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クラス全員異世界無双  作者: 家人
第2章 人鬼の森
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護衛 その3

明けましておめでとうございます!

そして、またまた、お久しぶりです。


待っていた方が居たかどうかは知りませんが、お待たせして申し訳ありません。


久しぶりですが、主人公視点ではなく、エドモンド視点です。

尾行者達を逃がした俺は、取り合えず聖野達の下へ戻る事にした。

そろそろゴブリンを倒し終えている頃だろうし、あまり彼らだけにさせるのも不味い。まだ彼らの実力では元々のこの森を行き来することさえ危険だというのに、今の異常な状態では尚更だった。


しかし、急ぎたいのは山々なのだが、帰り道は出来るだけ慎重を期さざるを得ない。

あの尾行者達が俺を始末しに戻って来るやも知れないからだ。


彼らにとって俺の存在は彼らの計画に紛れ込んだ異物。この森にいるというだけでも抹殺対象として認定されてもおかしくはない。

その異物が、自分達の存在を知ってしまい、自分達の脅威と成りうる戦力を有し、しかも冒険者ギルドの長という権力を持っている、となれば到底生きて帰す訳にはいかないだろう。


やはりあの尾行者達を逃がしてしまったのが失敗だ。あそこで殺すなり捕獲するなりしていれば、こう気を揉まずに済んだというのに…。


あれだけの腕を持つ彼らだ。不意を突かれて攻撃を許してしまえば、可能性としては殺される事もあるだろう。


だからこそ、周囲の状況を出来るだけ確認して慎重に進まなければならない。




………そう、判断したのが間違いだった。


感覚を研ぎ澄まして周囲の状況を探りながら進んでいると、不意に遠くの方で魔物が現れたのを捉えた。

それ自体問題ではなかった。今までゴブリンが現れる度に感じてきた感覚。場所も今まで散々ゴブリンが現れていたのと同じ場所。


しかし、唯一その魔物から感じられる強さだけが段違いだった。

今まで俺が戦った最強の魔物ドラゴンにも匹敵するほどの強さ。冒険者ギルドの定める魔物のランクわけ、恐らくその最上位であるSランクにも届くほどの力を感じる。


その魔物は真っ直ぐこちらへ向かってきている。

状況の悪い事にその丁度道筋に聖野達がいる。いや、むしろこの状況だからこそ魔物を召喚してきた可能性すらある。


慎重を期したのが裏目に出てしまった。多少の危険を覚悟で聖野達の所に戻っておけば良かった。

転移魔法で強力な魔物をこちらに送ってくる可能性を考えなかった訳じゃない。だが、尾行者達の作戦対象である聖野達にまで危害が及ぶ事はしてこないだろうと、その可能性を除外してしまっていた。

高をくくっていた。


現役を引退してから早5年。

戦闘力は去ることながら、危険の察知や勘と言った部分も大分衰えているらしい。

冒険者にとってそれが無いのは戦闘力以上に致命的。

実際、力ある冒険者がそれで死んで行ったのを幾度も見てきた。


「それで俺が死ぬのは仕方ない。だが、若い命を巻き込むのはあまりに言い訳が立たん。」


覚悟を決めると一層速度を上げて聖野達の下へ向かった。





「おい、お前達! 急ぐぞ!」


何とか魔物よりも先に聖野達にたどり着いた俺は、開口一番そう告げた。


「何があったんですか?」


俺の様子に戸惑いながらも、そこから並々ならぬ物を感じ取ったのか、素直に出発の準備をし出す聖野達。その準備をしながら聖野がそう訪ねてくる。


「とりあえず、走りながら話す。あまり時間が無い。」


俺は全員の準備が整ったのを確認してからそう告げた。今ここでゆっくりと話している時間は無い。

すでに件の魔物はそこまで迫っている。既に木をなぎ倒すような音と地響きが聞こえて来ている。




しばらく走って逃げ続けるが、魔物との距離は開かない。どころか少しずつその距離を詰められている。


このままではいつか追い付かれてしまうだろう。方やSランクの魔物、方や勇者とはいえその体力は一般人に毛が生えた程度。

俺の説明と後ろから迫る尋常じゃない音を聞いて危機的状況だと理解したのか、聖野達は必死に走っているがその速度は高が知れている。

特に、彼らの中で能力の低かった伊能はかなり限界が近い。


仕方がない、腹を括るか。

元はと言えば俺の責任だ。


「このままじゃ時期追い付かれてしまう。

お前たちはそのまま逃げ続けろ。俺はあいつを止めてくる。」

「しかし、それではエドモンドさんが!」


唯一余裕の見える聖野だけがそう声を返してくる。だが、その声には不安の色が多分に含まれている。

声にこそ出てはいないが鳥巻や伊能も同じ気持ちの様で心配そうにこちらを見ている。

短い間に随分と懐かれたもんだな。


「なぁに、大丈夫だ。俺は元Sランク冒険者だぞ。竜だって倒したことがあるんだ。何も心配はいらない。」

「でもそれは昔の話で…。それに、倒せる自信が無いからこそこうやって逃げてるんですよね。

やっぱりこのまま 「だぁ、もう。心配すんな。」


「お前達がいたから逃げてただけだ。それにこのまま逃げていても追い付かれる。

とにかく俺は行く。お前らはそのまま逃げるんだ。立ち止まっても邪魔なだけだからな。分かったな。」


俺は反論の言葉を聞く前に急いで逆方向に走り出す。

優秀なやつって言うのはこう言う事にも気が付くから厄介だ。格好くらい素直に付けさせてほしい。

だが、彼らは俺を追ってこずにちゃんと逃げている。

あいつらを逃がす為に言った事だが、足手まといになるというのは本当だ。流石に今の俺では足手まといを抱えたままこいつと戦うのは無理だ。


木々を押し倒しながらその魔物が姿を見せる。

5メートルを越そうかという身長とそれにも勝らず劣らずな横幅。全身緑色に染まっており、見るに耐えない醜悪な顔をその体の上に乗せている。


ゴブリンエンペラー。

ゴブリン系最上位と考えられている魔物。

そう見て間違いないだろう。


一つ低ランクのゴブリンキングなら相手にしたことはあるが、比べるにはあまりに力の差が隔絶している事がその威圧感からだけでも伝わってくる。


幸いにも向こうもこちらを敵と認識してくれている様で、聖野達を追いかける事なく俺を警戒している。

ならば、先に仕掛けさせて貰おうか。


俺はゴブリンエンペラーの元まで駆けていって剣を降り下ろす。

しかし、それは簡単に避けられてしまう。思った以上の機敏さだ。その体格からしてスピードはゴブリンキングとさほど変わらないのではないかと思ったのだが…。


それに驚きつつも剣を返し、振り上げる。

エンペラーはそれも簡単にかわし、俺から一気に距離を取った。

俺は即座に距離を詰めようと追いかける。が、エンペラーは間近にあった木を強引にへし折り、こちらへと投げつけてくる。


ちっ、鬱陶しい。


俺はその木を斬って強引に距離を縮めようとするが、既にその後ろから別の木々が押し迫っていた。

俺は一旦エンペラーを追いかけるのを諦めて、迎撃のために足を止める。


この飛んでくる木々を一本一本斬っていたら拉致があかない。それに、直接は見えないが、その後ろから魔力塊が迫っている。

ならば。

俺は剣に魔力を流し入れ、そのまま剣を降り下ろす。

すると、剣の接触した木だけでなくその後ろにある木々まで一緒に斬り裂けられる。所謂斬撃というやつだ。

斬撃はそのまま木々を切り裂き、木の後ろに隠れて飛んでいた魔力塊にぶつかると、派手に爆発した。


爆発した事からして、恐らく飛んできていた魔力塊は火炎魔法だろう。木と一緒に燃やしてしまおうという魂胆だったのだろう。

しかし、魔法もこのレベルで使えるとなると、少々どころでなく厳しい。


…と、なにっ!?

ここで、爆発の中からエンペラーが突撃してきていた。あれだけの爆発の中を通り抜けたにも関わらずその体は多少煤けている程度だ。

咄嗟に剣で防御するが、その上からエンペラーのショルダーチャージが叩き込まれる。


ぐっ!


これは耐えきれないと判断して、後ろに飛ぶもそのエネルギーは大きく、衝突の衝撃を多少和らげた程度で吹き飛ばされる。

空中で姿勢を立て直し着地するも、既にエンペラーが狙いを定めている。

繰り出される右拳を今度は何とか耐えきるが、更にそこに左拳が迫っている。


それを剣上を滑らせて逸らすとカウンターに斬り上げる。それはエンペラーのがら空きの腹を捉えて斬り裂く………………事はなく、10センチ程斬り込んだ所で止まってしまった。


なんという固さだ…。

その結果に驚くが、呆けている暇は無い。

慌てて剣を引き抜き、再び迫った右拳を何とか防御しようとする。衝突の瞬間、剣からピシッという音がしたかと思うと、先ほど耐えた以上の衝撃が加わり、吹き飛ばされる。


幸な事に、今度はエンペラーは追いかけては来ていない。怪我を気にしての事だろうか?


だが、状況は悪い。

何とか一撃は加えたもののその怪我は大したことはない。対して俺は致命的な一撃こそ貰っていないが、2度吹き飛ばされた事でかなり体力を消耗しており、かなり息も上がっている。

その上……剣の方を見遣ると、丁度拳を受けた位置に大きなヒビが入っている。そして、再びピシッという音が聞こえたかと思うと、ヒビが更に広がり剣の中腹で折れてしまった。


思わず呟く。

こりゃあ…

「絶体絶命のピンチってやつだな…。」


改めて、お久しぶりです。

半年も空いてしまうとは思いませんでした。

以下どうでも良いことをつらつらと。


9月に盲腸炎にかかりました。

あれ、めちゃくちゃ痛いですね。ヤバいです。

アウシュビッツのシャワー室には、あまりの苦しさにコンクリートの壁を引っ掻いた後が残っているらしいのですが、その気持ちがよく分かりました。

それを聞いた当初は、部屋から逃げようと思って引っ掻いていたのかと思っていたのですが、そうではなくて痛さをまぎらわす為に引っ掻いていたのだと確信しました。

家のフローリングが絨毯仕様?で良かったです。


どうも、私の盲腸は普通の人の2倍以上の長さがあったらしく、盲腸炎になりやすかったようです。

レントゲン写真を見せて貰いましたがめちゃくちゃ長かったです。もう無いですが。


無事2週間程で退院出来たので、現在はなんの問題も無いです。

小説の更新に影響もないです。むしろ、入院中暇だったのでいくらでも執筆できる時間はあった筈なのに…。


ま、まあ、それはおいておいて。小説について。

今回はゴブリンエンペラーの説明回みたいなものでした。ひさしぶりというのに主人公視点じゃないというね、

次回は恐らく、ちゃんと主人公視点に戻って話が進む筈です。


そういえば、ブックマークが200を越え、ポイントの方も500を越えました。こんな遅筆な小説にありがとうございます。

これからもこの小説を応援していただければ幸いです。


ではでは。


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