードを上手く手でいなし、更にシュナイダーに掴み掛かって彼の身体を盾代わりに使い、横から向かって来るカールとロックヒルのロングソードとキックでの攻撃をガードする。
流石にカールもロックヒルも仲間を傷付ける訳には行かないので、ロングソードで攻撃を出せない分キック技を繰り出すが、これをそのシュナイダーを盾にして上手くガードして同時に攻撃と防御をする。
更にガードしつつロックヒルにも後ろ回し蹴りをしっかりとお見舞い。
「あが、うぐう!」
シュナイダーはロックヒルのキックを背中に2発連続で食らい、衝撃でシュナイダーの身体から力が抜ける。
それを利用してカールの方にシュナイダーを突き飛ばしたジェイノリーだったが、視界の隅にロックヒルが下段回し蹴りを繰り出そうとするのが見えたので咄嗟にジェイノリーはジャンプし、きりもみ回転のキックをさっきのお返しとばかりにそのままシュナイダーの胸に突っ込ませ、カールごと地面に倒す事に成功。
「ぐふぁ!」
「おああ!」
それを見たロックヒルは回し蹴りをかわされた事もあって素早くジェイノリーにロングソードを振り被るが、それをしっかりジェイノリーは見切って腕でロックヒルの腕を弾いてガード。
そしてそのガードした腕を素早くロックヒルの右腕の下を通して首に回し、自分の右腕で思いっ切りロックヒルの首をジェイノリーから見て奥に押し込んだ。
「ぐがっ!?」
弓なりに反ったロックヒルの身体に、今度はそこから左後ろ回し蹴りをジェイノリーが繰り出してロックヒルの顔面にクリーンヒットさせる。
「うごお!」
今度はカールとシュナイダーが回復して立ち上がって来たが、ジェイノリーはまずカールの攻撃を避けて腹にストレートパンチ2発、更にくるりと身体を回転させて反対側から向かって来たシュナイダーにも首目掛けてパンチを入れ、更に両腕を広げて2人の腹に同時に右と左の裏拳をそれぞれ同時にヒットさせる。
「あがあ!」
「うぐっ!」
そしてジェイノリーはジャンプし、バック宙を繰り出しつつ両足を開脚させて2人のアゴに左と右の足をダイレクトヒットさせる。
「がっ!」
「ごっ……」
急所にダメージを食らって倒れ込んだ2人だったが、ジェイノリーの身体はそのまま地面……に倒れていたロックヒルのみぞおちと股間にそれぞれ片方ずつの膝をヒットさせて着地。
「おごああああっ……ぐっ!!」
急所2つにモロに膝が入ったロックヒルはそのまま悶絶し、ジェイノリーがふと気がつくとシュナイダーが立ち上がって来ようとしていたので先手必勝で跳び上がって、そのままきりもみ回転のキックを空中から全力で叩き落す。
「がはっ!?」
シュナイダーも悶絶し復帰出来ない今、残るはカールだけだ。
だが、カールは素早く起き上がってジェイノリーに向かって来る。
「らああああ!!」
ジェイノリーに向かって来たカールはロングソードを振り被るがそれを避け、彼の足を持ち上げてカールにジェイノリーは抱きつく。
すると思いっ切り足を振り上げる事になるのでカールの股関節が無理に曲がってしまい、かなり痛い上にカールはそのままバランスを崩して倒れ込む。
「ぐああ!」
それでも痛みを堪えてカールは再び立ち上がるが、ジェイノリーはカールが完全に立ち上がる前に走り出して、そのまま彼の立ち上がる為に踏ん張っている膝を使ってジャンプし、全力で空中から肘をカールの頭目掛けて落とした。
「ぐあっ……」
そんな声と共にカールも悶絶し、ジェイノリーは3人相手に何とか勝利してとっととこの広場からずらかる事にしたのであった。
(と言うか3人相手にして、良く勝てたな……俺)
そう思いつつ走り出したジェイノリーだったが、警笛の音が複数の足音と共に噴水広場に向かって響いて来る。
「なっ……!?」
その警笛の音の主であるヘインズ、そしてヘインズと共にやって来たニルラインの後ろには警備隊員も騎士団員も問わず大勢でジェイノリーの行く手を塞いだ。
「……Merde……」
もはや口癖になりつつあるそのフランス語の悪態と共に、噴水の縁に腰掛けたジェイノリーは肩をすくめてギブアップの意を示すしか無かった。




