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2.手紙

「サンデルさーん、お手紙置いときますね〜。」


「ありがとうございます。」


アンジェさんが手紙を届けてくれた。


手紙が俺に届くなんだ珍しいな。なんの手紙だろう。そう思ってベッドから立ちあがろうとしたら頭に激痛が走った。


そうだった、昨日はあの後何故かパーティ抜けたお祝いでパーティをしたんだ。俺はたくさんの人からお酒を注がれてアホみたいに飲んでそのまま寝ちゃったぽい。二日酔いきついなあ。お祝いしてくれたのは嬉しいんだけどお酒の飲み過ぎはやばい。


結構頭痛ひどいな。これはベッド3日コースになりそうだ。


そうして重い腰を上げて手紙を取るために部屋に出るとたくさんの人が扉の前にいた。


「サンデルさん大丈夫ですか!?お酒飲み過ぎて倒れちゃったって聞きました。」


「昨日お酒飲ませすぎちゃってごめんなさい〜〜。サンデルさんに楽しんでもらいたくって……」


「死んでないですか!!生きてますか!!」


怒涛の勢いでみんなが話しかけてきた。


「ありがとう、ありがとう。みんな心配してくれるのは嬉しいんだけどいっぱい喋られると頭に響くから後でにしてくれ。」


そう言うとみんなちいさくすみませんと言ってドアの前から去っていった。


やっと手紙を読めると思って手に取ったら何か違和感を感じた。


普通の手紙にはあり得ない何かが篭っている。表面だけ見ると綺麗だけど何か奥深くに変なものを感じる。


これは何か大事なものでは!と思ってすぐさま開けるとそこには俺の妹の名前が書かれていた。


 

✳︎



俺には妹がいる。名前はルーチェ。

俺がまだとても小さい時に一緒に暮らしていた。いつもルーチェとは仲良く遊んでいた。そして俺が6歳になった時突然、妹は攫われた。

いつ攫われたのか、誰に攫われたのか。おれは攫われたという情報しかないまま妹を探し続けた。村の中もちろん、危ないと言われていた村の外側の森もたくさん探した。

でも見つからなかった。1日中毎日探したけど見つからなくて、家族も村の人も俺に諦めるよう言ってきた。

それでも俺は毎日こっそり情報を集めて探していた。そんなある日お母さんに探していることがバレて怒られた。


「毎日こっそりと何をしているのですか!」


そう言ってお母さんは俺が持っているルーチェに関わりのある唯一のものである写真を奪った。

そして衝撃的なことを言った。


「誰よこの人。知らない女の子の写真持って何してるの!!」


そう言われたから村の人たちは少しおかしくなっていた。誰もルーチェのことを覚えていら人がいない。妹が生まれたことから一緒に過ごしていたこと全てだなかったことのようにされていた。そして俺がずっと妹を探していたことは村の人は奇行として捉えられた。


その時俺は決めたんだ。誰が忘れようと俺は絶対忘れない。絶対に妹を探し出して一緒に幸せに暮らすんだと。



✳︎



手紙が来たってことはルーチェはいたんだ。やっぱり家族も村の人もおかしかったんだ。絶対ルーチェがいないなんてことはなかった。この手紙を見せればそう証明できるようになる。そう思ったら嬉しかった。


手紙の中には中には一枚の紙と水の入った袋が入っていた。そして紙にはこんな内容が書かれていた。


「兄さんお久しぶりです。元気にしていますか?私は元気です。

もう別れてしまってから10年が経ちましたね。兄さんは私がいなくなって心配していると思いますが全然心配しなくて大丈夫です。ちゃんとした町でちゃんとした人と暮らしています。仕事もさせてもらえてて毎日が充実しています。だからもう探さないでください。妹からのお願いです。ルーチェより。」


俺はこれを読んでものすごく居た堪れない気持ちになった。


なんだよ探さなくていいって。どういうことだよ、本当にちゃんとしたところに住めてるのか。おかしいだろ、攫われたのにそんなに普通な感じを出してるのは。しかもなんで10年後なんだよ。ずっと探してきて全然手がかりも見つからなくて大変だったのに。


どうにも表せない気持ちになっていた時に手紙に入っていた水のことを思い出していた。


手紙の中になんで水が入っていたんだろう。ただ入ってだけなのかな。


水が何で入ってたのかを考えていたらまた頭痛が襲ってきた。


「あ、これ無理だ。」


そうして俺はまた眠りについたのだった。

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