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異世界での時限旅行~ただの植物好きが突如異世界に行ったら!~  作者: ちくわ七福神
2章 異世界での楽しい生活
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異世界での狼退治

甲殻狼(こうかくろ討伐に西に数キロ進む、甲殻狼とはどんなに恐ろしい魔物なのかと胸をドキドキさせている、相変わらずこの世界の外は自然溢れていて空気が綺麗、この時期は紅葉が始まり森なども色が変わり非常に美しい、それと同時に俺の植物ライフもしばしの別れ、まあ採取した植物の乾燥状態の観察などはできるが、やはりフレッシュな植物に出会えなくなるのは心苦しい


 道中森に近づくと分かった、森の紅葉は赤や黄色だけではなく、薄っすらと黄金色に輝いている葉っぱもある、森のなかに入ったならば少し採集していきたいものだ、


「銑次は森見てる時本当に楽しそうだよね~」

 

 御者台から少し気だるそうな声が聞こえてきた、エミリである、彼女には馬車の操作をいつも任せているため彼女も慣れてきたのか最初の頃より安定した動きだ


「綺麗じゃないか?、紅葉は植物好き云々じゃなく綺麗なものだと思うんだが」

「う~ん、確かに好きな人は多いみたいだね、この時期は魔物も少ない知ってお年寄りがよく森に入って風景を楽しむみたいだよ、だから飽きが一番魔物による死亡率が高いんだ」


 随分と皮肉の聞いた話である、魔物が少ないから油断をして魔物に殺される、あまりにもひどい話だ、、、あちらの世界とは違いこの世界では紅葉狩りも命がけのようだ


「いや~、グセンさんの干し肉は格別だね~、美味しい」

 

 この世界の旅のお供は干し肉である、長期保存ができるため小さめのツボなんかに入れて持ち運ぶ、言わばおやつだ、また干し肉の味付けは商人が行うことが多く、好みの干し肉を多くの冒険者は持っていて必ず同じん場所から買うことが冒険者の特徴だ、無論俺もお得意様の干し肉を買っている、、、金髪お姉さんの商人だ


「しっかし、干し肉もいよいよ飽きるよな、もっとバリエーションあっても良い気がするんだが」

「そういうのは銑次の十八番でしょ~、なにか考えてよ~」


 そんなことを話していると目の前から悲鳴が聞こえてきた、その悲鳴はあまりにも悲痛なもので、遠くには逃げ惑う人影が見えた


「ぎやあああああああああああ、助けてええええええええええええ」


 逃げ惑っているのは赤いとんがり帽子の少女、髪の毛は三つ編み、、、小学生かと思う感じの背丈、目に涙を浮かべてこちらの方に走ってきた、彼女の後ろには以前森のなかでスライムが殺した狼、、、もしかして甲殻狼ってあれのことなのであろうか、、、


「そこの方!!!助けてくだしゃい!!!!!!お願いじゃ!!!!」


 あまりにも可哀想なので助けたいのだが俺の戦闘能力は皆無、エミリだって危険を犯したいとは思わない、、、どうしたものか


「魔法使いだろ?魔法使えないのか!!」

「私は大魔法使いなんじゃ!、詠唱が長くて前衛がいないと魔法なんて唱えられぬ!!!!」


 大魔法使い、凄い魔法使いではなく【大規模魔法使い】の略称、詠唱に時間の掛かる強力な魔法を専門とする職業、この世界の職業で唯一スライムに決定打を与えられるとされる職業でもある


「はぁ、どうするエミリ」

「魔法使いは仲間にいてもいいと思うし、見捨てるのも可哀想だから助けよう」


 そう言うと俺は背中のマントスライムにポーションをぶっかけた、するとスライムは触手のように形を替えてオオカミたちの顔に張り付いた、いっぺんに9体死んだ、我ら最強の戦力スライム様の前には狼風情は勝負にならなかった


「何んなのじゃ!?そのマントは!!」

「内緒だ、ところで何やってたんだいったい、、、」


 三つ編みでおじいさん言葉の魔法少女は俺の近くまで来て膝を付いた


「この奥の街に向かっていたら、、、周囲の仲間とはぐれてしまってのう、、、しかも財布も預けていたのじゃ、、、どうしたら良いんのかのう、、、」


 あ、こいつ馬鹿だ、要するにこいつ素寒貧だ、こいつ詐欺に引っかかったんだ、、、、財布をこの文明レベルのやつに預けるとかアホ過ぎる、はぐれたんじゃなくておそらくは盗られたのであろう


「はぁ、、、お前本当に魔法使えるのか?」

「うむ!!、使える魔法は雷撃式の魔法のうち大規模魔法じゃ!、魔法の腕は、、、中の上ていどじゃが」


 実のところスライム先生がいれば戦力は困らない、しかし、もしスライム先生で人出が足りなくなれば?、エミリは強いが近接戦はリスクが高い、俺の紅紅べにくれない催涙攻撃もたかが知れている、ここで戦力補充はしておきたかった、、、


「エミリ、どうする」

「どうするもこうも、大魔法使いなんて仲間にできる機会は早々無いし、今しかないでしょ」


 エミリと俺は考えていることは一緒、こいつを仲間に引き込みたかった、現在状況でも戦力は十分であったが、慎重さは大事だ、お互いにリスクの回避を重点においているがために仲間が後少し欲しいと思っていた


「どうだ?、無一文の素寒貧少女、俺達とパーティーを組んで見ないか?」

「良いのか!?、わしは今困っていたところなのじゃ!!、お願いしたいのじゃ!」

「名前はなんだ?、俺は銑次、青髪の連れはエミリだ!」

「わしはライエンと申す!」


 自己紹介が終わって正面を見ると甲殻狼が増えている、仲間を殺さたためさらに数を増やしたのであろう、集団で行動する狼らしい行動だ、


「じゃあライエン!、早速だが詠唱を開始しろ!、時間は稼ぐ!」


 別にスライム先生で事足りるが数が多すぎる、時間を掛けるのは気が向かないため早速魔法を頼むことにした


 スライムは形を刃のようにすると甲殻狼達を真っ二つにし始めた、スライムの戦闘方法ではないと思いながら眺めている、一方ライエンの周りは黄色に輝き始めた、てか浮いてる、ライエンは少し浮いていた、何というかそれっぽい、凄く魔法使いっぽかった


《グルアアアアアアアア》


 スライムの攻撃をすり抜けて俺の元へ狼が来た、牙は鋭く、大きな口を開けて俺に飛びかかってくる、あ、やばい、懐中時計も今からじゃ間に合わない、あ


「やっべ、死んだか」



 俺が一言漏らすと、エミリに拳は甲殻狼の首元に届いていた、流石というかなんというか、、、


《ガン!!!》

「ありがとうエミリ、本気で死んだかと思った、、、」

「なあに、あんたは戦闘タイプじゃないんだから、お互い様でしょ」

「詠唱完了するのじゃ!、青いあれ引っ込めるのじゃ!」

「了解!、戻ってこい!!」


 詠唱が終わったらしくスライムを俺の元まで戻した、スライムが背中にいるとやはり凄い安心感だ、、、


「雷炎回廊!」


 ライエンが魔法名を言うと、まるで炎のように雷が周辺の敵を蹂躙した、その速度と範囲は物凄いものであり、スライムすら倒すとは納得の威力であった


「ふう、お疲れじゃ!」

「「おつかれさま」」


 かくして俺達の討伐依頼は何とか無事終了した、馬車には大量の甲殻狼の角を積んで街に戻る、そしてまたもや俺達に仲間が増えた、さあて、、、拠点を買うまでの間は床で寝るか!!、俺は早く拠点を買おうとこの時強く心に思った。

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