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異世界での時限旅行~ただの植物好きが突如異世界に行ったら!~  作者: ちくわ七福神
2章 異世界での楽しい生活
9/10

異世界での肉体言語

「ひゃっはああああ!!」

「テメエら全員金を出せ!!」


 比較的平和であった酒場が一転、突如世紀末な服装をした奴らに占領された、いったい何故こんなことになったのか、俺には全くわからない、、、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 時は少し遡り、これは朝の出来事であった、俺達は相変わらず朝の酒運びをして、その後組合に帰還したとことからおかしな状況は始まったのである


 酒運びの依頼が終わり、いつものように受付まで行き報酬をもらう、いつもの様に帰ってくると冒険者が沢山いてとても騒がしいのだが、いつもよりも何か静かというか、周りを見渡してもいつものように人はいるし、騒いでいるのにもかかわらずなにか足りない感じであった


「お仕事お疲れ様です!、お給金の方はこちらです」

「ああ、有難う受付ちゃん、ところでなんか今日静かじゃない?」


 俺がそう言うと受付娘は二階を指差して何が足りないかを言ってくれた


「本日は上級冒険者の皆さんが大規模討伐作戦というものに行っていまして、本日は下級冒険者の皆さんしかいらっしゃらないのですよ、、、組合長もいないので暇なんですよね~」


 合点がいった、確かに周りを見渡しても変わりがないはずだ、かわりがあったのは頭上だったからだ、俺とエミリはカウンター付近の席についてパンとビールを頼んだ、頼んだものが来る間に俺達はくだらない話をしたりして時間をつぶす


「そう言えば銑次、今って拠点代どれぐらいたまってるの?」

「え~っと、今で金貨四枚(ぎんか4000まい)だ、物件は最安値でも金貨五枚、しかしまともなところとなれば金貨10枚は積まないとな~」


 そう言うとエミリはがっかりした表情で机に付した、まあ10枚までは長いということである


「でもあれだぞ、簡単な討伐依頼なんかこなせばまあまあ稼げると思うぞ、スライムに頼めばゴブリン討伐なんて寝ててもできるし、、、まあその分スライムに良い水用意しないといけないけど」

「まあ、確かに少しはなにかリスクのある依頼をやっても良い気はするんだよね、、、」


 今までは酒運びと薬草狩り、そしてギルドにポーションを売るという事しかやっていなかった、しかし拠点購入は正直冬までには終わらせたいという願望もある、宿には暖炉がない、すなわち冬には地獄を見ることになるのだ、なので多少のリスクを背負ってもリスクのある仕事なんかをやる必要もあるのかもしれない、安全志向の主人公でも蛙狩りぐらいはするのだ、ゴブリン討伐ぐらいなら大丈夫であろう、、、


《ガン!!!!!!!!!!!!!》


 俺達が話していると、組合のドアが突如蹴破られた、ドアの方には頭のおかしい連中が軽く30人ほど群がっている、髪型は何処ぞの世紀末風のモヒカンであろ、剣や斧などを携えて組合の中に入ってきた


「ひゃっはああああ!!」

「テメエら全員金を出せ!!」


 受付娘の顔が引きつっている、確かに状況は最悪、現在組合長率いる上級冒険者がいない、それ故組合にいる人数は15人ほど、とてもじゃないが話にならない人数差であった


「どうする銑次?、逃げる?」

「どこからよ、ここに人が通り抜けれる窓はないぞ」


 しかも組合は金がたくさんあるから余計に怖い、組合は冒険者支払い用に多額の金があるため強盗にはとても都合がいい、普段は上級冒険者がいるため強盗なんかできないが今は絶好のチャンスであったのだ


 強盗に言われて中心で全員武器を捨てさせられて中央に集めさせられた、無論この状況を打破する方法はあるのだが、どれもリスクがあるから困る


一つ目は、時間を止めて逃げる、しかし明日からは仕事はない

二つ目は、背中に背負っているマント型スライム様に頼む、ただし魔物の持ち込みで俺は刑務所行き


 そんなことを考えていると、目立つ服装のせいかエミリが強盗に連れて行かれた、万が一の際は時計を割れるように懐の懐中時計に手をかけた、、すると


「テメエいい顔してんな!!、売っちまおうぜ、はははは」

「やめてください!!、話し合いましょう!、人間は理性の生き物でしょう!」


 エミリが必死の説得をしている、しかしあの頭の悪そうな連中には届かない


「だまれ!!、話し合いなんて無用だ!ははははは」


 強盗がそう言ってエミリの胸ぐらを掴んだ瞬間、悲劇は起こった、それは誰しもが予想のしていない展開で、曇りゆく表情のエミリ以外全員が被害者と成るのであった


 簡単言うと、エミリが切れた、ブチ切れた、胸ぐらをつかんだ強盗はエミリが放ったアッパーでその場に崩れ落ちると、顔面を掴まれて振り回され、人間バットとして今回の事件の第一被害者となった


「そうか!、そうか!!!!、言葉でわからぬのなら肉体言語にて語るまで!!!!、全員かかってこいこのアバズレ共!!!!!!!!!!!!!」


 そうエミリが叫んだ後、それはもう酷いものでした、関節を蹴り折られる者、掌底で浮いたところをかかと落としで床に埋められる者、人間バットで吹き飛ばされる者、もうそれは強盗にとっては地獄、見ている方もトラウマ物でした、、、勿論俺もトラウマになりました


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 後日談、俺達は多額の謝礼金をもらうことになった、その額は金貨にして3枚、拠点購入も近づいたというものである、そうしてもう一つある物を貰った、それはエミリに二つ名である、、、


「うわ~、あれが物理のエミリか~」

「すげ~よな、昨日一人で30人ボコったらしいぞ」


 組合の中では話題の中心となっている、物理のエミリ、それが彼女の二つ名になった


「銑次~、なんか物理のエミリって可愛くないよね、、、」

「まあお前の昨日の戦いっぷりは可愛くはないからな、、、」


 可愛くはないが目立っていたことは確かである。 俺達は組合の二階から下を見た、二階の光景はこんな感じであったのかと少し新鮮な気分である、昨日の一件から俺達のパーティーは上級冒険者扱いに昇格したのである、と言うかみんなが怖がって下にいられなくなったのだ


「しっかし、可愛くないと面と向かって言われると僕も傷つくんだけどな、、、」

「いやお前は可愛いだろ」


 俺がそう言うとエミリの表情は一気に真っ赤になった、、、そして俺の発言が恥ずかしい台詞であったこと気が付き俺もテーブルに顔を伏せた


「いや~、嬉しい事言ってくれるね、、銑次は、、、ありがとう」

「お粗末さまです。。。」


 カツカツと足を外を立てて上に上がってくる人影が見えた、紫色の服にとんがり帽子、組合長である、彼女は大きい旨をゆっさゆっさと揺らしてこちらに歩いてきた


「やあお二方、昨日はお疲れ様です」

「「そちらこそお疲れ様です」」


 挨拶を終えると彼女は早速本題に入った


「いやね、害獣の甲殻狼こうかくろうって言う魔物がわんさか出ているのよ、それの討伐とかできないかな?、お給金は弾むよ~、大丈夫、支給品で逃げ玉って言う転移魔道具も渡すからリスクは低いし、怪我しても君のポーションならまず治るから!」


 依頼書を眺めた瞬間にその報酬が目に飛び込んできた、その額金貨5枚!銀貨にして5,000枚である、これをクリアすれば見事拠点購入ができる


「どうする、エミリ」

「やっちゃいましょう!!!兄貴!」


 こうして俺達は新たな依頼を引き受けた、外に出ると少し風が肌寒い、早く冬までに拠点を買わなければと少し焦りを抱いたのであった。


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