表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幾多の夢の航海日誌  作者: 明石 暦
6/18

学校行事

見慣れた校舎、馴染みのある廊下、私の3年間過ごした高校である。教室が並ぶ廊下の真ん中には、一直線に幅広い平均台が並んで居た。

天井から窓、廊下の至る所に赤黒い臓物が飛び散り、地の色が分からない程所狭しと敷き詰めて有った。その臓物の周りには蟲が湧き、蠢きあっていた。


平均台の上には見慣れた顔が並び、バケツリレーの要領で内臓を受け渡し、真剣にその作業に取り掛かっている。

彼らは私の同級生達だ。


私も真剣にその作業を延々と続けて居た。すると前の男が「ねぇねぇねぇ」と話しかけてくる。何かと見ると、陽がニヤニヤと此方を見て居た。


「ほら!どうよー!」

意気揚々と手に持って居た長い臓器、恐らく大腸で有ろうが、彼は其れをヌンチャクの様に振り回し始めた。自慢げに。

一体何をしているんだと、呆れつつも見て居た私であったが、遠心力によって臓器の中の物が一端に集まり、回転速度も上がって行く。


「どう?どうよ?」

満面の笑みを浮かべ、陽は頻りに感想を求めて来る。

ちょうどその膨れた部分が陽の眼前に近づいた時であった、其れは水風船の様に破裂し、中の血肉と蟲が陽を染め上げる。


夢の中でも陽は陽であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ