忘れてしまった
ねむたい
「誰だ、お前ら」
周りを見渡し、複数人が囲んでいる
「勇者様どうなされたのですか?」
心配そうに見つめてくる
「いや、本当に誰だよお前ら」
その時、騎士のような格好をした人物が
「お前、誰に言ってるのか分かっているのか!」
険しい表情で怒鳴ってきた
「いや、分かんないだ、ここは?どこなんだオーラ帝国は魔王の討伐は?アシスはライトはどこにいるんだ?」
「大変申し上げ無いのですが、この国はルイラ皇国という国でオーラ帝国は十年前に滅んでおり、アシス殿とライト殿はどちらも八年前に…亡くなっております」
しばしの沈黙の後、
「は?、おいどういう事だよおい!デタラメな事を言うなよ、どいう事だ何が起こってる!」
すると、一番近くにいた女の子が
「落ち着いてください、私の名前はマリー・ルイラ、第二皇女です、そして貴方の主人でもあります、貴方は私のことを覚えていますか?」
マリーといった少女がこちらを見てくるこの人は良い人だなと思っただが…
「すまない、何も知らない…貴女の事が何も分からないんです、貴女のことを知らないんです、すいません」
「そうですか…いえこちらも勇者様に失礼を働きました」
残念そうな顔をしてそっぽを向いた、そして立ち上がり
「失礼します、体お大事に」
そう言ってほとんどの部屋にいた人を連れて出て行った
一人になった部屋で、
「何が、何が起きてんだよ…」
ただ頭を抱えうずくまっていた
部屋から出て数十人の従者を連れて
「やはり『呪い』がかかっていますね」
「やはりでしたか…でもあの様なことが起きる『呪い』は聞いたことが」
「“忘却の呪い”そう呼ばれている物よ、」
従者の発言を遮るように言った、その時場の空気が一気に変わった
「“忘却の呪い”ですか?初めて聞くものですね」
「えぇそうでしょうね、なんせあの『呪い』は実用性がなかったから今まで知られていなかったのよ」
ほとんどの騎士たちがその実用性について理解が出来てない様子だった
「『呪い』は一定の条件を満たす事で無意識に発動するもの、あの呪いの条件は…『死』を条件に発動するから今までかかった人がいなかった。効果については私も初めて見たから断言出来ないけどあの様子を見るに、“記憶が一定期間消える”で間違いがないと思います」
その場にいた全員が凍りついた
「何ですかそれ!勇者様に対して一番危険な『呪い』ではありませんか!」
従者がそれぞれに声を荒げる
「でも、今までの『恩寵』もありましたでも、」
「でも?」
「『呪い』と対をなす『恩寵』ですが、『呪い』は自覚していなくても発動するに対して『恩寵』は自覚しないと発動しないという欠点があります、もしその事も忘れているとしたら使えない『恩寵』がかなりあると思えます」
「お嬢様、少し良いですか?」
すっと耳に顔を近づけてそっと耳打ちをする
「もし、もしですがあの勇者殿が魔王の幹部と入れ替わっているとしたら処分して良いですよね?」
バッと振り返り
「何をおっしゃるのですか!私達のために戦ってくれたお方を疑うのですか!」
男は淡々と耳元で語る
「過去に仲間と入れ替わって国を堕とした幹部がいました、そいつは顔、匂い、声、口調まで擬態が出来る者でしたでも『記憶』までは真似が出来なかったと言うんです」
「だから疑っていると言いたいんですね」
睨み付け、吐きつけるように言いつける
「あの人が、先生がそん訳ありません…絶対に」
ぎゅっと腰にある短剣を握って前を向く
「私は、疑いますよ絶対に勇者シュテル貴様は…」
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