学校行事
見慣れた校舎、馴染みのある廊下、私の3年間過ごした高校である。教室が並ぶ廊下の真ん中には、一直線に幅広い平均台が並んで居た。
天井から窓、廊下の至る所に赤黒い臓物が飛び散り、地の色が分からない程所狭しと敷き詰めて有った。その臓物の周りには蟲が湧き、蠢きあっていた。
平均台の上には見慣れた顔が並び、バケツリレーの要領で内臓を受け渡し、真剣にその作業に取り掛かっている。
彼らは私の同級生達だ。
私も真剣にその作業を延々と続けて居た。すると前の男が「ねぇねぇねぇ」と話しかけてくる。何かと見ると、陽がニヤニヤと此方を見て居た。
「ほら!どうよー!」
意気揚々と手に持って居た長い臓器、恐らく大腸で有ろうが、彼は其れをヌンチャクの様に振り回し始めた。自慢げに。
一体何をしているんだと、呆れつつも見て居た私であったが、遠心力によって臓器の中の物が一端に集まり、回転速度も上がって行く。
「どう?どうよ?」
満面の笑みを浮かべ、陽は頻りに感想を求めて来る。
ちょうどその膨れた部分が陽の眼前に近づいた時であった、其れは水風船の様に破裂し、中の血肉と蟲が陽を染め上げる。
夢の中でも陽は陽であった。