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第65話(マッハサイド):3人バラバラのチェイス(ジェイノリー編:3人との死闘(前編))

バトルBGM

Battle of Omega 影山ヒロノブ

https://www.youtube.com/watch?v=IHxg0OQhL1w

 明が連行されて行ったその頃、ジェイノリーは貴族街で3人の男に囲まれていた。

 正方形の広場がこの貴族街にはある。

 ヴェッセン中央噴水広場と名付けられたその広場は貴族達が談笑を交わしたりする憩いの場所なのだが、今のこのヴェッセン中央噴水広場はバトルフィールドになろうとしていた。

「……そこをどけ、俺はこの先に用があるんだ」

 息を整えながら冷静な口調でそう言うジェイノリーの目の前には、赤毛をオールバックにしてヒゲを生やしている屈強な男、細身ではあるが体幹がしっかりしている銀髪の男、そして他の2人よりも鎧がちょっと豪華な事から3人組のリーダー格と思われる、ワカメみたいな赤毛のヘアースタイルをしている男がマーレイの屋敷への道に向かうジェイノリーをグルリと囲む形で塞いでいる。


 貴族街へ向かっている途中で馬に乗った2人の騎士が後ろから追いかけて来て、全速力で逃げている時に前方からリーダー格の騎士団員が馬に乗ったまま道を塞いだ。

 つまりこうしてジェイノリーの元に3人が追いついて来てしまったのである。

(くそ……)

 明らかにこの3人はカイザスタン騎士団員、それもさっきのニルラインとか言う将軍よりも位が高そうなのが見て取れる。

 ジェイノリーは引き返して別の道を探そうとするが、その後ろからはまず赤の髪の毛をオールバックにしている剣士が嬉しそうな声を響かせる。

「さぁさぁ、とうとう追い詰めたぜ!!」

「私達から逃げ切ろうなんて、その考えが甘いんだ」

「それじゃお前は騎士団の詰め所……いや、城で調べる。俺達と一緒にガルデバラ城に来て貰おうか?」

 赤髪の男、そして銀髪の男のセリフに続くリーダー格の騎士団員にそう言われ、このままではジェイノリーは有無を言わさずに城に連れて行かれてしまう。


「…………」

 ジェイノリーは黙ったまま、3人に向かって静かに構えを取った。

「素手で俺達とやるつもりかよ?」

「身の程知らずな」

「大人しくしていれば危害は加えないが?」

 だがそんな3人の言葉にもジェイノリーは構えを解かないので、リーダー格の剣士がはぁ……とため息を吐いた。

「……仕方無いな。ならばこちらも強行手段だロックヒル、シュナイダー」

「はい。しかしこの男は手強そうですよ閣下」

 シュナイダーと呼ばれた銀髪の男にロックヒルと呼ばれた赤髪の男も同意する。

「ああ、油断は出来ないですよこいつは……」

「それなら、まずは俺からお手並み拝見をさせて貰おうか。俺はカイザスタン帝国第2皇子、カール・ヘル・カイザスタンだ」


 カールと名乗った皇子……この帝国の国軍総司令官の男がそう言いつつ腰のロングソードの柄に手を掛け、ジェイノリーに向かって1歩踏み出すが、それをロックヒルが右手で彼の左肩を掴んで止める。

「お待ち下さい閣下、ここはまず俺が」

「……分かった、ならお前に任せる」

 ロックヒルと呼ばれた赤髪オールバックの騎士にこの場を譲り、カールが下がって様子を見物。

 ロックヒルは腰に下げているロングソードを抜いて斬りかかって来るが、そんなロックヒルの振り下ろしをジェイノリーは両手でロックヒルの手を押さえてブロックしてから、下段回し蹴りと腹への前蹴りを使って怯ませる。

「ぐっ……」

 それでもロックヒルは左手の素手も併用してまた斬り掛かって来るので、長い格闘技の経験で鍛えた反射神経と動体視力と身体能力をフル活用してブロックし、弾き、そして蹴り返す。

「ぐおあ!」


 ジェイノリーのミドルキックを腹に食らって倒れ込んだロックヒルだったが、今度はそのロックヒルに気を取られていたジェイノリーにシュナイダーが思いっ切り全力ダッシュからドロップキックを食らわせる。

「うごぉ!」

 倒れ込んだジェイノリーの髪の毛を掴んで引きずり起こし、同じくロングソードを抜いて今度はシュナイダーがジェイノリーの相手になった。

 ロックヒルがパワー重視ならシュナイダーはスピード重視。

 そのスピードのあるバトルをするシュナイダーにジェイノリーは苦戦しつつも、ロックヒルの時とはまた違い最小限の動きでロングソードでの攻撃をブロックし、かわす。


 だが連続してバトルするのは結構疲れるので、その疲れで一瞬ジェイノリーがぐらついた所でシュナイダーはジェイノリーの襟首を掴む。

 そのまま噴水の縁に向かってジェイノリーを投げ飛ばし、背中から彼をぶつける事に成功。

「ぐあっ!」

「ふん、その程度か?」

 シュナイダーは感情が読み取りにくい、しかし挑発的とも思える口調でジェイノリーに問い掛ける。

「おー、なかなかやるなシュナイダー」

「でもまだ終わってないみたいだ。油断するな!」


 シュナイダーにロックヒルがそう言うと、シュナイダーはまだ立ち上がって来るジェイノリーに気がつき再びロングソードで斬りかかる。

「……そらっ!」

 ロングソードを再び振り回してジェイノリーに向かうシュナイダーだが、ぶつかった事で冷静さを取り戻したジェイノリーはどんな奴が相手なのかを今一度判断する事が出来、改めてシュナイダーに立ち向かう。

 ロングソードの攻撃をかわし、そこからロングソードを持っている手を掴んで後ろに捻り上げてそのままシュナイダーの背中に膝蹴りを4発打ち付ける。

「うぐ、あが、ああ、おが!」

 今度はシュナイダーの身体の前側を自分の方へと向け、今の膝蹴りで怯んだそのシュナイダーの腹に思いっ切り右ストレートを入れてぶっ飛ばす。

「あがあ!」


「くっ……」

 今度はカールがロングソードを抜いて斬り掛かって来る。

 ロックヒルとシュナイダーはまたロングソードの扱い方が違う様だが、基本的には同じ騎士団の人間であり剣術もベースのテクニックは変わらない様なので、これもジェイノリーはブロックしたりかわしたりして対処。

「このお!」

 更にそこにシュナイダーがまた斬りかかって来たが、ロングソードを持っている彼の右手をジェイノリーは左手でブロックして、代わりに右と左のストレートパンチを3発シュナイダーに叩き込んで怯ませて退場させ、再びカールとバトル。

 カールの剣術にジェイノリーは頑張って対抗していたが、余り時間を掛ける訳には行かないのでハイキックでカールのロングソードを弾き、それによってカールがバランスを崩した所でジェイノリーは跳び上がって宙返りをしつつ、右足の裏をカールの側頭部にぶち当てる事に成功。

 これによってカールは地面へと倒れ込んだが、それはもう手加減無しのバトルがスタートした事を意味する合図でもあった……。

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