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人生こんなところで終わらせてたまるか!第34話<最終回>

 あたし佐伯美保子は28歳、アラサーまっただ中。某都市銀行の地方支店で働くOLで、身長180センチ、元レスリング部、よく街で男の子に間違われる残念系。

 5年越しのお付き合いの末、婚約者の齋藤丈治に別れを告げ、婚活を始めたあたし。出会い系サイトで誤って出会ってしまったゲイのおっさん権藤さんからなんと偶然、あたしの初恋の人である星夜くんに再会し、相思相愛に!

 と思ったら、銀行ではお局様、清井さんが誘拐される事件発生! 事件は元刑事の探偵であるゲイのおっさん権藤さんや星夜くんも巻き込んで次第に深刻さを増していく! そこに宗教団体から追われて逃げてきた元フィアンセ丈治が加わり、なんていうか、修羅場!?

 あたしら襲撃に遭い、拉致されるわ、高所恐怖症なのに、ビルの屋上から落ちるわで、散々。でもなんとか事件解決?

 星夜くんに正式に告白され、清井さんは課長にプロポーズ!?

 そして、あたしのとった選択とは……?

 

 ドキドキ婚活ストーリー!どうなるあたしの恋路!?

 ついに最終回!!

 翌日、丈治は普通病棟に移り、清井さんと祥子ちゃんは退院した。京子と星夜くんはそれから毎日見舞いに来てくれて。消灯ギリギリまで京子が居座るため、星夜くんは、プロポーズの話を持ちだすことができずにいた。あたしはあたしで、返答を保留にしたまま。

 丈治は丈治で六人部屋の病室で、あたしが見舞いに顔出しても、ロクに話もできずにいた。特に同室の患者が暇をもて余している中高年の男性達で、婦長さんからあたしたちが婚約者だと聞いていたらしく、やたらと冷やかしてくるので、あたしもなんとも居づらいのもあった。

 そして、週末あたしは退院することになり、丈治に部屋を訪れた。

「あれ? 他の人は?」

 珍しく、病室に一人きりの丈治。

「面会とか、検査とかで、みんな出てる」

「そっか、珍しいね」

「退院かい?」

 病院服から私服に着替えた状態で入ってきたので、すぐに分かったみたい。

「うん。また、見舞いに来るね」

「あのさ……昨日、両親が来たんだ」

 絶縁されていたはずの両親が見舞いに来ていたのだという。

「初めて、泣かれたよ。両親に」

 ご両親は警察から事件のことを聞いて、しばらくはもう縁が切れたからと拒んでいたらしいが、数日の間我慢していたのが、どうしても我慢しきれなくなって病院に来たらしい。それと、警察からの説明で丈治が騙された被害者であったことを知らされ、和解する気になったらしい。

「ほんと、親不孝だな、俺って」

「じゃあ、これからはせいぜい親孝行することね」

「あのさ……これ」

 丈治はベッドサイドから小さな箱を取り出した。

「あ……これって……」

「ごめん、勝手に持ち出しちゃって。でも……捨ててなかったんだね」

 それは、あたしたちの婚約指輪だった。一度は質にでも入れてやろうとか思ったのだけれど、どうしてもそれはできずに部屋の棚に置いたままにしてあったのだった。

「俺さ、更正するよ。仕事も見つけて、真面目に働く。だからさ……」

「もうダメよ。これは……」

 あたしは、箱を丈治の手から取り返した。箱には、丈治のものと思われる血痕がついていた。

「そ、そうか……そうだよな……」

「ううん、そうじゃないの。これはね、あたしたちの古い思い出。もうなくなってしまったもの。過去の遺産。もう忘れた方がいいの。丈治が間違ったことも、あたした間違ったことも、みんなここにしまっておきましょう。

 それでね、また新しくやり直すの。新しい二人で、もう一回やり直すの。

 ね?」

「そ、それじゃ……?」

「結婚を前提にお付き合いしてもらえませんか?」

 病院でプロポーズなんかするなって、つい先日星夜くんに言ったばっかりのあたしが何を言うかっていう話なんだけど。

「え? ……先越された」

「いいじゃない、前回は丈治から言われたんだから。仕切り直しはあたしから」

「なんか、尻に引かれそうだな」

「いやなの?」

 あたしは口を尖らせて。

「い、いいえ。全然そんなことはありません!」

 丈治はベッドの上で背筋を伸ばして気をつけした。

「よろしい。じゃあ、返事は?」

 あたしは、笑って、

「もちろん、喜んで!よろしくお願いします!」

「ひゅーひゅー!」

 と、あたしの後ろから囃し立てる声が響いた。いつの間にか病室の患者さん達があたしの後ろに集まっていた。それどころか他の部屋の人達も集まってるじゃない。

「おめでとー!」「やるな、齋藤さん!」「丈治、おめでとよ!」

 なんだか賑やかなプロポーズになってしまったけれど、まあ、これもアリよね。

 

 また、京子には、

「本当にあんたって懲りてないわよね……ダメンズまっしぐら?」

 とか言われそうだけど。

 

 これはあたしの人生だもの、好きなように生きていいよね!


<Fin>

「人生こんなところで終わらせてたまるか!」全第34話、お読みいただきまして、ありがとうございました。お楽しみいただけましたでしょうか?

 この作品は、即興小説トレーニングというサイトで、それこそ即興で書き続けた作品です。それを加筆訂正してこちらのサイトにて公開させていただきました。

 こちらのサイトでは、「竹取の」に続き、2本目の連載終了となりますが、即興小説トレーニングサイトでは、「竹取の」の前に書いたもので、あたしの連作としては、2本目となります。

 連作1本目は「いぬもくわない」という作品を書きました。長編というよりは、中編くらいの作品でしたが。こちらの作品は、もし今後余裕があれば、書き直してみたいなとは思ってます。

 他2本同様、この作品もプロットなしで、その場の思いつきで書き始めた作品です。加筆訂正版は、結果的に約7万7千文字と、思ったより長くなって、本人としてもびっくりです。こんなに長い作品を書けるとは思ってもみなかったので。

 もうひとつびっくりだったのは、こちらのサイトにアップさせていただいてから、アクセスが多かったことです。正直あたしとしては、完成度だけで言うと、「竹取の」の方がそこそこ良かったと思っていたのですが、結果的には、「人生~」の方が圧倒的にアクセスを多くいただきました。なんでしょう……未だによく分からないのですが、タイトル故なのでしょうか?

 ファンタジーでもないし、中高生主人公でもないし、内容にそれほど惹きつける要素が多い作品とは思ってなかったのです……。今こちらで書き下ろしております、「Nコン!」を書き進めている間に間を持たせようという理由だけで掲載を始めただけなので、自分としてはかなりの驚きです。

 さらに、「竹取の」の時は、更新時間を夜時間帯にしていたのに対して、「人生~」は正午にしてました。「竹取の」の場合は、更新時間後のアクセスがありましたが、他の時間帯は皆無でした。これは、多分、トップページの更新された情報から飛んでこられたのではないかと推察しておりました。対して「人生~」は、正午更新にも関わらず、ほぼ一日中アクセスがあるようです。もちろん午後が一番多いですが。みなさん、どこからいらっしゃってるのでしょうか?ちょっと謎です。

 内容の問題だとすれば、強いて言うなら、「ノリ」は良かったかも知れません。確かに書いている時は楽しく書いてましたし。

 もし、最終話まで読まれた方で、その辺の謎を解いていただける方がいらっしゃいましたら、是非、感想等でご教授いただけるとありがたいです。今後の糧にしたいので。

 「ノリ」の話ですが、主人公がOLということもあり、身近な設定だったというのがあるかも知れません。ただ、初っぱなから「宗教」というお題をいただいて、大変だったのは確かですが……。あ、即興小説トレーニングサイトをご存知ない方には説明必要ですよね。「即興小説トレーニング」とは、あるお題と必須項目(これは選べます)を元に制限時間(15分~4時間を選べるようになっています)内に即興小説を書き終えるという内容のサイトです。最初のお題が「宗教上の理由で貯金」でした。そのため、丈治が貯金するために婚約を破棄するという設定が生まれた次第なのです。

 婚活ストーリーと銘打ってますが、結局は周囲のバタバタに巻き込まれた、OLラブコメものになってます(笑

 婚活のリアルさをお求めになってお読みいただいた方々には大変申し訳なく(そんな人がいるとも思えませんが)。


 さて、今後ですが、こちらのサイトでは、引き続き「Nコン!」を連載してまいります。毎日更新とはいきませんが、何とか週1本くらいは進めていければなと。あと、即興小説トレーニングサイトでは「遠恋同盟」という作品を連作で書いております。こちらは、完結した時点でまたこちらのサイトにアップしていきたいと思ってます。


 では、最後に、みなさんにもいい恋が訪れ、または今の恋がずっと続きますように!

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