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四話

 薬草が自生している草原までやってきた。

 王都の大通りを出て歩いて十分程のところだ。草原地帯と木が生い茂っている所とが混在している。魔物の姿は見て取れないが動植物は豊富にあるようだ。おっ、リスみたいな奴がいる。

 

 今回の指定量は薬草五十本で50銀貨である。一体どれぐらいの時間が掛かるのであろうか。

 通貨は大きい方から金貨、銀貨、銅貨が流通している。国によってどうなっているかまでは聞いて居ないが王都で過ごす分には困らない。

 上位の通貨=100枚の下位の通貨と行った交換レートである。因みにギルドからの支度金で100金貨を貰ったが、装備を調えるのに70金貨使った。今泊まっている宿は二食付きで一泊1枚の金貨である。何とも装備品というのは高いなあと思う。宿で食事だけ取ろうとすると、10銀貨だそうだ。因みにギルドの新人職員の月給は20金貨らしいので、支度金はかなりの額ということになる。一体どこからそんなに金が出てくるんだか…


 とにかく手持ちは29枚の金貨。このままだと一ヶ月で金がつきるのでしっかり稼がなくてはならない。

 「おっ…これだ」

 草原地帯に到着して直ぐに薬草を手に入れた。薬草の名前も色々あったんだけど…うーん。覚えていない。まあ、依頼書に書いてある物と一緒の物を回収すれば良いってもんだ。

 「ふう…まあこんなもんだろ」

 昼前から夕暮れまでおよそ四時間ぐらいで薬草は集まったが…これでは困る。

 一日1金貨は消費するだろ?つまり最低でも一日1金貨は稼がなくちゃあならんという訳さ。ただ、今日の所は疲れたので、ギルドに報告したら宿に帰るとしよう…。いずれは馴れてきたらもう少し早く集められると良い。他の事も出来る様になるはずである。


 宿に着くと鶏肉のシチューとパンの様な物が夕飯に出た。

 「はむ…あっつくて旨い!」

 うーむ。美味しいな。豪華では無いけれどしっかりと下処理が行き届いている味がする。因みに、王都ではパン食が主流の様である。このパンのような物はバゲットと言うらしい。なんか元の世界でもバゲットはあった気がするが、この世界では、元の世界のパンがバゲットと言うらしい。因みに味は完全にパンである。

 「パンでお腹もパンパンてか!ははは!」

 周りでは酒を飲んだりしている冒険者がいたり、俺のように飯を食べている者もいる。

 しかし、団体客が多いな。パーティと言うやつか。俺も組みたいが…実力的に難しいというか気が引ける。スライムにシメられている様では誰も相手にしてくれないに違いねえや!(泣)

 「ふう腹が膨れてきたら眠たくなってきたな」

 今日は初めてずくしだった。死にかけから起き上がって、まともにこの世界の住人と話を初めてして…親切なアカネとユイで助かった。クエストもこなして金も稼いだ。小さな、小さすぎる一歩ではあるが確実に前に進んだはずだ。

 

 「明日もクエストをこなして、まずは一日1金貨だな」

 目標としては強くなるだの、英雄になるだのとは言ってられない。食い扶持を稼がなきゃならない。

 「まずは薬草採取の時間短縮だな」

 一時間とは言わずとも、十分ぐらいは時間を節約したいところである。

 







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