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彼と御一行  作者: あつしーるど
エインパーティー編
5/20

パーティー

エインパーティー編 4

ゴブリンとの戦闘は終わり、目当てのもの回収するために剥ぎ取り作業に移る。


辺りはゴブリンの血に塗れており見てて気味のよいものではない。

するとエインは


「チカは周囲に敵が来ないか見張っていてくれないか?」


と気を遣ってチカちゃんには剥ぎ取りを遠慮してもらうよう頼んだ。

このようにいつもは剥ぎ取りは俺とエインで行っている。


「ううん、私も手伝いたい。今後一人で狩りをすることになる機会があるかもしれないし。」

と自ら進んで手伝いを申し出る。

チカちゃんのこうゆうところいいと思うんです。


「いいのか?」


とエインが問うがチカちゃんはすぐに元気に返事を返す。


「うん! やってみる。 エイン君、教えてもらっていいかな?」


「わかった。」

とエインが言うと剥ぎ取りの準備にかかる。


俺も少し心配なのでチカちゃんに聞いてみる。

「大丈夫? 気分悪くなったらすぐ代わっていいから。」


するとチカちゃんはニッコり笑って

「うん、任せて! 上手に出来たら褒めてくれてもいいよ?」


チカちゃんは俺に手を振りながら剥ぎ取りへ向かう。俺も周囲の警戒に専念しなければ。


それにしても

やばい可愛いです。褒めちゃう、できてもできなくても褒めちゃう。

なにもしなくてもチカちゃん褒めちゃう。養わせてくれませんかねぇ?


エインが準備できたようで、チカちゃんはエインに教えられながら顔を渋くして剥ぎ取りしている。

俺も初めてゴブリンの剥ぎ取りしたときに吐きそうになったことを思い出してしまう。

チカちゃんが心配でならない。

もしこれがトラウマになり狩りに出られなくなったら、責任をもって俺が養わせて頂こうと思う所存であります。



そうそう、俺たちは今主にゴブリンを剥ぎ取りして生計を立てている。

何を回収して換金するかというと、まず1つにゴブリンが持ち歩いている荷物である。

この荷物には稀に希少な植物や茸類が入っており、これらは人間・ゴブリン問わず薬や高級食材として扱われているのだ。

2つ目に、耳だ。

これは換金するわけではないがゴブリンは増えすぎると森から出て集落を襲うことがあるために駆除推奨とされている。そのため一定数のゴブリンを討伐した証として耳を持っていくと報酬としていくらかお金がもらえるのだ。

3つ目に、魔晶だ。

魔晶は魔力が何らかの影響により結晶化したもので主に魔物の体内から採れる。

必ずしも取れるというわけではないが珍しくもない。

魔晶はどのように作られるのかは解明されていないが、この魔晶は非常に多種多様な使い方があるために重宝されているのでなかなかの値が付く。

そのため、狩りをするときは基本的に魔晶を狙っている。



剥ぎ取りについて考えているうちに剥ぎ取りが終わったようだ。


見ると、チカちゃんは若干顔が青くなっている。

脇には丁寧に切り取られたゴブリンの耳と摘出された魔晶が転がっていた。


すぐに駆け寄って具合を尋ねる。

「チカ、大丈夫か?顔色悪いみたいだから少し休んだ方がいいと思うけど…」


「元気全開じゃないけど大丈夫っ、それより褒めてくれないの?」


と上目遣いをされてしまった。

全然調子出てるじゃないですかやだー

ドキッとしてしまったぜ。

チカちゃん可愛いです、これは褒めてあげないといけないよなあ!?


「よくできました!偉い!可愛い!」


「ありがとっ!」


チカちゃんは満足げに魔晶を手に取りくるくるその場で回っている。

いちいち可愛いから俺もう体中の穴から「チカちゃん可愛い」って垂れ流しになりそう。



「うまくできたなチカ、手伝ってくれてありがとう。」


エインはお礼が言える男だから嫌いではない。

ただチカちゃんの頭をなでなでするのはどうなんですかねぇ?


「エイン君のおかげだよー。 この調子ならすぐ慣れてくるかも?」


「そうだな、チカは作業が丁寧だし覚えがいいから今度また頼んでもいいかな?」


「もちろんだよ、もっと私を頼ってねっ」



チカちゃんを褒めるフェイズを終えると、剥ぎ取った素材と魔晶をポーチにしまって俺たちは次の魔物を見つけに森を進んでいく。

ゴブリン1匹の耳と魔晶だけだと現在生活費が心もとないためあと数匹分の魔晶が必要だ。


すると、森の深部の方から大木がなぎ倒される音がした。

だいぶ離れているがその衝撃が地面を伝いパーティー内に緊張が走る。


「今週に入ってから3度目だな…」


エインがつぶやくと先ほどまで陽気なアトモスフィアに包まれていたチカちゃんの表情にも曇りが見える。

エインから聞いた話だと近頃の森の状況報告から体調4メートルの大型魔物が確認されたらしい。


「絶対に会いたくないな、はやくゴブリンと会って抱きしめたい。」


俺が言うとチカちゃんはクスッと笑ってくれたのでちょっとうれしかった。

心なしかエインの表情も少し緩んだ気がした。


「すまないな」


気のせいだと思うがそんな言葉が漏れたような、気のせいだと思う。

俺たちは魔物との出会いを求め森を進んでいった。

魔晶関連の話はのちのち更新していきます。

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