バトルダイエット!~俺とバトルダイエットで勝負だ!~
20xx年、円安が加速した日本では三食コンビニ弁当が当たり前になり、肥満率が急上昇て!12歳までの子供に至っては肥満率が90%を超えてしまった!
ルッキズムの根強い日本ではダイエットが大流行!その余波は小学校にまで及んだ!
「ふう!今日も片道30kmの小学校に着いたぜ!ん?あれは!」
「やーいデブ!でぶっちょ!」
「貧乏だからダイエットもできないんだろー!」
「うぅ…」
「クソデブがイジメられてる!おい!なにやってんだ!」
「なんだぁ?こいつがデブなのが悪いんだ!俺はダイエットして一ヶ月で20kgも落としたのによ!」
「やめろー!ダイエットはイジメの道具じゃねぇ!俺とバトルダイエットで勝負だ!」
「なにおう!俺は大盛昇火、父ちゃんがあの大盛建設の社長だから、毎日800万円のタイヤを牽いてるんだぜ!お前のダイエットなんかに負けるもんか!」
「なに!800万円!」
「やめなよ、絶対勝てないよぉ」
「うおお、俺のダイエットと勝負だ!ルールは一時間でよりダイエットした方の勝ちだぜ!」
「受けて立ってやるぜ!お前のダイエット、見せてみろ!」
「「ダイエット、スタート!」」
「まずは木登りだ!目についた街路樹を全部登って降りていくぜ!」
「なにっ、木登りだと!木登りは全身を使う有酸素運動、エネルギーの消費効率がいいんだ!」
「うおお!スパイダークライム!」
「ぐああ!あいつ、みるみるうちにダイエットしやがる!だが俺のダイエットをまだ見せてないぜ!おい!タイヤを持ってこい!」
「な、なんだあのタイヤは!デカすぎる!」
「俺の父ちゃんは土建屋の社長って言っただろうが!このタイヤは400tダンプ用のタイヤ、一本で5tはあるぜ!」
「5t!?」
「これにひもをかけて、おりゃぁ!引っ張る!これが俺の必殺技、タイヤヒュージだ!」
「きたぁ!タイヤヒュージ!太ももに強烈な負荷がかかって、大量のエネルギーを消費するんだ!」
「ぐああ!太ももは一番大きな筋肉がある!俺のスパイダークライムじゃ追い付けねぇってのか!」
「がはは!そんなもんか!木登りだけじゃ俺には勝てねぇぜ!」
「こうなったら奥の手を使うしかない!出てこい!ダイエットアックス!」
「こいつ、斧を取り出して何をしやがる気だ!」
「うおおおお!!!」
「登り終わった木を切り倒しやがった!確かに斧を使った伐採は全身運動、しかしそんなもんじゃ俺のタイヤヒュージには敵わねぇ!」
「お楽しみはこれからだぜ!」
「何ぃー!こいつ、切り倒した丸太を担いだまま木登りを始めやがった!」
「まだまだぁ!2本目!」
「登り終わった木をまた切って、かついだ!まさか!」
「そう!これを繰り返してどんどん負荷をあげていく!これが俺の必殺技、スパイダークライムだ!」
「うおおおお!く、くそ、負けたぜ…!お前、名前はなんだ!」
「俺はダイ!越冬ダイだ!」
「越冬ダイ…!覚えておくぜ!くそぉ、今度こそお前に勝つからな!ダイ!」
「お前こそ、いいダイエットだったぜ!」
「ダイくん、助けてくれて、ありがとう!」
「俺は、ダイエットをイジメに使うやつが大嫌いなんだ!お前を助けられてよかったぜ!」
「おいお前らー!朝礼始まってるぞ!」
「やべ!急がなきゃ!お前も、身近なものでダイエットしてみろよ!」
「うん、僕、ダイエットしてみる!」
「よーし、まずは校庭100周だ!」
「ダイくん、待ってよー!」
「おーい、朝礼なんだけどー!」
こうして、越冬ダイの名は小学校中に轟いた!しかしそれをよく思わない者が……!
「ふーん、越冬ダイ、ねぇ。悪くなさそうだけど、僕たち『委員長』に勝てるのかな?」
次回、「バトルダイエットトーナメント開催!」
「みんなも、ダイエットスタート!」