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うちの神様の間違った転移でおおごとに! 女神の使いにされて、僕を頼られても困るのだが……。  作者: とらむらさき


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177話 灯台下暗し

 ソファーに座ってマーカリさんを待っていると、オルガさんがお茶を淹れてくれる。

 僕とシャルは、そのお茶を飲みながら、彼が戻って来るまでの時間をつぶしていた。


 ((すたこらさっさ。すたこらさっさ))


 金ちゃんと銀ちゃんが変な掛け声で、僕たちのそばを行ったり来たりと往復している。 

 僕とシャルは、そのたびに話しを中断された。

 すたこらじゃなくて、えんやこらでは?

 うー、気が散る……。かといって、珍しく率先して働いている二人の邪魔はしたくない。

 僕は葛藤(かっとう)にさいなまれていた。

 すると、ちょうどよくマーカリさんが隊長と一緒に現れた。

 僕はホッとして立ち上がる。


 「マーカリさん、お話しがあるのですけど、いいですか?」


 「ええ、私もフーカ様にご相談したいことがあったので、ちょうどよかったです」


 彼は、隊長と一緒に僕の向かいのソファーに座った。


 オルガさんは、すぐに人数分のお茶を用意して、テーブルに並べていく。

 そして、僕とシャルが飲み終えたお茶のカップを下げると、彼女のそばに駆け付けたメイドさんに渡し、そのまま僕の後ろに立つ。


 「「!!!」」


 僕とシャルは驚いて、メイドさんを目で追ってしまう。


 「オ、オルガさん! あのメイドさんって!」


 「今朝、アンが率いるメイド隊の者が数人、合流しました」


 「そうなんだ。……この城って、警備が緩すぎない?」


 「いえ、彼女たちもそれなりの訓練と経験を経てますから、この城の警備くらいなら朝飯前です」


 「「「「……」」」」


 彼女の言葉に、僕、シャル、マーカリさんの三人は唖然とし、隊長は額に指を当てて複雑な表情を浮かべていた。


 「コホン。マーカリさん、僕から話していいですか?」


 僕は話しを始めるために切り出した。


 ((ジー))


 「「「「「……」」」」」


 ((お茶、飲んでるんだ。いいなー))


 「「「「「……」」」」」


 金ちゃんと銀ちゃんがテーブルの脇にしゃがんで、お茶を見つめてからオルガさんを見つめる。

 とっさに、彼女は顔を逸らした。


 ((ジー))


 二人は視線の矛先を僕へと変える。


 「シャル、二人にもお茶を淹れてあげて」


 ((殺す気か!))


 「どういう意味よ!」


 「「ブフッ」」


 マーカリさんとオルガさんは、吹き出してしまった。

 その様子に隊長は苦笑し、困った表情を浮かべる。


 「オルガさん」


 「は、はい……フフ」


 オルガさんが調理場の方に視線を向けると、メイドさんが、二人のお茶とお菓子をお盆に載せて現れた。

 すると、金ちゃんと銀ちゃんは空いているソファーに座って、メイドさんがテーブルにお茶とお菓子を並べると、((いただきまーす))とすぐに手を出し、飲み食いを始めた。

 これで静かになる。


 僕は、今のうちにと、すぐに話しを切り出すことにした。


 「マーカリさん、金ちゃんたちから、政権を奪還するための拠点をここにすると聞いたのですが、本当ですか?」


 「本当です。先ほど隊長にも話し、今も私を支持する者たちに報せて欲しいことをお願いしたところです」


 彼は覚悟を決めた真剣な表情で僕を見ていた。


 「分かりました。僕も全力で支援します」


 「フーカ様、ありがとうございます」


 彼が頭を下げると、隊長も頭を下げていた。


 「それで、僕に相談があるということでしたが」


 「はい。私を支持する者たちが、ここを尋ねてくると思います。その時は私と一緒に彼らと会っていただけないでしょうか?」


 「それは構わないのですが、僕が顔を出しても大丈夫でしょうか?」


 「ええ、フーカ様と一緒だからこそ、私が本気だということを彼らに示せるのです」


 「分かりました。そういうことなら、ご一緒します」


 僕が快く引き受けると、彼は安堵の表情を浮かべた。


 金ちゃんと銀ちゃんが、((うーん))と眉間に皺を寄せて悩んでいる。


 「金ちゃん? 銀ちゃん? どうしたの?」


 (マーカリ、その人たちって、いつ来るの?)


 金ちゃんは、僕を無視してマーカリさんに話し掛ける。


 「えーと……」


 彼は隊長を見た。


 「これから報せることになりますから、早くても二日、いや、三日後でしょう」


 隊長が答えると、金ちゃんと銀ちゃんは、あごに手を当てて、難しい表情をして悩む。

 

 「金ちゃん? そんなことを聞いてどうするの?」


 (ん? 主? 何を言ってるの? その人たちが来る前にリノベーションを終わらせないと、拠点として使えないよ!)


 「あー、そういうことか」


 僕は納得した。


 (よし! 銀ちゃん、今から突貫工事で、二日で仕上げるよ!)


 (合点承知の助!)


 二人は拳を重ねる。


 ((主もマーカリのために、頑張ろうね!))


 彼らは僕が拒めない理由をつけて巻き込んだ。


 結果、二日間、金ちゃんと銀ちゃんの主導のもと、僕たちはリノベーション工事を手伝わされたのだった。



 ◇◇◇◇◇



 うん。もう、牢屋の面影は無くなってしまった。

 リノベーション工事に参加した者は、疲れた顔で新しくなった地下牢? を満足そうに眺めていた。


 (あっ、家具や調度品を見つけてこないと!)


 (うん。このままでは殺風景だからね!)


 金ちゃんが気付くと、銀ちゃんも賛同した。


 ((隊長さん、宝物庫へ見に行こう!))


 「はい。では、ん? ……宝物庫? ですか?」


 (えーと、倉庫でいいです)


 金ちゃんは隊長の困惑した表情を見て、断念した。


 「では、ついて来て下さい」


 二人は彼の後について、調理場の奥へと消えていった。




 そう言えば、皆、あの奥から出入りしているようだけど、通路でもあるのだろうか?


 「マーカリさん、あの奥にも地下牢の出入り口があるのですか?」


 「はい、裏庭の納屋につながっています」


 「へえー。そうなんだ。ん? 待って! それって、外だよね?」


 「はい。正確には納屋に設けられた隠し扉と繋がっています」


 「……」


 いつでも外に出られたことを知って、僕は放心状態となった。

 ん? オルガさんは知っていたのでは?

 僕は彼女に視線を向ける。

 彼女はサッと顔を逸らした。

 知っていたんだ……。まさか、シャルも?

 僕はシャルにも視線を向けると、口を開いてポカーンとしたいた。

 彼女は知らされていなかったようだ。

 一人だけではなかったことに、少しホッとする。




 僕とシャルは、大切なことを黙っていたオルガさんに詰め寄る。

 彼女はオドオドしながら、僕たちが一歩近づけば一歩下がると距離をとった。


 「オルガさん、逃げない」


 「オルガ、私たちにだけ黙っていたことを説明してもらいます」


 僕たちは彼女の手を取ると、いたずらをした子供が怒られる時のような表情を浮かべる彼女の顔を覗き込んだ。


 「うっ、それは……」


 彼女は肩を落とし、観念したように下を向く。


 オルガさんに詰め寄っていた僕たちの元へ、困った表情の兵士が近付いてくる。


 「フーカ陛下、オルガ様。お取込み中のところ申し訳ありません。オルガ様から頼まれていた城の様子をうかがっている怪しい連中を連れてきましたが、どういたしますか?」


 「ん?」


 僕は首を傾げてしまう。


 「ご苦労様です。その者たちをここへ通して下さい」


 「はっ。かしこまりました」


 オルガさんが対応すると、彼は敬礼をして戻って行く。


 そして、再びさっきの兵士が現れる。

 その後ろには、キョロキョロと室内を見回すフード姿のホレスたちが、ゾロゾロとついて来ていた。

 金銀のぼく隊だ。

 彼らは僕に気が付くと、そばに来て敬礼をし、(ひざまず)いた。


 「陛下、シャルティナ様。ご無事で何よりです。この度は、我々の隊長たちがやらかして、申し訳ありません」


 ホレスが謝罪の言葉を述べて頭を下げると、部下たちも頭を下げた。


 「ホレス。いつものことだから気にしなくていいよ。それに、毎回、謝罪していたら、きりがないよ」


 「うっ、ごもっともです。返す言葉もありません」


 彼らは大きく溜息を吐くと、肩を落とした。

 彼らを見ていると、切なくなってしまう。


 「それで、ホレスたちには、どういった任務が下されているの?」


 「陛下とシャル様の所在と安否の確認、合流できた場合は陛下の指揮下に入り、護衛をすることです」


 「うん、分かった。じゃあ、これからよろしく。それと、恥ずかしいから、立ちあがってくれるかな?」


 「「「「「はっ!」」」」」


 彼らは立ち上がって、敬礼をした。




 僕との話しが終わると、オルガさんがホレスと話し出した。

 二人の話しは警備体制やローテーションなど僕たちの護衛のことを中心としたものだった。

 話し終えた二人は、僕のそばへと来る。


 「陛下、つかぬことを聞きますが、隊長たちが見当たらないのですけど、何処に?」


 ホレスが不安そうに聞いてくる。


 「この地下牢のリノベーションが終わったら、家具や調度品が無くて殺風景だと言って探しに行ったよ」


 「……りの、べえしょん?」


 「えーと、リノベーションは建物とかの改装工事のことだよ」


 「あー。なるほど」


 彼はポンと手を叩いて理解すると、辺りを見回す。


 「えっ? ここ、地下牢なんですか!?」


 「そうだよ」


 「……」


 彼はポカーンと口を開けたまま、再び辺りを見回す。


 「これ、もう、地下牢じゃないですよね?」


 「僕もそう思う」


 僕の返事に、彼は頬を引くつかせる。


 「これ、隊長たちがやったんですよね?」


 「うん、そう!」


 「また、やらかしてる!」


 彼は叫んでから顔を手で覆って、下を向いてしまった。

 そして、部下たちは額に手を当てて天井を見つめていた。

 この部隊、本当に可哀相……。




 ご満悦の表情の金ちゃんと銀ちゃんが、隊長と一緒に戻ってきた。


 ((あっ! ポトフだ!))


 それは料理だ! 部下の名前は覚えようよ……。


 「ホレスです!」


 少し間を開けて、困った表情で彼が訂正すると、二人は恥ずかしそうにする。


 「金隊長、銀隊長、地下牢をこんなにして、何をやっているんですか? 勘弁して下さい」


 ホレスは、辺りを指差した。


 (凄いでしょ! 主たちにも手伝わせて二日で仕上げたんだよ!)


 金ちゃんは彼の話しを無視して、親指を立てて自慢する。


 「主たちにもって……」


 彼がこちらを振り向くので、僕とシャルはコクコクと頷く。


 「金隊長、陛下たちにも手伝わせたって……。本当に何をやっているんですか!?」


 (チッ、チッ、チ。ポトフ君、分かっていないな)


 「金隊長、ホレスです」


 いい加減、覚えてやれ……。


 (コホン。ホレス君、ここはマーカリの拠点となったのだよ)


 「マーカリ? 金隊長、それは誰ですか?」


 彼は首を傾げた。


 (ここの皇帝だけど、今は違う皇帝だよ)


 「はあ?」


 彼は金ちゃんの言っていることを理解しようと、眉間に皺を寄せて悩み始めた。

 はたから見ると、苦悩にしか見えない……。


 「オルガさん、あれじゃ分からないよ」


 僕が助け舟を出すと、オルガさんはホレスの耳元で説明を始めた。

 話が進むうちに、彼の顔は青ざめていく。


 話しを聞き終えた彼は、疲れ切ったように肩を落として部下たちのもとへと行く。

 そして、彼から話しを聞かされた面々は、その場に崩れ落ちたり、呆然と立ち尽くしていた。

 さすがに見かねた僕は、椅子に座って少し休むように勧め、オルガさんは彼らにお茶を淹れるのだった。


 その間に金ちゃんと銀ちゃんは、おそらく盗んできたと思われる家具や調度品を、収納魔法から出しては配置していった。

 彼らが盗んだであろうことは、そばにつきそう隊長の困惑した表情から読み取れた。




 金ちゃんと銀ちゃんは、家具や調度品の配置を終えると、僕たちを呼びに来た。

 おそらく、戦利品? を見て欲しいのだろう。

 二人の後について僕たちは見て回る。

 廊下には豪華な台座が置かれ、綺麗な模様の花瓶が置かれていたり、由緒正しそうな甲冑までもが置かれている。

 そして、二人は、ある部屋に僕たちを招き入れた。

 その部屋は書斎の(てい)を成していて、豪華な仕事机と椅子、本がずらりと並ぶ本棚、来客用だろうか、ソファーとテーブルまで用意され、奥にはベッドまであった。


 ((マーカリの部屋!))


 二人がドヤ顔をすると、マーカリさんは涙を流しながら喜んだ。


 次に二人が案内した隣の部屋は、広間だった。

 元が地下牢なので広さには限界があったが、それでも三〇人くらいは入れそうだ。

 そして、一番奥には一段上がった壇上に見覚えのある椅子がデンと構えていた。


 「き、金ちゃん? あれって、玉座じゃないの?」


 (フッフッフ。アレを手に入れるのには苦労したんだよ。ねえ、隊長さん!)


 金ちゃんに同意を求められた隊長は、頭を抱えてうなだれた。


 「そんなの盗って来て大丈夫なの?」


 「今頃、上では大騒ぎだと思われます」


 隊長はか細い声で言うと、天井を指差した。


 「「「「「……」」」」」


 僕たちは放心状態となった。

 これには、さっきまで喜んでいたマーカリさんも、同じように放心していた。


 僕たちの心境など無視して、二人は案内を続ける。

 来客用の部屋や兵士の部屋など、各部屋を見て回ったのだが、玉座を見た後だったために、何も頭に入ってこない。

 僕は皆の様子をうかがう。

 皆、呆然としていた。

 ただ、ホレスたち金銀の僕隊の面々はだけは、今にも泣き出しそうな表情を浮かべている。

 彼らは、この世で一番悲運な部隊だと思う……。




 全てを見終えた僕たちは、今は会議室となった元のマーカリさんの部屋へと戻って来た。

 皆は、疲れた顔で近くの椅子へと腰を下ろす。

 すると、兵士が駆け込んできた。


 「隊長! 城内に盗賊が入り、家具から貴重品、玉座までをも盗んで市内へ逃亡したと報告が来ました。全兵士は市内の捜索にあたれとの皇帝陛下からの勅令も下っています。お急ぎ下さい」


 「「「「「!!!」」」」」


 彼の言葉に、その場にいた者たちは、身体をビクッとさせて焦りだす。


 「わ、分かった。お前たちも行くぞ!」


 「「「「「は、はっ!」」」」」


 隊長の言葉に兵士たちは、困惑しつつも返事をすると、会議室を飛び出していった。


 「マーカリ様、フーカ陛下。命令では、行かねば怪しまれます。後のことはよろしくお願いします」


 隊長は、部下たちを追いかけるように、走り去ってしまった。

 僕たちに押し付けて、逃げ出したように見えるのは、気のせいだろうか?




 全ての兵士が盗賊を捕らえるために市内へ出たため、城内がとても静かに感じる。


 (プププー! 銀ちゃん、ここにあるのに、市内を探すなんてバカだね!)


 (これが、灯台下暗(とうだいもとくら)しってやつだね。ププ!)


 ダリアスたちをバカにするように面白がる金ちゃんと銀ちゃんを見て、僕たちは呆れる。


 「金ちゃん、玉座だけでも返してきたほうがいいんじゃないの?」


 (ダメだよ。もともとマーカリのものなんだから! それに、玉座を盗まれたなんて、恥ずかしくて公表できないから大丈夫だよ)


 「「「「「!!!」」」」」


 やっていることはアレだが、先のことまで考えていた金ちゃんに僕たちは感心するとともに驚かされた。


 (これほどの屈辱的な嫌がらせを思いつくなんて、さすが金ちゃんだよね)


 銀ちゃんが褒めると、彼はモジモジと照れていた。


 「「「「「……」」」」」


 銀ちゃんの発言で、少しでも金ちゃんに感心してしまったことを恥じた僕たちは、頭を抱えてうなだれた。




 落ち着きを取り戻した僕たちは、会議室に置かれた大きなテーブルの席に座り、今後のことを考える。


 「今回の金ちゃんと銀ちゃんのやらかしたことを踏まえても、この地下牢って反抗組織の拠点としてはいいのかもしれないね」


 僕の言葉を聞いて、金ちゃんと銀ちゃんはムッとした表情でバンバンとテーブルを叩いたが、皆は無視する。


 「そうですね。盗まれたものが地下牢にあるとは考えにくいのと同じで、反抗組織の拠点がここにあっても気付きにくいと思います」


 オルガさんも同意すると、皆も相槌を打った。


 「しかし、ここにマーカリ様を支持する方たちが来たら、疑われるのでは?」


 シャルの意見に、皆は考え込む。


 「それは大丈夫だと思います。私が報せを出した者たちは、私を案じて面会に来ることもありますから。それにダリアスたちは、何年もの間、何もできない者たちとバカにして気にも留めていないと思います」


 マーカリさんの言葉に、僕たちは頷き、安心をする。


 ((灯台下暗し!))


 金ちゃんと銀ちゃんは、僕たちのおかげと言わんばかりに、ドヤ顔で胸を張る。

 こ、こいつらは……。


 突き出た鼻先を上に向けて天狗になっている金ちゃんと銀ちゃんの背後に、気配を消した二つの黒い影がスーと現れた。

 僕たちは息をのむ。


 「金、銀。反省のかけらもなく、やらかしまくっているようですね」


 ((ヒィィィー! 鬼畜軍曹、お許しをー!))


 影が二人に声を掛けると、彼らには、声の主が誰だか分かったようだ。


 「誰が、鬼畜軍曹だ! おい、イライザ!? お前、笑っているだろ?」


 「い、いえ、リン中尉、そんなことはありません。クフ」


 イライザさんは横を向く。


 「笑ってるじゃないか!」


 ゴン、ゴン。


 ((ギャァァァー!))


 リンさんは二人にげんこつを落とした。


 ((酷い! 痛い! 八つ当たりだ!))


 二人は頭を押さえて、文句を言いながら涙ぐんでいた。


 「うるさい。お前たちが悪いのだろう! もう一発食らいたいか!」


 ((遠慮します!))


 「フーカ様。ご報告は、この二人のお仕置きの後でよろしいでしょうか?」


 「うん、いいよ。二人のことはリンさんに任せるよ」


 「はっ! 任されました。イライザ、こいつらを連れて行くぞ。ホレス、お前たちもついてこい!」


 リンさんとイライザさんに襟首を掴まれて引きずられていく金ちゃんと銀ちゃん。


 ((あるじー! 助けてー!))


 「自業自得でしょ」


 ((裏切り者ー! ヘタレー! さっさと世継ぎ作れー!))


 「やかましいわ!」


 「「「「「クフ。フフフフフ――」」」」」


 皆が笑いだすと、メイドさんたちまでもが笑っていた。

 変な捨て台詞を残していくな!

お読みいただき、ありがとうございます。


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