表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/100

第22話(マッハサイド):自己紹介と武術スタイル

「話すって言われてもなぁ……とりあえず、自己紹介とかで良いんですか?」

「うむ、それで構わぬぞ」

 相変わらずのしゃがれた声だが妙に力強い返答のカラに、ジェイノリーは1つだけお願いを申し出る。

「その前にこれ外して貰っても良いです? この体勢じゃ話しにくいんで」

「おお……そうか。カイン」

 カラが顎をしゃくると、相変わらずの仏頂面で渋々とカインがジェイノリーの手足の拘束を外した。

「言っておくが、攻撃する様であればこちらも容赦はしない」

「分かってる。そもそも、この状況じゃ俺は逃げられないからな」


 カチャカチャと音を立てて拘束が外され、ジェイノリーが話し始めようとしたその時に扉が開く音がする。

 さっき言っていた王城に出現した物がどうのこうの……の正体がもう届いたのか? とジェイノリーは思ったが、それは間違いだった。

 人の歩く音が聞こえて来たかと思えば、その人物はすぐにジェイノリーの入れられている牢屋の前に姿を現す。

 それはジェイノリーにとって忘れられない人間だった。

「よぉーカイン、何か吐いたか? おやっ……騎士団長殿もご一緒ですね?」

「隊長、またあなたですか?」

「またって何だよ。それよりもこの男は何か吐いたのか?」


 その隊長のクエスチョンにはカインの代わりにカラが答える。

「この男は人間だ。それに我々に害を加える気は無い。ちょうど今から話を聞こうと思っていた所だ。お前も参加しろ、グードリン」

「勿論ですよ! さってと、色々話して貰うぜぇ?」

 牢屋の中にこれで男が4人。

 かび臭い上に男臭くてむさ苦しい事この上無いが、この状況であーだこーだ言える筋合いでも無いと判断したジェイノリーは改めて話を始める。

「自己紹介って言っても、俺はただの人間だしつまらないかもしれない。それからカラ団長以外のあんた等2人も素性を詳しく聞かせてくれ」

「いーからさっさと話してくれよ。俺をあれだけ楽しませてくれたんだから、特にその辺りは重点的に頼むぜ。俺達の事も後で話すからよ」

 あの神殿の倉庫でのバトルに関して、グードリンと呼ばれた隊長の男は特に興味がある様だ。


「ええと、俺はジェイノリー・セイジール。フランスのオルレアンと言う場所で内科の医者をやってる。今の年齢は40歳だけど今年で41歳になる。それから……まぁ、音楽を聴くのが趣味かな……。後はそっちの隊長が聞きたがってる話でもしようか?」

「いーよいーよ、どんどんやっちゃってくれよ!」

「……」

 このテンションに自分はついて行けそうに無い……と内心で戸惑いながらも、ジェイノリーは自分が習って来た格闘技について話し始める。

「俺が習って来たのはキックボクシング、テコンドー、カポエイラ、ムエタイ、そしてサバットだ。全て足技がメインの格闘術だ」

「何歳の時から習って来たんだ?」

「12歳からだから、今年で29年目だな」

「ほーう、だったらあれだけの動きが出来るのも分かるぜ」

 カインの質問に対して正直にジェイノリーが答えた結果、グードリンは感心した様子を見せる。


 今度はグードリンから質問が飛んで来る。

「じゃあその5つの格闘術の違いを教えてくれ」

「ああ良いよ」

 すっと立ち上がったジェイノリーは、グードリンに相手の目線で体験して貰う様に頼む。

 そうしてジェイノリーの向かい側に立ったグードリンに対して、まずはテコンドーの動きから。

「テコンドーは足全体をフルに使う。回し蹴りも多用するし、連続もも上げキック等も使う。次にムエタイとキックボクシングは似てる様で違う。肘打ちと首相撲が試合で認められているのがムエタイで、認められないのがキックボクシング。それからムエタイは回し蹴りを使わないんだけど、キックボクシングは回し蹴りもトレーニングする」

 ここで一息ついて、次は体勢を低くするジェイノリー。

「後はカポエイラとサバットだな。これがカポエイラの基本的な動きで、よちよち歩きの意味である「ジンガ」だ。ここから例えば手を地面に着きつつこうやって相手の側頭部を狙ったり、後はパンチの連打から思いっ切り身体を回転させて、後ろ足を若干斜め上から相手の側頭部目掛けて当てたりとか、非常に変則的な技が多い」


 更に自国フランスの伝統武術であるサバットについても簡単に説明。

「サバットは特殊なルールでな。相手のキックをガードすると負けるんだ」

「ガードすると負ける?」

 カラの疑問にジェイノリーは頷く。

「ええ。昔のフランスでは靴にナイフを仕込むのが当たり前でしたから、それが今の試合にもルールとして使われています。つまり相手のキックをガードすると言う事は、相手のつま先のナイフで刺されるのと一緒と言う意味ですから」

「ほう、考えられているのだな」

「後は……キックボクシングやムエタイですと、キックは基本的にすねを当てるものですけど、つま先のキックも使うサバットは、この様にすねの蹴りよりも遠くに届きます」

 こうして一通り話を終えたジェイノリーだったが、まだグードリンとカインについて聞いていない。

 この2人がそれなりの地位に居るであろう事は分かるけど……と思っていたその時、またも足音が聞こえて来て赤いドレスが牢屋の前に現れる。

 そのドレスの主は、王城に現れたと言う物を持ってわざわざ牢屋までやって来たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ