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第52話(マッハサイド):TEL

「前回は神殿の中でジェイノリーと俺の電話が掛かって、そして俺はあの江戸みたいな城で掛かったんだったな、確か」

「って事は、何か重要な建物の近くでなら電話が掛かるって言う事なのか?」

 ジェイノリーの予想にシュヴィリスがうーんと首を捻る。

『とりあえずここで掛けてみればはっきりすると思うよ。さっきの闘技場からそこまで離れていないみたいだし。だけど……』

 歯切れの悪さを他の3人に見せつつ、慎重な素振りでシュヴィリスは周囲を見渡した。

『やっぱりこっちの動きを監視している連中が居るね。かなりレベルの高い人間達が集まって来ているから、さっさと済ませてここは早めに退散しようよ』

「……尾行されてるのか?」


 ポツリと呟いた周二に対して、他の2人と1匹は頷いた。

「ああ。さっき話した通り、その雪山で出会ったマーレイって奴はシュヴィリスの予想からするとこの国の皇族の関係者かも知れないって話だしな」

「じりじりと周囲を包囲されている気がしないでも無いから、その包囲網で完全に包囲されてしまう前にさっさと逃げるべきだと俺も思う」

『僕はドラゴンだからね。君達人間と違って色々と気配には敏感なんだよ。城から尾行していた連中も居るんだけど、他にも……ああ、恐らくこの町の巡回を担当している兵士達とかそう言う類の人間も居るかも知れないね』


 それに……とシュヴィリスは続けてとんでもない事を言い出した。

『さっき僕達が闘技場で見かけたあの緑色の男ね。あの男はドラゴンだって事もその時ちょっとだけ言ったけど、ドラゴンの気配は人間の気配よりもかなり強力で強大でそして広範囲にまで感じる事が出来る』

「……何が言いたい?」

 さっさと結論を話せと言わんばかりの周二の口調にも動じる事無く、だったら話してあげるよと言わんばかりの態度でシュヴィリスはその結論を口に出した。

『恐らく、僕が最初に落っこちたドゼウスとか言う国の回し者だろうね。あの王国からはとんでもない大きさのドラゴンの気配が漂って来てたから。その中に感じた気配の1つに間違い無いね』

「えっ、じゃああの緑のドラゴンって言う男はそのドゼウスからここまで追いかけて来ているって事なのか?」


 明の問い掛けにシュヴィリスは頷く。

『それしか考えられないよ。僕が不可抗力とは言えあれだけ城の一部分を滅茶苦茶にしちゃったんだから、あの国の連中は凄く切れてるだろうし。向こうの気持ちとしては僕を何としてでも捕まえたいだろうし、捕まっちゃったら死ぬまでタダ働きとかさせられる破目になるかもね』

「不吉な事言うなよ……」

 明は思わず身震いをする。

「ともかく、そのドゼウスって言う国はあのゼキとマーレイの話を聞く限りではこのカイザスタンって言う国の隣の国らしいから、追い掛けようとするなら簡単な話ではあるよな」

「……じゃあ、早く逃げないと」

 周二はそのドゼウスとか言う国の連中には会った事が無いし、それからザカタリスに陽明に雪山の連中にも全く出会った事は無い。

 しかし今までの話を聞いている限りでは、自分達はこの大陸全域でお尋ね物になっていると言う事だけは理解出来た。


 だけどまだやるべき事がこの一行にはあった。

「その前に電話が先だろう」

「……ああ」

 今は電話を繋いでみて実際にあのクラブで一緒だった他の連中がこの世界に居るのかどうか、そしてその連中がこの世界に居るとしてきちんと掛かるかどうかを確認する為に3人はそれぞれ別の人間に掛けてみる。

「じゃあ俺、同じチーム・スピードプロデュース同士で真由美に掛けてみる」

「ならば俺はカポエイラ繋がりで令次だ」

「兼山に掛ける。レーシングプロジェクト同士だからな」


 それぞれに繋がりのあるメンバーに電話を掛けてみる3人だが、何とその電話は全員に掛かってしまった!!

 まずは明と真由美の会話から。

「も……もしもし? 真由美か?」

『え、あ……あれっ、明!? お、おいおいお前今何処に居るんだよ!?』

「お、俺はザラス大陸って場所のカイザスタンって国に居るんだ。周二とジェイノリーとシュヴィリスが一緒だ。そっちこそ今何処なんだよ?」

『俺の方はグランスキャートって言う場所に居るんだよ。ちょっと色々あって、洋子と恵と一緒なんだ。ザラス大陸って言うと……はぁ!? お前北の大陸に居るのかよ?』

「あれ、大陸違うの?」

『こっちは東の大陸だ。……あ、ちょっと人が来たからまた後で掛け直す! じゃな!!』

「ちょ、おい、真由美……まゆっ!?」


 ジェイノリーと令次の会話も似た様なものだった。

『……なら、そっちはザラス大陸ですね。俺達は西のユーラス諸島のホーエルンって言う所に居ます』

「分かった、ホーエルンだな?」

『はい。後は中央大陸で何か手がかりが見つかるかも知れないってこっちの人が言ってましたよ』

「中央大陸……?」

 聞き慣れない中央大陸と言う言葉にジェイノリーが首を傾げている横では、周二と兼山のチーム・レーシングプロジェクト同士の会話があった。

『ベスタ帝国だよベスタ帝国。巨人とか居るんだよこっち。人魚とかも居るしすげーファンタジーなんだぜ?』

「……そうか。それで、何処で落ち合えば良い?」

『そうだなぁ……中央の島の方が良いかもな。こっちの人間から聞いてるんだけど、シュヴィリスが居るんだったら飛んで来られるんだろ?』

「中央の島か……」

 電話でそんな会話を繰り広げ、そして中央の島と言う意味深な場所の話を聞いた一行の元には確実に追っ手が迫っているのだった……。

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