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クラス全員異世界無双  作者: 家人
第1章 異世界召喚
7/24

班分け その2

やはり土日は投稿できんかったか…。

いつもより少し長くなっています。


魔法の基礎を教えると言うことで、場所を移す事になった。

移動してきた先はこじんまりとした講堂の様な場所。この人数なら余裕を持って座れる程度の広さである。


カテリーナが壇上に上がる。いつの間にか、眼鏡をかけ、白衣を着て、手には指し棒を持っている。

形から入るタイプだな。


「それじゃあ、説明を始めていきますよ。

最初は、魔法とは何ぞや?ってところからですね。

そうですねー。じゃあ、さっきお姫様と話していたそこの君! 魔法とは何だと思いますか?」


そう言って、俺を指してくるカテリーナ。いきなり当てられたな。俺は席から立って答える。


「そうですね。通常では起きないような奇跡を、魔力を使うことで強引に引き起こす、とかですか?」


「うーん。遠からずも近からずってところかな。

奇跡って言えば奇跡なんだろうけど、魔法ではその奇跡の内容が決まっているんだ。

魔法が出来ることは無から物質を生み出す事なんだよ。

正確に言うなら、魔力を物質にかえているんだけどね。」


なるほど、魔法は物質を作り出す力なのか。

俺の持っている異能群とは異なる新しい能力だな。今まで持ってた能力は物質に変化を与える物が多かったから、他の能力とも相性が良いかも知れないな。


「じゃあ、魔力って何なのかって話しだけど、それはまだ良く分かってないの。ただ一つ分かっていることが有って、全ての物質に魔力が含まれているって事なんだ。

勿論、あたし達人間にも含まれているよ。その、人に含まれる魔力の多さを表す物が基礎ステータスの[魔力量]なんだ。

人間が使える魔力は基本的に自分の中にある魔力だけだから、[魔力量]の多さがどれだけ魔法を使えるかの指標になるよ。」


しかし魔力か。

他の能力は全て同じエネルギー源を使う。その事を魔素と言っていたけど、魔力も同じものだといいんだが…。


そう考えていると、彼女はおもむろに白衣を脱ぎ、眼鏡を外し、指し棒を仕舞った。


「早く皆には魔法を使えるように成ってもらわないと行けないんだけど、その第一段目として、取り敢えず魔力を感じ取れる様になってもらいます。

今からあたしの中にある魔力を放出するから、何か変化が有ったと思ったら、手を挙げてね。」


そう言ってカテリーナは、何処から取り出したのか、黒い帽子とローブを羽織り杖を持つ。

教師から一気に魔法使いになったな。コスプレが好きなのだろうか?


彼女は着替え終わると、改めて俺達の方に向き直り、表情を今までの柔らかな表情から真面目な物へと変化させた。


その瞬間、彼女の方から凄まじい量の魔素(・・)が感じられた。


なんだこの魔素の量は……。これ程の魔素を感じたのは先生が本気を見せてくれた時位だ。

俺達A組でもこれ程の魔素、この場合は魔力?、を持っている奴は居なかった。それは、召喚されて技量が上がった俺達でも同じだろう。


見ればA組の中には、あまりの[魔力量]に気圧されたのか立ち上がって居る奴らもいる。

あいつらは、先生の本気を見たことが無い転入してまだ時間の浅い者達だ。


A組は特殊な天才達を集めているので、小さい頃から属しているものもいれば、最近(といっても、少なくも1年は経っているが)になって見つけられた者もいる。


そいつらからすれば、今まで感じた事の無い程の魔力量。一度味わった俺でも冷静に保つのがやっとなのだから仕方がないのかも知れない。


他のクラスの奴等はそもそも魔力を感じ取る事に慣れていないのか、何人か手が上がる程度だ。

そのさらに一部、聖野やステータスを隠していた連中だけが[魔力量]の大きさに呆然としている。



しばらくして、カテリーナが放出する魔力を抑える。一度仕切り直しの様だ。


「ふぅ。結構魔力を感じる事ができた人がいたみたい。その人達は自分の体の中に同じ物が有るから、それを探してみてね。

出来なかった人は何回か魔力を放出するから、あたしの方に神経を集中させてね。」


と言って彼女は再び魔力を放出し始めた。今度は魔力の放出に強弱をつけて、その変化を分かりやすい様にしている。

強弱の付け方もとても滑らかで魔力の扱いについても高いレベルに有る事が伺い知れる。


俺達が独立するにしても、彼女の存在は厄介だ。下手をすれば、彼女と戦って負ける奴も出てくるかも知れない。

俺達の能力も上がっているとはいえ、それを完全には把握出来ていない以上慎重に動く必要があるな。



そうやって魔力感知の練習を続けて、午前の訓練は終わった。結果、ほぼ全員が魔力を感じ取れるようになり、半分ほどが魔力を動かせる程までになった。

まあ、既にそこら辺が出来ている俺達は、暇で仕方がなかったが。結局あの後、魔法の説明の続きも無かったし。






昼飯を食べた後、再び召喚の間に集合する。

午後からは、班分けをした後、各班で顔合わせ兼訓練を行う筈だ。午前の様に退屈はしないで済むだろう。


いつもの様にアリーチェ姫が前に立って話し始めた。


「勇者様方、魔力感知訓練の成果はどうだったでしょうか?

聞いたところ、ほとんどの皆さんが魔力を感知することが出来たみたいですね。普通、そんなに早く魔力感知出来るものでも無いですよ。

なので、まだ感知出来ていない方も落ち込まず頑張って下さい。」


そう、前置きをしたところで、彼女は懐から紙を取り出して開く。


「今日の朝言った通り、午後からは班に分かれて訓練してもらいます。

その班を今から発表させて頂きます。…………」


順番に班を発表していくアリーチェ姫。どうやら6人一組のようだ。

それに伴って、呼ばれた生徒たちは前に出ていき、同じ班の6人ごとに集まっている。


A組も徐々に呼ばれている。俺の予想としては、ステータスがよくわかっていない厄介なA組は纏めておくかとも思ったが、そんなことはないようだ。

すでに、九十九や猛は呼ばれていて、別の班に入っている。



班分けがちょうど半分終わったかといった所で、遂に俺の名前が呼ばれた。


「……聖野さん、鳥巻(とりまき)さん、摂津さん、久世さん。以上が10班になります。」


ちょうど、聖野の名前が出てきたから注意して聞いていたら、どうやら彼と同じ班になってしまったようだ。確か、鳥巻は聖野としょっちゅうつるんでいる女子だった気がする。

賽華も同じ組だ。仲がいい奴と一緒に組めるのは正直ありがたいな。


とりあえず、前に出て行って同じ班の奴を探す。

見つけた時にはすでに他の5人はそろっている状態だった。近づいていくと賽華がしゃべりかけてくる。


「遅いで、双君。ちんたらしてんと早く来いな、みんな待っとんやで。

まあそれにしても、双君とおんなじ班で良かったわ。猛君も九十九ちゃんも先に呼ばれとるやろ? せやからあたし知らん人ばっかりと班組まなあかんのかな、と思っとってん。」

「俺もお前と同じ班で助かったわ。」


そういいつつ、俺は班の中に入っていく。そのタイミングを見計らって聖野が班のメンバーに向かって話しかける。


「さて、みんなそろったようだし、まずは自己紹介から始めようか。

じゃあ、僕から。僕の名前は聖野希望。みんな知っているとは思うけど、職業は大勇者だ。よろしくね。」

「私は鳥巻(あい)です。職業は勇者です。戦いとかまだよくわからないですけど、一緒にがんばりましょう。」

「…俺の名前は(かがみ)、以上だ。」


愛想が悪いな。というか、協調性が無いのか?

俺と言っているが、彼女は女だ。ステータスを把握されていないA組以外の数少ない人間の一人で、確か本名は鑑彩月(さつき)だった筈だ。徹底的な情報秘匿を行っているため、まだ何の情報も無い。

わかっているのは、スリーサイズとC組の生徒と言う事くらいか。


…なんでスリーサイズが分かってるかって? メイドのスリーサイズを調べた奴が以前調べていたからだ。

…確かに全体的にスレンダーな体つきだな。主にどことは言わないが。


それはいいとして。

彼女の愛想のなさに聖野が何か言いたげだが、今問い詰めたところでおそらく情報は得られないし、班の空気が悪くなるだけだ。次は俺の番だし、さっさと自己紹介して流してしまおう。


「俺の名前は久世双だ。職業は同じく勇者。まあ、よろしく頼む。」

「あたしの番やんね? あたしは摂津賽華っていうねん、よろしくね。職業は何かギャンブラーらしいわ。ギャンブラーってどうやって戦うんやろね? サイコロでも投げて戦うんかいな。

まあ、そういうわけやから仲良くしたってね。」

「え、えーと、僕は布妻忠二ふつまちゅうじだ。この世の混沌を払う聖なる祓魔師エクソシストだ。俺に仲間はいらん。必要以上に話しかけてくるな。」


…うむ。彼は仕方ない。にしても今日は飛ばしたな。

彼は極度のチキンハートといつまでも忘れない中二心を持った少年なのである。普段はチキンハート全開なのだが、異世界に来てタガが外れたのか、緊張を紛らわすためか中二が勝っているな。


勿論A組の一人で、本来の職業は妖怪ハンター。祓魔師(ふつまし)は非常に珍しい職業なので、ほとんど変えた意味が無い。完全に趣味だ。

彼はA組の中でもその経歴は浅く、まだ来てから2年経っていないのでは無いだろうか。

午前のカテリーナの[魔力量]に一番ビビッていたのもこいつだ。チキンハートだからね。



ここまで見てきたが、これは完全に厄介事を一つにまとめた形だな。

俺と賽華はステータスが分からないように動いた張本人だし、鑑はステータスを申告していない。布妻もステータス偽装の可能性がある。祓魔師なんて職業だし、カテリーナの魔力に驚いたのも見られていたはずだ。


異世界人の中心人物である聖野達を接待しつつ、他の要注意人物を見張るといったところだろう。

おそらく担当はアリーチェ姫や、カテリーナなど高い地位の者になるはずだ。

俺はそう予想しつつ、班に担当が来るのを待った。

















人が多すぎてごちゃごちゃするとか無いですか? 大丈夫ですかね?

早く主人公たちを戦わせたい。


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