第18話:俺、逃げ出しました
あらすじ:試験中に貶され激おこしたティルフィーネは自らの種族を晒して、そのまま逃げだしたようですよ
長くなりました。もう少し短くまとめられるよう頑張ります。
広々とした草地は、晴天の空と映える。その地にて、寝転がっている俺は何て贅沢なのだろうか。
素晴らしい景色。此処は特に高台のせいか、国を見渡せるのだ。
よく目を凝らすと、薄ら地平線まで見えてくる。此処は素敵な観光名所となるだろうな。
―――大魔帝王様の城の敷地内ですけどね。
あー……澄んだ良い空気だ。魔帝国と禍々しい雰囲気で言われている島国とは思えんな。
ゴロゴロと寝転がりながら、悠々自適に過ごす。
空を見上げると黒いサウロン城が視界に入る。大きく迫力のある城だな、いつ見ても。
……
「死にたい……」
俺の現在の本音である。死にてえ。
何なの?俺ったら。馬鹿なの?阿呆なの?死ぬの?
え?試験会場で?色々馬鹿にされたからって?ミルディン晒す?普通晒す?学校生活では隠し通すのは無理だって分かり切ってたけど、まだ合否判定されてないのに晒す馬鹿何処に居るの。此処に居ます。
顔は仮面で隠しているものの、凄い恥ずかしい。多分今は情けなさと恥ずかしさで顔から火が噴き出そうなくらい真っ赤だ。
あの後、何があったか。
俺はリーフの腕を掴んで、会場を後にした。リーフが何か言う前に足早に立ち去った。
校門ではレアヴロードが既に待機していた。リリアは未だ終わってなかったようだ。
……そしてすぐにレアヴロードにリーフを押し付けて、俺は人混みの中に入って行った。
とどのつまりは、逃げたのだ。俺は。
人混みをかき分けて、人通りの少ない路地裏に逃げ込む。そして、転移して魔帝国に来てゼロコスチュームに変えて、現在に至る。
その場からも、現実からも逃げ出した。
……。
「死にたい……」
「ゼロッ此処に……死にッ!?」
―――ああ、俺は何をしているんだか。
短気は損気。それを心にしっかり刻み付けて来たじゃないか。確かに親を馬鹿にされた。それは俺を怒らせるのに十分な出来事だった。
しかし、あんな生意気な子供が言うようなしょぼい悪口に、俺はこうもあっさり切れたのだ。何と情けない。
だが、親を馬鹿にしたのは、俺にとっては万死に値する。生きてて良かったな……オッサン。
寝転がりながら、俺は一人反省会を行う。ああ、寂しい。切ない。
リーフ、リリア、あと誰だっけ……聖女愛好家か。ごめんよ、こんな俺で。
「ぜ、ゼロ!死にたいのかっ!?何で!?どうして!?」
「……落ち着いて下さい、アディ。勝手な戯言です。御気になさらず」
「で、でも!し……死に……!」
「独り言です。御安心を」
「おおおおおオルフェスト様アアアアアアアアア!!!!」
「だから……ああ、もういいや……」
面倒臭ぇな、此奴。
はねっ毛のある赤髪を風になびかせながら、青年―――アディは涙目で俺の肩を掴んで揺らす。やめろ、酔うだろ。これ以上酔ったらマジで吐く。
彼は、アディス―――愛称で「アディ」と呼ばれている。俺が魔帝国に来て、サウロン城に侵入した時に真っ先に攻撃を仕掛けてきた青年だ。
図書館で勉強会の最中、勇者の事もあってか、暇を見つけては魔帝国に来ていたんだが、その度にアディは突っかかって来た。
最初の内は、俺が人族って事もあってか、敵意どころか殺意丸出しで俺に突っ込んで来て、その度に禁句ワード「チビ」を連呼して居た為、俺にぶっ飛ばされていた。
だが、俺に敵意も殺意も何もないと分かると、少しずつ俺に話しかけたり、普通に接してくるようになった。
それは、俺が普通に魔族とも話してたりするのもあるが、普通に『魔人語』を話していたのもある。
あ、魔帝国に来てアディと出会ってからは、ずっと『魔人語』である。今更ですね、はい。
今となっては、「強くなりたいから、稽古つけてくれないか」と頼むほど懐いた。此奴、ちょろい。
無論、断る理由もなく、オルフェストが不在の時は稽古つけてあげた……とは言うものの、彼には言葉で教える鍛錬よりも、直接体に叩き込んだ方が飲み込み易いらしい。
その為、俺はどちらかと言えば魔術師であり、槍術は使わない。そんなわけで、対魔術師の戦闘のイメージトレーニングとして稽古つけている。
つまり、魔術師にはどう攻撃を仕掛ければいいか。そんな鍛錬である。
彼は素直で意外と純粋だからなぁ……冗談言ったら、「マジで!?」とあっさり信じた時は焦った。
そんなアディにガクガクと揺さぶられている。仮面取れちゃう。フード脱げちゃう。
「あああああああアディいいいいいいいいいおおおおおお落ちつききききききき」
「ゼロ―――――――――――!!」
「……煩い」
「ぎゃうん!!」
さっきまで吐くほど揺れていたのだが、突如ぴたりと止まる。いや、未だ頭がぐらぐらと揺れている感覚だけど。
そんな揺さぶりやがっていらっしゃったアディが遠くに吹っ飛んでいくのが見える。
男の巨体……つっても身長だけが育ったような男を一蹴りでぶっ飛ばすとは……恐ろしや。
アディはかなり吹っ飛んだようで、土煙を立てながら倒れている。何かヤ●チャみたい。
パンパンと手を叩き、やれやれと言った雰囲気でアディを見つめる女性。彼女こそがアディに強烈な一蹴りを浴びせた素晴らしき美脚の持ち主である。
僅かに薄紅が含まれた白いウェーブの髪と大きな黒い角。少し浅黒い肌。赤い目は大きくも少し鋭さがある。その顔立ちは整っている―――いや、美少女と言っても過言ではない端麗なものだった。
何よりも彼女の魅力はそれだけではない。
布地面積の少ない服は女王様のような雰囲気を纏わせ、太腿まである長い編み込みのブーツ。しかもヒールが高い。ピンヒールである。
黒と薄紅を基調としている色気たっぷりの服装。胸も大きい為、ビキニのような服ははち切れないのか心配である。
初めて見た時は、我が目を疑い、その後荒ぶる男としての野心を抑え込み、そして思うのだ。
―――えっ……サキュバス?
そう、夢魔。そんな服装だが、彼女は夢魔ではないし、何よりも鞭を持って人をいたぶる趣味もないらしい。何故にそんな格好してんだ、あんた。
そんな彼女の名はベーゼ。
大魔帝王であるオルフェストの秘書のような立ち位置にあるらしい。
勿論、彼女も俺が人族だと知った時は警戒心剥き出しだったし、俺がオルフェストに会おうもんなら全力で足技を駆使して止めようとした。
……まぁ、俺に敵対心も殺意も何もなければ、意外とあっけらかんと受け入れたけど。
順応力が高いと思っていたら、普段の彼女は真面目でしっかりしていて驚いた。ごめん、マジで何でそんな格好してんだ?
「アディは落ち着きがないので困ったものです。して、ゼロはオルフェスト様に?」
「いえ、別に」
「……まさか、何となく来たわけではないでしょう?」
「何となくです」
「……」
「……」
あ、やばい。怒ってる。大きな赤目が見開かれて、「はぁ?」って顔してる。
「……仮にも、此処は、大魔帝王様の住まう城の敷地内ですよ?」
「仮にも何も事実じゃないですかーヤダー」
「やだも何もありません!!貴方はどうして……!」
おい怒るな、乳が揺れてるぞ。
しっかし、別に本当に何も用事が無いんだよなあ……。
あ、そうだ。
俺は重い腰を起こして、城に目を向ける。
「やっぱり用事があります。オルフェスト様何処ですか。会いに行きます」
「は!?ちょ、ちょっと……!オルフェスト様にも都合がありますし…!」
「勝手に書庫借りますよ」
「はぁ!?え、え、ま、待って下さい!ぜ、ゼロ!待って!!」
思い立ったら即行動。俺は狼狽えるベーゼとぶっ倒れるアディを置いて、城内へと何の躊躇いもなく入り込んだ。
***
「まさか儂にも声かけずに書庫に籠るとはな」
「あ、オルフェスト様。お邪魔しております」
「……はぁ、もういいか……」
何故か諦めたらしきオルフェストを置いといて、俺は古びた本を読み漁る。
サウロン城の書庫。埃と古い木材の匂いが充満する部屋は、蜘蛛の巣やら埃やら、汚れているだけでなく、尚且つ古い。ギシギシ言ってるもん、床。
この書庫は、本が沢山あり、本棚にも隙間なく詰められているのだが、まるで関係ないように本棚の上や床に積み重なっている本達。しかも埃被ってる。
俺は背表紙すら曖昧な古びた本を一冊一冊適当に選んで読んでいるが……まるで収穫が無い。
「はぁ……手当たり次第じゃ何も掴めませんね」
「まあな。『勇者召喚』の文献がアダンの島国にも僅かにしか存在しないのだから、こちらには余計存在せんだろうな」
「う~ん……オルフェスト様は何か思い出しましたか?」
「あぁ」
「そうですk……思い出したんすか!?!?」
「だから、お主を探していたと言うに」
何という事だ。『勇者召喚』という単語を知り、慌ててオルフェストに会いに行って尋ねた時は、頭を抱えて「……どうだったかな」と曖昧な返事でぼかしていたというのに。
まさかやっと思い出したとは。何日要したアンタ。
焦りながらも本を僅かな隙間しかない本棚に無理矢理詰め込んで、オルフェストの話を聞くべく庭園へ向かう。
何か最近俺との茶会が好きらしい。お茶飲めないっつーのに、こちとら。
~
庭園では、アディとベーゼも居た。どうやら、ベーゼはぶっ倒れたアディをずっと起こそうと励んでいたらしい。
そんな二人を無視するかの如く、庭園にある椅子に座り込むオルフェストの向かいの椅子に座った。
「まず、何から話そうか。初めて勇者に会った時かな?」
「そうですね……黒髪黒目なんでしょう?」
「そうなんだが……何と言うか、異様だったな。全身黒くて」
「……全身?」
「あぁ……その、彼奴曰く『ガクラン』?という物らしいが」
学ランですね、分かります。完全に日本人ですね、はい。
「……ええと、彼は何故来たのでしょうか」
「む?国から『魔族を皆殺しにしてくれ。滅ぼしてくれ』と頼まれたのを拒否したら、魔帝国に島流しされたと」
「……」
ドクズか、人族。
「奴に会った時は、それはもう皆が皆殺そうと武器を持って襲おうとしたが、あちらが何の殺意も敵意も無いようだったから、正直戸惑った。何か、全て諦めているというか、どうにでもしてくれと言わんばかりの目だったしな」
少し伏し目がちにオルフェストは告げる。ごめんなさい、人族クズで。
「それで理由を聞き、もし魔族に何の敵意もないのだったら住んでもいいと許可した。彼奴が異世界人なのはすぐに理解出来たしな……異様な見目で異様な服装だったから」
「寛大ですね」
「彼奴も言っていた……『心が広い人で助かる』と。名を聞いたら『ユート・リンドウ』と言うらしい。案外落ち着いていたし、勇者と選ばれただけあって力も強い。おまけに、魔族に対して何の嫌悪感も抱かないし、差別もしない。良い奴だった」
「……彼は、どうなったんですか?」
「……」
遠い目をしながら話すもんだから、つい話の核心とも言える部分に触れてしまった。
少しオルフェストは躊躇った後、ゆっくり口を開く。
「……戦死した」
「……え?」
「戦死した。突如攻めて来た人族との戦いの最中、魔族の子を救うべく流れ矢に当たり……死んだ」
少し眉が下がったのが分かる。鋭い眼光だが、悲しい目をしているのも分かる。
彼は勇者だった。だが、戦いを、魔族を滅ぼすのを拒んだ為に、魔帝国に来た。魔族の皆と仲良くなれた。だが、戦場で死んだ。
……勇者としての任が解かされたというのに、これはどういう皮肉だろうか。
戦いを拒んだにも関わらず、戦場で死ぬ。彼にとっては、願わなかった最期だろう。
「……彼奴は、元の世界に帰りたがった。その為、独自に研究していたが、限界を察し……この世界に永住する事が余儀なくされた。だが、彼奴は幸せそうだった。魔族と結婚し、子まで生したのだ。これ以上にない本望だったと言えよう」
「……そうですか」
思わず暗い沈黙が流れる。だが、オルフェストはその流れを切るかのように、口を開いた。
「これで、最初の勇者―――ユートの話は終わりだ」
一瞬耳を疑い、その疑問をぶつけた。
「……最初?まだ居るんですか?」
「まだ居る。と、言っても……ユート含めて二人だけだが」
オルフェストは頬杖をつきながら、一息吐いて告げる。
マジか……まだ居るのか……こんなにシリアスな展開なのにまだ続くのか……オラ、もう駄目だ。助けてけろ。これ以上はマジで人族滅ぼしちゃう。
「聞くか?」
「最初に聞きます。黒目黒髪ですか?」
「黒目だったが……若干茶色帯びてた髪だったらしい。まぁ、ほぼ黒髪だと」
はい、日本人です。ジャパニーズです。まさか、日本人の少子高齢化の波は異世界召喚が関係してるんじゃあるめえな。
「女子だった。実際、勇者らしく剣を持って魔王の所まで来たらしい」
「……おおっふ……」
随分アグレッシブでデンジャラスな女子が来たもんだ。この子は承諾したのかな?魔族滅ぼすの。まあ、元の世界に戻れますって言われたら承諾しそうだが。
「……彼女の場合、儂自身が見たわけではないから、あまり深くは分からんが……何と言うか、人族滅ぼしたい」
「要約し過ぎて訳分かりません」
「直にお主も滅ぼしたくなる」
「マジすか」
俺、一応人族ですけど。
オルフェスト自身見たわけでなく、魔王から聞いた話なので曖昧な部分はあるとの事だ。大体でいいのよ、大体で。
「最初に言おう。彼女は利用されていた」
「は?」
「『隷属の首輪』という魔道具があるのだが、彼女はそれが着いていた。つまり、彼女は強制的に魔族を滅ぼす事を強いられたわけだ」
サラリと告げられた衝撃的事実に、開いた口が塞がらなくなった。
「彼女の意思関係なしに動かされるので、彼女の動きと表情が全く合っていない事に気づいた魔王が、その首輪を壊した。その結果、彼女は解放されたわけだが……」
「……どうしました?」
「その娘の遭って来た境遇はあまりに悲惨だった」
重々しく、その境遇を淡々と話し出す。
曰く、国は最初の勇者召喚で何とか言う事を聞いて貰うべく、奴隷用に使われる魔道具『隷属の首輪』を使い、彼女を奴隷化―――つまり、従うように強要した。
それから、彼女にとって地獄の始まりだった。
勇者としての鍛錬は無理矢理やらされ、生傷絶えない事が続く。挙句に、国の貴族達が夜な夜な彼女を求め、無理矢理犯される。それがほぼ毎日だったそうだ。
魔帝国に行った先も、泣きながら魔族を殺し続け、罪のない命を奪い続けた。
涙は枯れ、ただ死んだ目で魔族を殺す日々。そして、魔王に会い、死のうがどうでもよくなっていた。
だが、隷属の首輪が壊れ、やっと解放されたが、失ったものが多すぎた。
魔王は彼女を保護しようかと思っていたが、彼女は剣で自ら命を―――絶った。
それが、二人目の名も無き勇者の全てだった。
ハッキリ言おう。
「人族滅ぼしましょうか」
「落ち着け、まず落ち着け。魔力の乱れが半端ないぞ。落ち着け」
「すみません、取り乱しました。人族殺しましょう」
「まだ取り乱してるな、お主」
ムカつくじゃないか。何なんだ人族。異世界人を何だと思ってるんだ。
どうせ、ミルディンのように奴隷種族くらいにしか思ってないんだろうが、それでも最悪すぎるだろう。余計人族嫌いそうだ。何か、何か長所を……アカン、いざとなったら何も思いつかん。詰んだ。
俺がウンウン悩んでいる様子を見て、オルフェストは少しだけ表情を緩ませた。
「お主は本当に―――変わった奴だ。其処まで同族を嫌悪するか」
「そりゃやっていい事と悪い事があるでしょうよ」
「……しかし、儂らもやり返して来た。それこそ、目を瞑って良いものではない」
何処か申し訳なさそうな、でも頭を下げる気はなさそうな雰囲気。やっぱり何処か好い人だよな。
でも、そう言われると、何故か俺は人族を嫌うな……同族嫌悪ってやつだろうか。無性に腹立つのだ。まぁ間近で見て来たからな、人族ってやつは。
そんな俺を見て、話しの軌道を変えようとしているのか、オルフェストは「それはさておき」と言い、話し始める。
「恐らく、勇者召喚は今後行われる確率が低いと思うが」
「おや、何故に」
「お主の話が本当ならば、ミルディンが滅んだ今、魔力の糧を失っているからな。召喚するにも出来まい」
「あぁー……」
そう。勇者召喚の犠牲となったのは、エルフと同等かそれ以上の魔力を持つミルディン人なのだ。ミルディンを何人も犠牲にして魔力を蓄え、召喚する―――だが、そのミルディンが居ない今なら召喚なんてし難いだろう。
エルフを使うという方法もあるが……如何せん、エルフの人種差別は稀だ。それこそ、ドゥアリンくらいにしかないんじゃないだろうか。あそこは亜人差別が大きいらしいからな。
と、なると……もう勇者召喚は出来ないのかな?
「それはそれで安泰ですね」
「まあな。これが続けばいいんだが……」
フラグ建てるのやめて下さい。
***
その後、軽い世間話をして俺は戻って来た。何処にって?エルロンドに。
……ぶっちゃけ、行く気しねえ。逃げたい。穴があったら入りたい。つか、全部埋めたい。全てを埋めたい。
重い足取りで俺は少しずつ少しずつ、石畳の街路を歩んで行く。
入学試験が終わったせいか、通る人も朝ほど多くはなかった。お蔭でスムーズに移動出来てるが……おうちかえりたい。
「……ティナ!!」
「うぉおう!?」
背後から声がしたと思い、振り返ったと同時に―――緑髪の少年が眼前まで来ていて、そのまま抱き着かれた。此奴、抱き着くの好きだな。別にいいけど、身長差がね……。
「……リーフ、その、」
「安心してね!!学外に漏れないって!!」
「……何が?」
嬉々とした満面の笑みでリーフは俺に告げるが、主語がない。主語が。
「安心しなさい!れ、れあ……ええと、れあろーど?が何とかしてくれたもの」
「レアヴロードだ。御安心下さい、事情は聴きました。さぞ、御辛かったでしょう。学園長には私から頼んでおきましたので、種族に関しての情報が漏れる事はないでしょう」
「あ……」
ま、まさか此奴等……俺の為に……!?あと、リリア。レアヴロードとは一ヶ月近く一緒に滞在してたんだから、いい加減覚えなさい。
「良かったね!ティナ!」
「……」
責めないのだろうか。優しいのか、甘いのか。
……まぁ、嬉しいのは否定しないけどさ。いや、嬉しいよ。嬉しい。ただ素直になれないだけだ。べ、別に友達の大切さを実感したわけじゃないんだからねっ!
「何か問題が起こりましたら、『ベテルギウス』という男性教員を御頼り下さい。彼は信用出来ます」
「あ、どうも」
いや、やっぱり過保護なんだな、うん。
何はともあれ、俺の種族バレ問題は解決?したみたいだ。
いやはや、良かった良かった。俺何もしてないけど。
読んで頂き有難う御座いました。
次回『俺、合否発表に緊張します』
今はまだいいですが、いつかネタ切れになってスランプに陥る事を想像したら恐ろしくて最近9時間も寝ています。




