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第57話(マッハサイド):3人バラバラのチェイス(明編:激闘)

バトルBGM

http://www.nicovideo.jp/watch/sm12990611

Start up! ~絆~

「ああ、お前ドゼウスから来たのか。確かこの国と隣同士の」

 じゃあやっぱりこの国の人間じゃ無かったんだな、と明は自分の直感に感謝した。

「そうだ。貴様の仲間である青い竜の姿はドゼウスのみならず各地で目撃されているからな。情報なんて少し調べれば幾らでも入って来るし、何より貴様達が闘技場に居たのを私はこの目で見たからな。貴様とあの青い竜、それから緑の髪の男に黒髪の男も居ただろう。そしてこのアザは私の契約している緑の竜の証だ。……さて、今度はこちらの質問だ。答えろ、貴様は何者だ!!」

 その怒声交じりの質問に、明は無礼と分かっていても名前を言う気なんて更々無かった。

「やだ」

「何?」

「い・や・だ。最初から敵意剥き出しの奴相手に、名乗る名前なんか俺は持ってねーんだよ」

「……そうか」

 ロズバンと名乗った男は明の態度に対してそれだけ言うと、マントを取り払ってその下の腰にぶら下げているロングソードをキンッと鞘に擦りながら抜き放つ。

「ならば、私としてもそれなりの対応を取らせて貰うぞ」

 完全に敵対関係になった2人は、人気の無い路地の奥で向かい合った。


 先に動いたのは意外にもロズバンから。

 明はガンガン攻めるタイプで常にアドレナリンを放出して一気に勝負を決めるのだが、その反動として1度敗北を喫してしまうと立ち直るのに1か月以上掛かってしまうメンタルの弱さが課題だ。

 これは10年以上前からの自分への課題でもあるのだが、もっと言えば32年前……武術を習い始めた中学1年生の12歳の時からの課題でもあるんじゃないかとふと思ってしまう事が彼にはあった。

 試合で負けるのは誰にでもある。

 しかし、今だけは絶対に負けられないバトルなのだ。


 ロズバンは非常にスピードのあるバトルを見せる。

 細身の身体だからこそ、体重も軽いのでパワーに劣るのをスピードで補っているイメージを明は受けた。

 対する明は大柄な体躯を活かしたパワー全開のバトル。

 ボクシングのスピード、空手のパワーの乗った手技に足技、そして柔道の関節技や投げ技を駆使して何度か総合格闘技の試合に仲間内のツテで出た事もある。

 その中で「パワーだけでは勝てない」と言う事を思い知らされて負ける事もあった。

 そんな明は素手で相手は武器を持っているが、だからと言ってここで引く訳には行かない。

 背中を見せれば間違い無くロングソードの餌食だ。


 風を切って横に薙ぎ払い、それから突き出されるロングソードを回避しながら明は何とか踏ん張っているが、いずれその回避も出来なくなってしまうだろう。

 避けてばかりいては勝てない。逃げてばかりじゃ戦えない。

 なので一瞬の隙を突いて明はロズバンに左回し蹴りを繰り出すが、ギリギリでロズバンも身体を引いて避けてしまう。

挿絵(By みてみん)

 その引いた身体をクルッと回転させて薙ぎ払いをロズバンは繰り出すものの、明は咄嗟にその右腕を足で蹴ってストップさせる。

「くっ!」

 パワーのあるキックを腕に食らい、ロズバンのその右腕に痺れが走った。

 そしてそれは大きな隙になるので、明は一瞬動きを止めたロズバンの背中に抱き着いて、パワー任せにその細身の身体を持ち上げてそのまま後ろに重力の赴くままに背中から倒れ込む。


「らーーーーーーーーーーーーーーーーぁぁああああああ!!」

 物凄い音と共に地面に背中から叩きつけられたロズバンと明だったが、明は素早くマウントポジションを取ってロズバンの顔面を右の往復パンチで殴りつけ、ロズバンの力が抜けた所で力任せに彼を立たせる。

 更にもう1発おまけでロズバンの顔面に右のパンチを入れ、最後に先程外してしまった左の回し蹴りをロズバンの腹に入れて彼を壁に吹っ飛ばした。

「ぐふ、がはっ……」

 起き上がろうにも腹に力が入らない。

 そんなロズバンを尻目に今度こそ壁に手を掛けて飛びつき、近くの屋根に上った明はマイセンの街を見下ろす。

(周二とジェイノリーは無事なのか!?)

 屋根に上っただけではあの2人が何処に居るのかは分からない。それに目立つ行動をしてこれ以上チェイスはしたく無かったので何処かに逃げられそうな出入り口は無いかと街全体を見渡してみるが、さっぱり見当がつかない。

(くそっ、自分の足で探せってか……!!)

 RPGの様に早々都合良くは行かない。

 ロズバンから逃げられただけでも良かったと思いながら、明は近くのストリートへと飛び降りて再びマイセンの街を駆け抜ける。


 だが、そんな明の前に立ちはだかる新たな人影が2つ。

「居たぞディール、こっちだ!!」

「おい貴様、止まるんだ!!」

 自分を追い掛けて来ていた兵士連中よりも、その2人はシンプルながらも少しだけ豪華な装飾がされている服装をしているどちらも茶髪の2人の兵士であった。

 せっかくロズバンを倒して振り切ったと言うのに、まだチェイスは続くらしい。

 明はその2人を見て、とっさにルートを変えて右のストリートへと直角にターン。

 当然その後ろから2人の男も追い掛けて来る。

(隊長格か何かか!?)

 パッと見ただけでそんなイメージでしか無いのだが、少なくとも油断出来る相手では無さそうなので明は自分の運の悪さを呪った。

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