表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/100

プロローグ(マッハサイド):地球サイド

 西暦2017年6月17日。

 この日、日本の東京都は六本木にて昼間から久しぶりに集まったとあるメンバーが居る。

 その数、実に全部で15名。

 元プロキックボクサーの大阪出身、飯田恵。

 フランスからはるばるやって来た、ベテランキッキングファイターのジェイノリー・セイジール。

 この六本木のクラブを経営しているエスクリマ使い、青森県出身元プロバスケ選手神橋洋子。

 栃木が生んだ極真空手のスペシャリスト、椎名連。

 はるばるインドまで精神修行に行き、インドの伝統武術カラリパヤットを習得。更に飯田恵からキックボクシングを習い、プロテストに合格した愛媛出身兼山信也。

 柔道と空手とボクシングに精通し、パチンコ店の店長として重いドル箱を運んだり荒くれ者の対応をしている、東北は宮城出身稲本明。

 山口から東京に移り住み、現在は北海道で牧場を経営している松原周二。

 足技主体だが剣道や柔道も習得し、キックボクシング以外の武術では飯田恵の師匠でもある男勝りな性格の生粋の東京都民の遠藤真由美。

 普段は舞台演出家として2足のわらじを履いている、千葉県のプロボクサー坂本淳。

 有名ロボットアニメのマニアでありコスプレもするが、柔道5段の達人でもある茨城代表白井永治。

 山梨出身外科医、格闘技では無いが椎名連の弟子であり、遠藤真由美の永遠のライバルからカポエイラを習い始めて今年で11年目になる宝坂令次。


 この人間達11人にプラスして更に4人……いや、元の姿からすれば4「匹」と言った方が正しい男達が居る。

 青い髪の毛に青い目を持っており、画材の入っている紙袋を荷物に持っているシュヴィリス。

 緑の髪の毛、緑の瞳の男であり休日は図書館巡りをするのが趣味のアサドール。

 白の長髪にオレンジ色の瞳、世界中の料理を研究しているタリヴァル。

 黒髪に黒い瞳、シュヴィリスとアサドールとタリヴァルよりも更に上の存在である一団のリーダーのイークヴェス。

 これで15名である。

 この4人……いや、4匹はそもそも地球の出身では無い。

 とある事が切っ掛けで、人間達11人が以前行ってしまった地球とは違う世界……つまり、「異世界」であるヘルヴァナールと言う世界の伝説となっている、人間に変化出来るドラゴンなのである。


 他にも3匹のドラゴンが居るのだが、その3匹は今別の場所に行っていて六本木にやって来たのはこの4匹だけなのだと言う。

 これまたとある事が切っ掛けで地球に来てしまい……と言うものの何時でも帰ろうと思えば帰れるのでしばらくは人間の姿のままこちらの世界の文明やら文化やらを研究して帰ろうと考えているらしい。

 そもそも何故この15名が六本木に集まっているのかと言うと、はるばるフランスから日本に旅行にやって来たジェイノリーが洋子の経営する六本木のクラブにやって来るとの事で、それならば……と今時間が空いているメンバーのみを収集して各都府県のお土産を持ち寄ってパーティを開く事にした。

 しかし、まさかこのパーティが再び彼等を異世界にいざなう事になろうとは勿論この時の一行は知る由も無かった。


 基本的にジェイノリーは英語で会話をするのだが、英語が話せないメンバーも居るのでそこは英語が話せるメンバーが通訳に入って会話を成り立たせている。

「久しぶりに日本に来たけど、この前スカイツリーってのに初めて俺は上ったんだよ。かなり眺めが良いんだな」

 地元東京の観光名所として注目を集めているスカイツリーを褒められ、精神修行の為にアメリカに渡っていた経験を持っている東京都出身の真由美が英語でジェイノリーの話に食いついた。

「だろ? それじゃあ何処か東京で見てみたい観光名所があるなら俺が案内するからよ!!」

 東京生まれ東京育ちの真由美の提案だったが、どうやら今回の観光はジェイノリーは東京だけで終わらせる予定では無いらしい。

「気持ちはありがたい。だが、俺は東京以外にも大阪とか宮城とか福岡とかにも行く予定だ。1ヶ月丸々休みが取れたんだしな。部下に全て任せてあるし、いざとなればアプリケーションでの通話で何とかなる様にセットアップはして来てあるから」

「そうなのか……」


 六本木のクラブで昼間から酒や食事を堪能して、ほろ酔い気分でジェイノリーは自分の泊まる予定のホテルに酔いを醒ますのと同時に荷物を置きに向かう事にする。

 ドラゴン達も自分達が居候している各メンバーの元に一緒に一旦戻る予定で、洋子は自分のクラブを夜の営業の為に開けなければいけないのでクラブに残る。

 ……筈だったのだが、全員が揃って洋子の見送りでクラブの出口に向かっていた時だった。

『助けて……』

「えっ? 誰か何か言ったか?」

 その声に1番最初に気がついたのは永治だった。

「いや、誰も何も言ってねえけど……」

「気のせいじゃないかしら?」

 辺りを窺う様に、キックボクシングの師弟関係である兼山も恵もそれを否定する。


 しかし、その声を否定した次の瞬間にとんでもない事が起こる。

 何と、クラブの入り口付近に居る15名のメンバーが突然虹色の光に包まれ始めたのだ!!

「え、ちょ、何!?」

「う、うわっ!?」

「おい、何だこれは!!」

「うおおおっ!?」

「きゃああ、何よこれぇ!?」

 メンバーがそれぞれ驚きの声を上げる。それはドラゴンも例外では無かった。

『ぐっ……何だ!?』

『えっ、何!? 何だよ!?』

『ぬぐっ! め、目が……!?』

『う、うぐぅ……何事だ!!』

 次の瞬間、15名全員の戸惑いと叫び声と恐怖心とそして少しのドキドキワクワク感と一緒に光に包まれた一行の姿は、閉店していて一行以外に人の気配がしないクラブの中から跡形も無く消え去ってしまったのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ