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第15話(マッハサイド):Castle Battle Final Round

バトルBGM

Virtua Quest - Tsukiyoi Castle Battle Theme

https://www.youtube.com/watch?v=lz7LsTohtfU

 先に動いたのは佐々木だった。

 やはりサンプルにする事を念頭に置いてあるのか、腰に差している刀は抜かない様である。

 それでも的確に明の動きを読んでパンチやキックを回避し、柔道の掴みからも上手く抜け出してしまう。

 将軍だけあって生半可な実力では無いのが、バトル相手の明が1番良く分かった。

(くっそ、強ぇ……)

 ただ強いだけでは無く、まだ割と余力がありそうな気がすると明は読む。

 自分は異世界からやって来たとは言え、別に軍人でも無いただの人間。

 シュヴィリスの言う通り相手が「人間じゃ無い」のなら、自分に勝ち目があるのか分からない。

 でも戦わなければいけない。


「……ふん」

 明の回し蹴りを屈んで回避し、佐々木はラグビー選手顔負けのタックルで明の身体を地面に押し倒す。

「ぐがっ!?」

「ひゃっははは!! さぁて、何処から解剖して欲しい!?」

「くっそ……このイカレ野郎が……人間舐めんじゃ無えよ!!」

 圧し掛かられはしたものの手は動かせるので、明は巴投げの要領で佐々木の襟首を掴んで後ろに投げ飛ばす。

 かなり無理に、それも力任せに投げた為に本来のパワーが出し切れない状況だったがそれでも脱出する事に成功したので再度2人は向き合う。

「解剖なんかさせねえよ!! 人体実験なんかナチスの時代でこっちの世界じゃ終わりなんだよ!」

 後半は自分の願いも入った発言だったが、その時思わぬ乱入者が。


『明ーっ、大丈夫かーっ!?』

「え……はっ!?」

 城の上から下りて来たシュヴィリスが、その大きなドラゴンの身体で明と佐々木の元に突っ込んで来る。

 それを明と佐々木はお互いに横っ飛びでかわし、シュヴィリスは再び上空へと舞い上がって行った。

(あれを……っ!!)

 立ち上がるのが早かった明は、佐々木の持っている武器を奪い取ろうと彼の懐に飛び込む。

 武器を奪ってしまえば今よりも勝率が数パーセントアップするかも知れない、と読んでの考えからだ。


 だが、佐々木の腰の刀の柄を明が掴んだその瞬間。

 バチッ!!

 突然刀の柄の部分から光と音、そして痺れを伴う鈍い痛みが両者の身体に伝わる。

「ぐぉ!?」

「うっ!?」

 流石にこれには佐々木も想定外だったらしく、思いっ切り隙が出来る。

 明も明で戸惑いを覚えたものの、考えてみればこれは……と自分の記憶を短い時間で手繰り寄せる。

(あれ、これってもしかして……)

 これは確か、まさか……と考え付いた事があったのだが、その思考の最中に体勢を立て直した佐々木が再び襲い掛かって来る。

「ちっ!」

 舌打ち1発、再び明は佐々木の攻撃を回避してもう1度刀の柄を掴む。

 するとまたバチッと光と音と……そして痛みが両者に襲い掛かった。

「ぐぅ!?」

(今だ!)


 またもや隙が出来た佐々木の顔面に対して明は腕時計を素早く外して拳に巻き、ナックル代わりに全力で殴りつける。

「ぐあっ!!」

 全力の明のパンチでぶっ飛んだ佐々木を尻目に、丁度戻って来たシュヴィリスの背中に明は飛び乗った。

「ありがとう、殿様!!」

「ああ、気を付けてなー!!」

 空へと舞い上がる青いドラゴンに向けて手を振る高松に、明も手を振り返して大空へと飛び立った。

 下では佐々木が身を起こして高松に何か言い寄るのが小さく見えるが、今はそれに構っていられない。

 ともかく、これでようやくエスケープミッションは成功した様である。

「あー……スゲー疲れたぜ。でも助かったよシュヴィリス」

『お礼は別に良いよ。それにしても一体何があったのさ?』

「何があったって言われても……俺はただ、あの光に包まれたと思ったらあの城がある陽明って国にいきなり出てたんだ。シュヴィリスこそどうしてたんだ?」

『僕はドゼウスとか言う国の城に窓ガラスを貫通しながら落っこちてね。それで逃げて来たんだよ』


 1人と1匹の頭の中に、次第に不安感が募って行く。

『なぁ……も、もしかしてさぁ……』

「ああ、俺も同じ事を考えてるんだけど……ここ、いやこの世界ってまさか……」

 違う世界なんじゃないか、と言う結論に達したのはその3秒後だった。

 シュヴィリスの方はただ単に逃げてここまでストレートに飛んで来たらしいので、明の話の方が内容が濃そうである。

「……で、俺が城からあの殿様と隠し通路を通って何とか逃げ出したって事さ。後……その殿様から俺はこれを預かったんだよ。何だろこれ」

 背中を移動して、明はシュヴィリスの目の近くにあの古びた本を持って行く。


 すると、シュヴィリスから衝撃的な回答が。

『あれっ!? そ、それってアサドールの文献じゃん!?』

「えっ!?」

 まさかの回答に明がびっくりすると同時に、シュヴィリスもこんな事を思い出す。

『そう言えば僕も、あのクラブに行く前に買った画材が無くなってるんだよ』

「……まさか、この世界に飛ばされたんじゃあ……」

 それが本当だとするのなら、どうやらアイテムの回収もしなければいけないらしい。

 面倒事がまた1つ増えたとシュヴィリスと明はため息を吐いて、ジェイノリーから電話が掛かって来た時に彼が言い残した「ザカタリス」と言う国へと向かうのであった。

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