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クラス全員異世界無双  作者: 家人
第1章 異世界召喚
9/24

情報交換

お待たせしました。

お久しぶりです。

目を開けると、部屋の中は真っ暗だった。窓から僅かに月明かりが漏れているが、曇っていてそれも弱々しい。


俺達がこの世界に召喚されてから一週間。まだ一週間では有るが、この風景にも慣れたなと思う。


目を凝らして腕時計の時間を見ると、時計の針は1時50分をさしている。A組の情報交換まで後10分だ。

ちゃんと時間通りに起きたな。どうやら、異世界に来ても俺の体内時計は狂っていない。


まあ、異世界でも1日の時間は恐らくほぼ24時間だし、時差?も無かったのだから、狂いようも無いのかも知れないが……。


ベッドから体を起こそうとすると、体中の筋肉が悲鳴を上げる。

俺は痛みに耐えつつ体を起こす。


午前は魔法の訓練、午後からは近接戦闘の訓練と、この一週間はずっと訓練の日々だった。



魔法の訓練の方は楽でいいのだが、近接格闘のダヴィドは本当に手加減を知らない。


そのせいで、体の節々が痛い。もうちょっと超能力による制限を緩めるべきかも知れないな。これではオーバーワークになってしまう。



夜には訓練からは解放されるので、俺を始めA組の面々は情報収集にあたり、夜中にその情報を交換している。


……今日は疲れていて俺は休んだがな。

A組には優秀なメンバーが多数いるのだ、1日位休んだところでバチは当たらないだろう。


まあいい、早速情報交換のために召喚の間に行くとしよう。



__________



「ひゃっっはあぁ! よう、双! ぐっすり寝れたか?」


召喚の間に着くと、猛が機嫌良さそうに近寄ってくる。いつも機嫌は良いが、よりハイテンションだ。


猛のテンションに戸惑うが、彼が近づいて来ると同時に酒の匂いが漂ってきた。

……どうやら彼は情報収集の為に酒場に行った様だ。断じて酒を楽しむ為に行ったのでは無いだろう。


「ああ、良く眠れたよ。ところでお前、酒臭いがどうしたんだ?」

「ん? 酒臭いか? 情報収集の為に酒場に行って来たんだよ。

いやぁ、本当に良い酒場だったぜ、看板娘の姉ちゃんがスゲー可愛いしよ。明日にでも行こうぜ!」


うん。完全に酔っぱらいのそれだ。


というか、猛のアルコールに対する強さからして、ここまで酔うのにも相当の量が必要なはずだが、どうやってそれだけの量を調達したんだ?


そう思っていると横から別の声が割り込んできた。九十九の声だ。


「猛はこれから酒場は禁止なのじゃ。あんなに冷や冷やするのは嫌なのじゃ。」

「何でだよ、九十九。今日だって無料で酒が飲めたんだから良いじゃねえか。」

「それが問題なのじゃ!お主が払えるというから任せておったら、まさか、知らないおじさんと酒代を賭けて飲み比べを始めるなんて。

負けたらどうするつもりだったのじゃ! あんなに目立つ事をして、帝国側にでもバレたらどうするつもりなのじゃ!」

「大丈夫だって。この国じゃあ、飲み比べの文化が有るからな、そう珍しいもんでもねぇ。

それに、おっさんから色々情報も聞けたし良いじゃねぇか。

それより、さっさと情報交換始めようぜ。」


そう言って、猛は皆がいる方へと戻って行く。

そちらを見ると既に全員揃っており、こちらを見て待っている。早く行こう。

司会の俺が居ないと始まる物も始まらないしな。


俺が皆の前に立ったのを確認したと同時に、もう一人の司会者、委員長の念動姫子が話し始める。


「それでは、今日の情報交換を始めますわ。では、何か新しい情報が手に入った人は挙手をお願いしますわ。」



そうして情報交換が始まった。

パラパラと手は挙がるもののその数は少ない。

毎日続けているのだから仕方の無いことなのかも知れないが、その情報量は初日の1割程でしかない。


中々情報を得られなくなって来ているのだ。


何と言っても、情報収集の時間が夜に限られると言うのがつらい。

この世界では、夜になればほとんどの施設が閉まってしまう。開いている施設など、酒場か売春宿くらいなものだ。


そういった所ならば、情報も多く集まりそうなものだが、実際のところそう上手くはいかない。


第一に年齢の問題。

この国の成人年齢は18歳なのだ。

俺達は高校2年生なので、成人に達している人はいない。

そして、この国では成人しなければ飲酒してはならないらしい。もちろん売春宿も成人してから。

戦争のために平然と俺たちを拉致するような国であるにも関わらず、そういった面に関しては厳しいものがあるな。


第二に金銭の問題。

転移させられたばかりの俺たちには勿論金銭などない。

働こうにもその時間はないし、伝手もない。

城のものを金に換えてもいいのだが、それにはばれた時のリスクが大きい。


第三に秘匿性の問題。

俺たちが裏で色々動いていることを帝国側にバレ無いようにしなければならない。

その為大きな行動に出られない。少しでも騒ぎを起こせばばれてしまうだろう。

もう少し大胆に動けるならば、上の二つについても問題なかったであろうが、帝国側についている情報組織が思った以上に優秀なのだ。


その情報組織の名前は「影」。

かなり巨大な情報組織であり、この国における様々な裏稼業を牛耳っている。

かなり優秀な情報組織のようで、俺達でもその全容は把握し切れていない。わかるのは下部組織や、末端のメンバー位なもので、上層部の素性はわからない。


ついでに言うと、俺の部屋の天井裏で監視していたのも「影」だ。今は俺の代わりに寝ている人形を見張っている。

彼は「影」でも末端だから仕方がないね。


「影」のせいで裏世界の住人達から情報を引き出すことはできないし、酒場なども彼らのテリトリーなので大きな動きは見せることができない。

それどころか、城の中での行動さえ制限されるのだからやってられない。


そんな感じで、情報収集については一進一退と言った状況が続いていたわけだ。

有力貴族の家などで地道に盗聴などはしていたが、いかんせん時間が短いうえ、聞きたい情報が聞ける訳でもないしな。



そんな状況に痺れを切らし、今日遂に酒場に潜入したわけだ。猛を見ていると本当にリスクを犯した介が有ったのか非常に心配だ。

というか、何故猛を向かわしたのか非常に謎だ。交渉事に長けた賽華など、他にもっと人がいただろうに…。



委員長が次々と挙手した者を当てていき、手を挙げているのは唯一人となってしまった。

勿論、残っているのは猛のみ。きっと委員長はショートケーキのイチゴを最後までとって置く派に違いない。


今まで出てきた情報は昨日までの補足ばかり、補強や追加情報、訂正などで大した物はなかった。


猛に期待だな。

まあ、数時間酒場に居ただけだから大した物では無い可能性は高いのだが……。


「それでは最後に、大和さん。お願いしますわ。」


「よっしゃあ、任せろ!

まあ、まずは、つまらん所からだろうな。今まで信憑性の低かった情報、特に現在のタリヤ帝国の外交状況についての補足から始めるか。…………」


そうやって次々と得た情報を公開していく猛。他の人同様ほとんどが補足ではあるが、比較的重要性の高い物や信憑性の低かった情報の裏付けが多い。これだけでもリスクを犯した価値がある。


「……と言うわけだ。前座はこのくらいで打ち止めだ。

さて、それじゃあメインディッシュへと進むとするか?」


基本、話を盛るタイプの猛では有るが、それにしても期待させる言い回しだ。余程大きな情報が入ったか?


「まあ、これは噂話程度の信憑性しか無い話では有るんだが、それを考慮した上で聞いてくれ。


俺達がこの世界に召喚された時に、アリーチェ姫が言っていた事を覚えてるか? 大昔に一度だけ勇者が召喚されたってやつだ。

端的に言やぁ、あれは嘘だ。

帝国は勇者召喚を何度も行っている。」

2週間も飛んでしまい申し訳ないです。

これからは少しペースを取り戻すと思うんでよろしくお願いします。


微妙に中途半端な終わり方ですが、今日のやる気はここまでしか持たんかった。


ついでに、感想等よろしく!

次の更新は月曜日以降です。なるべく月曜日に更新したいです。

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