異世界召喚
2話めです。
昨日投稿しようと思っていたが間に合わんかった・・・。
毎日投稿している人はどうなっているのだろうか?
真っ暗だった視界に急に光が差し込んで来た。
その眩しさに目を凝らしながらも周りを確認する。
どうやら無事?クラス全員が転移してきているみたいで、周りを見渡して確認したり、気配を探っていたりする。す
隣にはB組とC組もいて、何が起こったのか分からず呆然としたり、驚いたりしている。
「さっきの光は何だったんだ?」
「ここはどこなんだ? さっきまで教室にいたはずなのに。」
「お城か宮殿の様にみえるけど……。」
「でゅふっ。これは所謂、異世界召喚なのではないですかな? 俺TUEEEE!!ですぞ!」
そんな声がそこら中で聞こえている。と言うか、最後のはうちのクラスの御宅太君の声だな。何を言ってるんだか……。他のクラスのオタク友達と話しているみたいだが。
しかし、御宅君では無いにしても、こういった転移物の小説とかでは転移した目の前に姫様が居たりするもんなのにな。
代わりに俺達の言動を密かに監視しているようだ。天井裏に複数の気配を感じる。
クラスメイトもそれがわかっているようで、誰も相手側に情報を与える様には喋っていない。
誰も名前を呼ばないし、前もって転移するのが分かっていたと言う事を匂わさせてすらいない。御宅君もそれを分かっていて先程のセリフを大声で言ったのだろう。
暫くして騒ぎが少し収まり始めた頃、これ以上情報を得られないと思ったのか、扉を開けて人が入って来た。
お姫さまの様な格好をした人とその後ろから護衛やメイドらしき人たちが入ってくる。だれを見ても美男美女だ。
護衛やメイド達を扉の近くで待機させると、姫と思われる者だけがこちらの近くまでやってきた。
彼女が喋る事を察して、騒いでいた人達も静かになる。完全に静かに成った所で彼女は話し始めた。
「初めまして勇者様方。私はタリヤ帝国第一皇女アリーチェと申します。以後よろしくお願いします。
今、私達の国は危機に晒されています。どうか私達に力を貸して下さいませんか。」
どうやら小説などでよく有る勇者召喚の類いと同じようだ。しかし、急に勇者やら、国の危機やらと言われたせいで再び騒がしくなる。
「ち、ちょっと待って下さい! 勇者ってどう言う事ですか? それに国の危機と言われても、僕達に出来る事なんて高が知れています。」
アリーチェ姫に対しそう突っ込むのは、B組の聖野希望。リア充が多数を占めるB組に置いて中心となっている人物で、成績優秀、運動神経優秀、イケメンと3拍子揃った男である。
その高スペックのせいか、何時も彼の周りには女性の取り巻きができている。
「申し訳有りません。きちんと説明させていただきますね。
そうですね。まずはこの国についてからです。
この国タリヤ帝国はエルーパ大陸の南部に位置する人類最大の国家です。200年前、偉大なる……」
とタリヤ帝国の歴史から現在の状況に至るまでを長々と話してくれた。途中ちゃんと聞いてはいなかったものの簡単に言うならば、
ある時、魔族と呼ばれる化け物達の住む地域に魔王が現れた。魔王は魔族を纏め上げ、人類に対し戦争を仕掛けてきた。
人類は何とかそれに対抗していたが、遂に最前線の国が陥落。この国も直接魔族の国と接触する事になってしまった。今は小康状態だが、いつまた本格的な戦いが始まるか知れず、力の差は圧倒的。
そんな時、過去にこの国を救った勇者が異世界から召喚されたという伝説を思い出し、藁をも掴む気持ちで、すがりついた。
と言うことらしい。
「なるほど、そう言うことですか。でも、僕達は勇者なんかじゃ有りませんし、役に立つ程の実力も有りません。」
「伝説によると、異世界から来た人達の何割かは職業が勇者だったそうです。これだけ人数がいれば、きっと勇者様もいるはずです。
それにそうでなくても、異世界から召喚されて来た人達には元々のステータスに補正が付くそうで、全ての値が2倍になったようです。
更に、異世界から来た人達はLv1なので、直ぐにLvアップして強くなれますよ。
そうですね、ステータスが分かりにくいようでしたら、皆さん一先ず測って見ましょうか。その方が説明もしやすいですし。」
そう言うと、後ろに下がっていたメイドの一人が水晶玉のような物を持ってきてアリーチェ姫に渡す。
アリーチェ姫はその玉を持って聖野のところまで行く。
「これは、ステータスを測る事のできるアイテム、鑑定玉です。これに触れてみて下さい。」
そう言われて聖野が鑑定玉に触れると、鑑定玉が光りだした。溢れ出た光は時間が経つと共に収束していき、薄い長方形、ちょうどカードの様な形を取る。
光が収まると、中から一枚のカードが出てきた。
そのまま地面に落ちそうになるのを、聖野がしっかりとキャッチする。
「それがステータスカードです。自分のステータスを何時でもチェック出来る物で、身分証明書としても使われているものです。
見せて貰ってもよろしいですか?
こ、これは…。凄いです! Lv1でこのステータスはすごいです! これなら魔王も倒す事だって出来ますよ。」
そういって大喜びするアリーチェ姫に聖野が困惑しながらも尋ねる。
「お、落ち着いて下さい姫様。これはそんなに凄いのですか?」
すると、自分のはしゃぎっぷりに恥ずかしく思ったのか、アリーチェ姫は顔を赤らめた。その反応に聖野の取り巻きたちがざわめくが、聖野自身はそれに全く気付いた様子もない。
「す、すみません。でも、凄いなんて物じゃ済まない位ですよ。大勇者なんて職業聞いたことがないですし。
ちょっと待ってください、今皆さんにも見れるようにしますね。」
そう言うと彼女は何かを呟きそれが終わると、空中に光の文字が浮かび上がった。
そこには、
名前:聖野希望
年齢:17歳
Lv:1
職業:大勇者
称号:異世界人 人類の希望
基本ステータス
生命力:285(57)
魔力量:240(48)
力:305(61)
耐:340(68)
器:195(39)
知:290(58)
心:210(42)
運:265(53)
スキル:大勇者スキル(全属性魔法適正Lv1 剣技Lv1 異常状態回復Lv1 光神の加護Lv1 自動回復Lv1)
―――――――――――――
名前:平均的な成人
年齢:――
Lv:20
職業:――
称号:なし
基本ステータス
生命力:40
魔力量:40
力:40
耐:40
器:40
知:40
心:40
運:40
スキル: ――
と書かれていてある。詳しいことはよく分からんが、明らかにおかしい事だけはわかる。数字が明らかにでかいし、職業大勇者って。
他の人の間にもどよめきが走る。その反応に満足そうにしながらもアリーツェ姫が説明を始めた。
「左に書かれているのが聖野様のステータスで、右が一般的な成人のステータスです。
見た通り、物凄いステータスですよ。うちの騎士団団長でも基本ステータスは500を超えるか超えないか位みたいですから。職業も勇者を通り越して大勇者ですし。
さて、見てもらえば大体分かると思うのですが、何か分からない事はありますか?」
「称号とスキルっていうのがいまいち分からないんですが?」
「称号とは、その人が今までなして来た事や立場によって得ることが出来ます。基本的に称号は基本ステータス、つまり生命力から運までの値に補正を掛けるものと考えて下さい。
聖野さんのステータスで言うと、括弧で囲まれた数値が元の数値で、左側に有るのが補正を受けた後の数値です。称号によって全値に5倍もの補正が掛かっている事になります。
称号を2つも持っている人は本当に少ないです。そもそも、称号を持っている人は100人に一人くらいしか居ませんからね。
スキルは、その人が持っている特別な能力のことですね。魔法の適性や神様からの加護もこれにあたります。」
ここで、アリーチェ姫は辺りを見渡し質問が無いか確認している。
正直まだ聞きたい事はたくさんあるが、目立つのは避けるべきだし、大体の所は掴んだから良いだろう。
質問が無いのを確認したアリーチェ姫はにこりと笑って、みんなに言う。
「それでは、ある程度説明も済んだ事ですし、皆さんにもステータスを測ってもらいましょう。」
というわけで2話でしたー。
昨日の皆既月食見た人います?
こういう天文ショーっていいですよね。