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俺、裏ボスになろうと思います  作者: 現実逃亡者
第二章:10歳in学校 withサラ救出作戦
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幕間:『ミルディンに関しての考察と解明,Ⅳ』

『ミルディンに関しての考察と解明,Ⅳ 著者:ベガ・ヴェール』



※こちらは、研究者ベガの自己考察となります。考察であり、事実ではない事を御理解願います。



――――――――――――――――――




早くも、四冊目となった考察本を手に取ってくれた事に感謝しよう。

早速だが、まずは謝罪から。『ミルディンに関しての考察と解明,Ⅲ』にて、著書した“ミルディンの特殊能力”についての考えは、矛盾点が多く、また事実無根である事が判明した為、謝罪させて頂く。

数々の混乱と誤りを生じさせた事、誠に申し訳なかった。


それでは、切り替えて行こう。


まず、今回この四冊目の本には、とある“協力者”が存在する。

この“協力者”は、私の実験や研究に深く携わり、また多大な貢献をしてくれた事を評して、“友人”と表記するのが相応しいと判断する。


この“友人”は、はっきり言うと、“ミルディン人”である。


信じようが、信じまいが結構であるはあるが、数年前に市場に【ミルディンの髪の毛がオークションに出品された】という事実に基づいて、信じて頂きたい。


“友人”はこれから多く表記していく為、“友人”改め、ミルディンであるので【エンド】と表記させて頂く。



エンドは、私の研究に置いて、至極真面目に貢献してくれた友人である。

私よりも大分年下ではあるが、その冷静な判断力と分析力は計り知れない。ある種、これがミルディンの力かと勘繰ったくらいである。

そんなエンドと共に私が進めた研究・考察の結果を表明しよう。




―――ミルディンの歴史―――



まず、【ミルディンの歴史】から始めよう。

【ミルディンの歴史】に関しては、『ミルディンに関しての考察と解明,Ⅰ』で書き連ねたが、今回は新たな事柄も含めて行う。


人類が誕生したのは、およそ8億年程前だと言われている。その際、森の魔力の影響によって生まれた種族・エルフ族や、獣の魔力によって生まれた種族が獣族と言われている。この時は、未だ魔力がないと判断されている。

魔術に関わるものが生まれたのは、それから、約2億年程経ってからである。

発端は、エルフの生活様式である。生来、エルフの寿命は非常に長いとされており、それを解明すべく知恵を付けた人族は調査を行った。すると、エルフは火の玉などを生み出し、それを火力として様々な生活を行っていたのだ。

つまり、魔術が生まれた年は、エルフが魔術を使い始めたのと同時期だと考えられている。


魔力によって、種族に影響を及ぼす。それは、魔族にも言えた。

魔族もまた、地域の魔力の影響によって生まれたと言われている。だがしかし、魔族が生まれたのは人族達が過ごす土地から離れた土地。その為、互いの存在を知らなかったと伝えられているのだ。


まとめると、人族と亜人(エルフ族・獣族・魔族)はほぼ同時期に誕生したとされる。


残念ながら、竜人族に関しては古来から生活していたとまでは分かるが、その気性の荒さから、調査員が襲われかねないと判断し、断念した為、調査が出来ず仕舞いである。

(私の勝手な妄言ではあるが、竜人族は古くから【アダンの島国】から離れた島国において生活して居た為、人族や亜人と同時期、または更に古くから誕生したのではと考えている)



そして、ミルディン族の誕生なのだが……こちらも人族や亜人から離れた孤島(竜人族と同じ島国と思われる)で過ごしていた為か、文献が非常に少なく、誕生は約5000年前~1億年前と、酷く大まかである。

だが、種族の中で真新しい種族であることは確かだ。

出生に関しては謎に包まれており、現在も研究員や魔術師が長年かけて調査している。実際、私もそうだ。読者の方々なら既に理解しているだろうが、私は【異端者】とも言える【魔女信仰者】である。しかし、それに私は恥も何も感じていない。畏怖すべき存在が魔女であった。ただそれだけの話である。


話を戻そう。そんなミルディン族は未だ謎めいた種族であることを前提に話を進める。




―――ミルディンの特徴―――



ミルディンの特徴。いわば、容姿や魔力量など幅広いが、大きくミルディンだと把握出来る特徴から述べよう。

今時の少年少女は、ミルディン族をおとぎ話だとしか把握していない事が多いだろう。その為、ちゃんとした特徴はあまり知らないのではなかろうか。


まず、容姿に関して。容姿は銀髪と金色・銀色の目というのが、伝われているミルディンの特徴だろう。


だが、実際は多々異なる。

【エンド】に出会って知ったが、【エンド】の母は確かに銀髪だったそうだ。だが、父親は銀髪ではなく、白金色(プラチナ・ブロンド)らしい。

話を詳しく聞くと、基本ミルディン族とは銀髪が多いが、淡い色の髪も存在するそうだ。それこそ、水の様な透明感を持った白髪も、どんな花よりも芳しい薄紅色も、森の精霊と表現するに相応しい緑色も。

淡く、薄い色。そのような髪の色なら存在する。


金色・銀色の目に関しては、まず間違いはない。

オレンジの色の目なら見た事あるが、【エンド】のような綺麗な金色の目は見た事なかった。



それでは、ミルディンの特徴についてまとめよう。(これは、ミルディンである【エンド】に聞いた事実に近い話である)


・銀髪(淡い色も含)であり、金色・銀色の目である。

・身長が低い?(※ただし、これは【エンド】の身長自体に問題があると推測される)

・髪を水に浸し、濡れた状態で満月の光を浴びると、星屑の様な輝きを見せる。

・魔力値が平均より高い。

・ミルディン特有の能力を持つ。主に、五感に関わる事だとか。

・運動神経も平均より高いらしい。



此処からは、昔の文献を(もと)に足してみた要素である。


(ドラゴン)に懐かれ易い。(竜人族のような、何らかのフェロモンを放出している可能性有)

・寿命がエルフ族並に長い。(【エンド】はまだ若い為、寿命の長さに関して判断出来ない)

・同種族同士でなければ、ミルディンは生まれない。つまり、ミルディンは確実に純血。(【エンド】曰く、遺伝子の形などのバランスが多種族と交わる事で崩れてしまうのでは、とのこと)



こうして見ると、ミルディンは謎めいた種族であることが明らかである。

優劣を表すとすれば、言うまでもなく優れた遺伝子を持っているのだろう、この種族は。

エルフの様に体力がないと言うわけでもなく、獣人のように魔力が低いわけでもない。優れた遺伝子しか持っていない。だからこそ、狙われてしまったのだろう。



特徴、と言えば、ミルディンは奴隷化される際、抵抗したのだろうか。

奴隷とされていた期間、魔族とは違い、ミルディンが何かと大きく抵抗したという事が文献には残っていない。

一部の研究員はこう考えた。



“ミルディンは無抵抗のまま、奴隷化された可能性がある”



何故か。それは、ミルディンが【人を傷つけた事がない環境に育って来たから】ではないかと考えられた。

確かにミルディンは【四大神】の【死神】によって、守られ続けた。その結果、人を傷つける環境に慣れていない―――言わば、戦争自体知らぬまま育って来たと言っても過言ではない。

平和な環境で育ち、戦争も罪も何も知らない。

だからこそ、奴隷化せんと来た人間たちにどう対抗すればいいか分からなかったのではないだろうか。

あくまで、私の考察でしかない、が。


ちなみに、【エンド】は“じゃあ、魔女はどうなるのさ”と反論していたわけだが。


魔女はまた別だろう。何せ、奴隷化された後に現れたのだから。人に対抗する術を持っていても可笑しくはない。

何度も言うが、これは私の考察であり、深く考えれば矛盾点も多々存在するだろう。其処は目を瞑って頂きたい。


兎も角、これがミルディンの特徴としてまとめさせて頂こう。




―――ミルディン関連―――



先程述べたように、ミルディンが奴隷化されたのは【死神】が死んだ(もしくは消息不明)になった後である。

つまり、それまで【死神】がミルディン人を守り続けていた事になる。


【死神】の存在。それを知る人は、現在は数少なくなりつつのではないだろうか。学校の教材でも【三大神】となり、【死神】の存在が記されていない場合が多い。


何故か。それは、【死神】が名前の通り、外道とも言える存在であったからだ。



エル・ミルディア・エンドロール



【死神】であり、ミルディンにとっては守り神と崇められた存在。

ミルディンを守る為に、数多くの人の命を奪い続けた稀代の魔術師であり、彼が生み出した魔術は数知れず。その強大な力は、想像する事すら出来ない。

ミルディンを奴隷にしようと来る国の使いを、何の躊躇いなく蹴散らし続け、恐らく彼一人で私達は赤子の手を捻る様に、いとも簡単に殺されてしまうのだろう。


だが、彼はある時姿を消した。


その為、一気に人族が国に押し入り、ミルディンを一人残らず捕まえて奴隷化した。

彼が居れば、未だミルディンは島国にて私達と干渉し合わず生き続けていたのかもしれない。


しかし、私は最近になって、ミルディンが滅んだ理由がもう一つあるのでは(・・・・・・・・・)と思い始めている。


【龍神】を御存知だろうか。【魔神】や【鬼神】とは違い、何処かの国にずっと滞在しているわけではなく、流浪の身として、フラリフラリと動いている。


実は、私はあるきっかけ(・・・・・・)から【龍神】が、ミルディン奴隷化に何らかの関与をしているのではと考えている。いや、奴隷化だけではない。滅亡にも関与しているのではと睨んでいる。


勿論、理由がある。

私が在住していた学園の、ある悲劇に関わって

















***
















「よせ、ヴィエラ」


私が走らせていたペンを大きな手で覆われ、物理的に押さえられた。


「……何をする、ベル。見ろ、インクで汚くなってしまっただろうが」

「ヴィエラ」

「書かなくちゃいけないんだ。伝えなくちゃいけないんだ。私が出来るのはそれだけなんだ。分かってくれるだろう、ベル」

「ヴィエラ」

「学生の時だってそうだっただろう?私は人より記憶力と順応力が高いだけで、優等生と言うレッテルを貼られ続けた。だが、こういう時、私は何も出来ない。為す術がない。これしか、これしかないんだ」

「ヴィエラ!!」


張り上げられた声は、いつも私を叱責する時の怒鳴り声とは違い、何処か悲痛籠った声だった。

ふと、ゆらゆら揺れる机上に乗ったランプの灯を見る。それと交互に、正面にある窓を覗くと、いつの間にか日が落ちていた。


―――私は今、どれだけ酷い顔をしているのだろうか。


そっと、いつも私に怒ってくれる優しい人を見上げた。

……何て、酷い顔だろう。(くま)が出来ており、尚且つ悲しみで歪んだ顔をしていた。可哀想なものを見るような、或いは自責の念に駆られているような、そんな感情が含まれた顔。


「……ベル、私は、どうすれば良かった?」

「…………それは……」

「どうすれば良かったんだ?あの時(・・・)、私はあの子(・・・)に何をしてあげられた?」


優しい子だった。

無邪気に笑顔を浮かべ、友人と共にいつも楽しそうに生きていた子。


いつも通りの日常だった。いつも通りの日々が過ぎて行った。


あの子の笑顔が、何度も何度も瞼の裏側に再生される。

優しく、賢い、あの子が。




どうして、どうして?




「…………どう、して……」




未だ、この問いに答えてくれる者は居ない。


いや、或いはあの子(・・・)ならば、答えてくれたのだろう。



呆然とした私の呟きに、ベルは眉を動かした。そして、そっと優しく抱き締めてくれた。

温かい。だけど、その温もりは、今の私にはよく分からなかった。



頬を伝う涙は、私のものか、彼のものなのか。








あの頃の幸せを、私は今も、追い求め続けている。












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