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うちの神様の間違った転移でおおごとに! 女神の使いにされて、僕を頼られても困るのだが……。  作者: とらむらさき


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100話 カーディア正統帝国との戦い

 禁忌の箱がイーリスさんに見つかってから、数日が過ぎる。

 そして、やっと、シュナ領へ向かえることとなった。

 今回は戦闘をすることも前提に準備をしているため、少し日数を費やしてしまったが、準備は万端だ。


 僕たちは、出発前に会議室へ集まると、シュナ領へ着いたら、すでに戦闘が始まっていた時のことも想定しての打ち合わせをしていた。


 コンコン。


 扉が叩かれ、兵士が入ってくる。

 彼は手に持った手紙を誰に渡せばいいのかと、キョロキョロと戸惑っていた。


 「こちらに」


 イーリスさんが手を挙げて、声を掛けると、彼はホッとした様子で彼女に手紙を渡すと、ぎこちなく部屋を去って行った。

 まだ新米なのだろうか? 初々しい感じがする。


 イーリスさんは、その手紙の差出人を見て、眉をひそめた。


 「プレスディア王朝、カーディア議会国、シュナ領からの報せです」


 僕たちにも緊張が走る。


 彼女は三通の手紙に目を通していく。

 そして、僕の顔色をうかがうので、頷いてみせる。


 「プレスディア王朝軍は優勢。カーディア議会国軍はカーディア正統帝国軍と交戦を開始。シュナ領軍はカーディア正統帝国軍と遭遇、交戦は時間の問題とのことです」


 彼女は手紙の要点だけをまとめて、その内容を淡々とした口調で皆に公表する。




 僕は、エルさんたちが苦戦していなくて良かったと、ホッとする。

 しかし、カーディア議会国が交戦を初めているし、シュナ領軍も交戦を始めそうだ。

 僕たちも早めに出発したほうがよさそうだ。


 「僕たちも、出発しよう!」


 コンコン。


 僕が声を掛けると、再び扉が叩かれた。

 部屋に入ってきたのは、さっきの新米君だった。

 彼は、まっすぐイーリスさんに向かい、手紙を渡すと、敬礼をして去って行く。

 さっきは敬礼を忘れていたな。

 やっぱり、新米のようだ。

 何故だろう? 彼に親近感を抱いてしまう。


 再び、イーリスさんは差出人を確認する。

 今度は、少し驚いた表情を見せた。


 「ウルス聖教国とクレイオ公国からの報せです」


 僕たちも、差出人の名前を聞いて驚く。

 そして、彼女も、今回は目を通す前に僕を見るので、すぐに頷いて返す。


 その二通の手紙に目を通したイーリスさんは、眉間に皺を寄せて厳しい表情へと変わる。

 これは絶対に悪い報せだ。


 彼女は皆を見回してから、こちらへ視線を向けてくる。

 ここにいるメンバーに知られて困ることはない。と思いつつも、何故か僕の目はマイさんへと引き寄せられた。

 まあ、大丈夫だろう。

 僕は、イーリスさんに向かって頷く。


 「ブレイギル聖王国が、プレスディア王朝に対して、軍を動かしているとのことです」


 思っていたよりも想定を超えた報告に、僕たちは動揺を隠せない。


 「フーカ様。ウルス聖教国とクレイオ公国の二国は、ブレイギル聖王国に対して軍を向けることを要望していますが、どうしますか?」


 イーリスさんが僕を見つめると、皆の視線も僕に向けられる。

 皆だって、僕と同じことを考えているくせに、こういう時だけ、僕に決断をさせるのはズルいと思うんだけど……。


 「ウルス聖教国とクレイオ公国には、ブレイギル聖王国を叩いてもらって! そうすればプレスディア王朝へ攻め込む余裕もなくなるでしょ」


 僕が口にすると、当然でしょうといった表情で頷いている。

 やっぱり、ズルい。


 「では、ウルス聖教国とクレイオ公国にその旨を伝える使者を送るように手配します」


 「うん。お願い」


 イーリスさんは廊下に出ると、しばらくして、戻って来た。




 「仕切り直しになるけど、僕たちも出発しよう!」


 僕の掛け声で、皆が動き出す。

 しかし、ケイトとヒーちゃんは、動かずにモジモジしていた。


 「えーと、ケイトとヒーちゃんは、何か話しがあるの?」


 「実は、今、新兵器を開発中でして、もう少しで表に出せる段階まで来ているので、今回は遠慮します」


 ケイトが頭を掻きながら、申し訳なさそうに苦笑すると、ヒーちゃんはペコっと頭を下げる。


 「う、うん。分かった。開発を頑張ってね!」


 「はい。……それで、えーと、開発に協力してもらいたい人材がいまして、……オルガと特戦群から数人、それとグレイフォックス隊に、アスール様、ルビー様、ネーヴェ様にも残ってもらいたいんですけど……」


 「うーん。仕方ないか」


 「出来れば、アルタ殿たち三人も残ってもらえれば、嬉しいかなーと……」


 「アルタさんたちも? うーん。兵器開発なんだよね?」


 「「はい!」」


 ケイトだけでなくヒーちゃんまで返事をする。


 「ハァー。仕方ないか……分かったよ」


 「「ありがとうございます!」」


 二人は両手を握り合って喜ぶ。


 「でも、ちゃんと本人たちにも了承を取ってよ!」


 「もう、取ってあるので大丈夫です!」


 「……」


 ケイトの返事に言葉を失った。


 「新兵器が完成したら合流します。すぐに会えますから寂しがらないで下さいね」


 彼女は、また余計な一言を……。


 「う、うん。分かった。向こうで待ってるから、早く完成させてね」


 「「はい!」」


 二人は意気揚々と返事をする。

 竜族の人たちが、ほとんど駆り出されてしまった。

 こんなに戦力が低下して大丈夫だろうか……。

 僕の心配をよそに、二人は楽しそうに話しながら部屋を出て行く。

 まあ、ヒーちゃんも楽しそうにしているから、いいか。



 ◇◇◇◇◇



 出発の時間を迎える。

 今回はアスールさんたちが同行しないので、僕たちはイーロさんの背中に乗せてもらうこととなった。

 男性のドラゴンだと、アスールさんたち女性のドラゴンよりも硬くてゴツゴツしているかと思ったが、乗り心地は変わらなかった。

 彼の背中から下を見降ろすと、ケイトとヒーちゃんを中心にアスールさんたちも見送りに出ている。


 「イーロ! お前たちも! フーカ殿たちのことを頼むぞ!」


 ルビーさんに声を掛けられ、イーロさんと部下たちは、彼女に頷いてみせる。


 イーロさんがバッと翼を広げ、舞い上がって行く。

 アスールさんが駆け出してくる。

 寂しいのかな? なんか可愛い!


 「フーカー! お土産を忘れるんじゃないぞ!」


 前言撤回! 何を考えてるんだ。

 戦場に行くのにお土産があるか! そもそも、後から合流するんじゃないの?

 僕は彼女の言葉は無視して、手を振るだけにした。


 イーロさんが徐々に高度を上げていくと、ケイトたちが白いハンカチを振って、ヒラヒラとなびかせている。

 ルビーさんたちまでもが同じことをしている。

 しかし、ヒーちゃんだけは無理矢理やらされているようで、顔を真っ赤にして、恥ずかしながらハンカチを振っていた。

 もう、定番の光景になってはいたが、ヒーちゃんの新鮮さがいいと思ってしまう。

 そして、何を考えているんだと、そんな自分に落胆するのだった。


 急に、下の方が騒がしくなり始めた。

 何事かと覗き見ると、ケイトとヒーちゃんが大きく手振って、何かを叫んでいた。 

 そして、その周りでは、白衣(はくい)を着た研究員と技術者たちもが出て来て、手を振りながら叫んでいた。

 カーディア市の研究開発局が総出で見送ってくれている。

 僕は、きっと、新兵器を完成させられる機会を得たことが、よほど嬉しいのだろうと思いつつ、彼らが見えなくなるまで手を振り返すのだった。




 イーロさんは、シュナ領へ向けて加速する。

 僕は、背中の中央で、かたまって座っているシャルたちに混ざると、いつもとは違うレイリアの装備に驚く。


 「レイリア? その装備は?」


 「えっ? ああ、これですか。これは研究開発局に置いてあった物を、ケイトからもらいました」


 彼女は立ち上がると、クルっと回ってドヤ顔をする。

 彼女は、僕たちと同じ迷彩柄の戦闘服に、黒いサポーターを両腕と両足につけ、黒い皮のベストを着ていた。

 映画やドラマで見る特殊部隊みたいでカッコいいとは思うけど、彼女は剣を腰につけている。

 もう、女騎士とはかけ離れてしまっているその姿に、何故だか受け入れられない

ような、モヤモヤとしたものが襲ってくる。

 本人が気に入っているのなら、仕方ないか……しかし……。



 ◇◇◇◇◇



 シュナ領の領都カールエンド市に到着すると、イーロさんは城の庭へと降りる。

 彼を倣うように、部下のブラックドラゴンたちも降りていく。

 僕は、皆に待機してもらい、シャル、イーリスさん、ミリヤさん、アンさん、シリウス、レイリアの六人だけを連れて、誰かから現状を聞くために、城へと向かった。


 城のそばまで来ると、何故か、この城に違和感を感じる。

 ジーと城を見ていると、レイリアが壊したところに目がいき、驚く。

 壊された部分だけが、立方体の建物に変わっていて、ビルの様相を呈したその部分だけが、近代的に見えて際立っていたのだ。

 違和感の原因はこれだった。


 僕の横にいたレイリアは、ポカーンと口を開けて城よりも高くそびえ建つビルを見上げている。

 あまりの様変わりに呆けてしまったようだ。

 ただ、何処からかゾクッとするような空気が漂ってきて、呆けていたレイリアも正気を取り戻す。

 何だ? この寒気がするような空気はと思っていると、イーリスさんが修復されてビルへと変わってしまったところを眺めながら、何かを思い出すようにイラっとしていた。

 きっと、『禁忌の箱』のことを思い出したんだ……。

 彼女のことは、そっとしておこう。




 開け放たれていた城の大きな玄関から、数人の兵士を連れて、誰かがこちらへと向かってくる。

 目を細めて注視すると、ダーフィットさんだった。

 彼は僕の前に来ると、頭を下げる。


 「陛下、ようこそおいで下さいました」


 「頭を上げて、今は現状を早く聞いたいんで、お願いします」


 「はい!」


 彼は頭を上げると、僕に視線を向ける。


 「数日前に、カーディア正統帝国軍が我が国のハーデ城塞都市へ向けて侵攻してきたため、アレックスが率いるシュナ領軍とヘルゲ殿が率いる部隊の混成軍で、カーディア正統帝国軍を迎え撃ちました。そして、現在、我が軍がカーディア正統帝国のラクシュ城塞都市まで敵軍を押し返したところです」


 「ありがとう。それで被害は?」


 「対応が早かったので、領内への被害はありません。兵士も負傷者を少し出した程度で済みました。敵はこちらを侮っていたのか、火砲馬車と迫撃砲による攻撃に驚き、撤退を始めたので助かりました」


 「良かった。それで、アレックスさんとヘルゲさんは、そのまま追撃をしてるんだ」


 「はい、その通りです」


 「うん。大体のことは分かった。ありがとう」


 僕がお礼を言うと、彼は再び頭を下げる。


 「ダーフィットさん、僕たちは、すぐにラクシュ城塞都市へ向かうことにするよ」


 「かしこまりました。陛下、あそこは戦場となっておりますので、お気を付け下さい」


 「うん。気を付けるよ。心配してくれてありがとう」


 僕は、彼に再び礼を言って立ち去ろうとしたが、一つ言い忘れていたことを思い出した。


 「えーと、ダーフィットさん。その、カーディア正統帝国軍の中にエトムントがいたらしいんだけど……」


 この手の話しを切り出すのは難しい。

 どう話しを続けていいのか分からない。


 「そ、そうでしたか。縁を切ったとはいえ、愚息が申し訳ありません」


 「いやいや、ダーフィットさんを責めてるわけじゃないから」


 僕は、ひざまずいて謝罪をしようとする彼を、止めた。

 そして、言いにくいことを素直に言うため、一度、深呼吸をする。


 「ダーフィットさん、今回の戦いで、エトムントとは、けりをつけることになると思うんだ。それで、その、彼の安否までは保証できない」


 ダーフィットさんは、厳しい表情を浮かべた。


 「当然のことです。陛下の思うようにして下さい。私にはアレックスがいます。あの子が陛下から大役を任せられるほど立派になってくれたことだけで、十分です」


 僕は、それ以上掛ける言葉も見つからず、ただ黙って頷くと、彼に頭を深く下げてから皆のもとへと戻る。

 こういうのは、きついな……。


 シャルたちも僕とダーフィットさんの会話を聞いてから、やるせない表情のままだ。

 しかし、彼女たちに話しかける言葉を、思いつかなかった。


 僕たちは、黙ったままイーロさんの背中に乗る。


 「イーロさん、カーディア正統帝国のラクシュ城塞都市に向かって下さい」


 彼は僕たちを見て、何かを察したかのように黙って頷くと、翼を羽ばたかせて飛び立つ。

 そして、ラクシュ城塞都市の方角へ向けて飛ぶ。



 ◇◇◇◇◇



 ラクシュ城塞都市に向かう途中で、ハーデ城塞都市の上空を飛んでもらい、ハーデ市の様子を確かめる。

 ハーデ市とその周辺は、畑も含めて被害が見られなくて良かったと、ホッとする。

 そして、再びハーデ城塞都市へと向かってもらう。


 しばらく街道沿いに飛んでいると、ミリヤさんが僕の隣に来る。


 「ここから先が、カーディア正統帝国です」


 「何があるか分からないから、気を引き締めて行かないとね」


 僕の言葉に、皆が黙って頷く。

 そして、僕たちはカーディア正統帝国の領土へと入った。


 街道沿いにラクシュ城塞都市へ向かって飛んでいると、前方に煙が数か所から立ち昇っているのを発見する。

 立ち昇る煙のそばまで近付くと、その煙はラクシュ城塞都市の中と、その先で昇っていた。

 しかし、この辺りでの戦闘は行われていないので、もう少し先を確認することにする。


 イーロさんは、まっすぐには向かわず、何度も上空を旋回するようにして向かって行く。

 すぐに戦闘が行われている場所の上空へと着いた。

 飛んでいるから、すぐに着いたけど、ラクシュ市のほうを見ると、街は思っていたよりも遠くに見える。

 アレックスさんとヘルゲさんは、ラクシュ市を制圧した後も、こんな先まで敵軍を追い返していたんだ。

 僕は二人に感心しながら、上空から下を覗いていた。




 敵軍のいる方向を見ると、前線の敵陣のさらに先のところで、無数の人がうごめいている姿が見える。

 上空からだから分かったけど、地上にいたら気付かなかったことだろう。


 「イーロさん、あそこの人だかりに向かって、出来れば敵に気付かれたくないから、高度を上げてくれると助かるんだけど」


 「分かりました」


 彼はそう言うと、旋回を繰り返して高度を上げていく。

 そして、人だかりの上空まで飛ぶと、再び旋回をしてくれる。


 「一万人以上、たぶん、二万人くらいはいますね」


 イーリスさんは、僕と一緒に下を覗き込みながら、敵の兵数を見積もった。


 「げっ、そんなにいるんだ」


 「ええ、それにテントだけではなく(やぐら)も建っていますから、前もって準備していた陣地かと思います」


 「それって、うちがここまで追い込んだんじゃなくて、おびき寄せられたってこと?」


 「そうとは言い切れませんが、この辺りは起伏が多い場所ですし、自分たちの慣れた場所でもあるでしょうから、その可能性は高いと思います」


 「でも、こうやって上空から陣地や立地を見られたら、意味はなさそうですね」


 僕とイーリスさんの間から、ヒョコっと頭を出して、レイリアも会話に加わってくる。

 その出方はやめてくれ! 心臓に悪い。

 僕とイーリスさんは、胸を押さえてレイリアを見るが、彼女は敵陣を見ることに集中していた。

 何で、こうも自由なんだろう……。


 「そういえば、カーディア議会国は、戦う気がなかったからだろうけど、カーディア正統帝国からは、宣戦布告がきてないよね?」


 僕は敵陣を見ながら、ふと、思ったことを口にする。


 「侵略するのだから、宣戦布告の必要はないと思ったのでしょう」


 今度はシャルがレイリアの上におぶさるようにして、ヒョコっと頭を出し、僕の質問に答えた。

 シャルもか! その出方は心臓に悪いからよしてくれ……。

 イーリスさんも驚いたのか、再び胸を押さえている。


 「シャル様、重いです」


 「私は重くありません!」


 レイリアの苦情に、シャルが反発すると、二人は姉妹のようにじゃれ合いだす。


 「「……」」


 僕とイーリスさんは、敵陣の上空なのに緊張感のない二人を見て唖然とする。


 「きっと、宣戦布告をしたら、警戒されると思ったのでしょう」


 僕たちの背後から、唐突に推測を漏らしたアンさんは、レイリアとシャルの襟首をつかんで引っ張り上げた。


 「シャル様もレイリアも、こんなところでじゃれてたら危ないですよ」


 彼女に叱られ、二人は大人しくなった。

 それにしても、侵略なら宣戦布告はいらないとか、警戒されると困るから宣戦布告をしないとか、ちょっと、自由すぎない……。




 イーロさんに、偵察が済んだことを告げると、彼は前線となっている場所へと向かいだす。

 そして、彼は、前線から少し離れた開けた場所へと降りたった。

 そこは、自軍が陣地を築いている場所で、近くにはテントがいくつも建てられ、多くの火砲馬車(かほうばしゃ)が並べられていた。

 僕は、その火砲馬車の数に驚く。

 おいおい、何台あるんだ? っていうか、何で、こんなに、大量生産されてるの……。


 そんなことを思っていると、ダークグレーの服装をした兵士たちがこちらを見て騒ぎ始めた。

 そして、その兵士の中から、一人がこちらへ向かって走ってくる。

 そばまで来た彼の胸元には、ユナハ国の紋章が刺繍され、その上には階級章のピンバッジがつけられていた。

 彼は敬礼をすると、火砲馬車の指揮官であることを告げ、僕たちを指令所へ案内することを買って出てくれた。

 僕は、その言葉に甘えて、指令所までの案内をお願いする。


 彼の後ろについて歩いていると、多くの兵士たちが僕たちとすれ違っていく。

 気になり、彼らの向かう方向を振り返ると、まだ荷下ろしがされていないブラックドラゴンたちに集まり、作業を手伝っていた。

 自分から仕事を見つけて働く兵士たちに感心し、微笑ましく思っていると、マイさんが隣に来て、僕の顔を覗き込んでくる。


 「フーカ君だったら、あんな風に動けないわね」


 「やかましいわ!」


 僕が怒鳴ると、彼女はサッと離れて、そばを歩いていたミリヤさんの影に隠れる。 

 そして、顔だけを覗かせてニンマリとした。

 ムカつく!


 僕たちは、ひときわ大きなテントの前まで案にされた。

 ここ後指令所だそうだ。

 戦場なのだから、テントなのは仕方がないか。

 周りを見回すと、ここよりも小さなテントがいくつも建てられている。

 そして、そのそばには、物資の箱が積み上げられ、武器が並べられた状態で置かれていた。

 その光景に、ここが戦場で、カーディア正統帝国との戦いは始まっているのだと、実感させられるのだった。

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