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幾多の夢の航海日誌  作者: 明石 暦
16/18

粉物勝負

高校の教室で口論になった。原因はよく覚えて居ない、たしか政治的な物だった様な、原発の是非だったか。口論はエスカレートして行き、危うく喧嘩と成りかけた、だが喧嘩と言う物は良くない、後腐れ無く終われるのなれば良いが、どんな内容であれケリの付け方など、幾らでも有るのだ。


だからその結果、双方陣営に分かれ、お好み焼きをどれだけ販売出来るかで決着をつけることと相成った。

双方睨み合う様に対面で、熱した鉄板を前に開始の時刻を待つ。学校の授業開始を告げるチャイムを皮切りに、私達は鉄板の上に生地を伸ばし、片側でキャベツと卵を焼いて行く。対して相手側は混ぜた生地をベースに、多種多様のお好み焼きを作る気の様だ。

生地がしっかり焼けてきたらキャベツを上に乗せ、その上に更に生地を乗せる、挟んで蒸し焼きにすると、半熟目玉焼きを上へ乗せ、紙のお皿に盛り付ける。ソースとマヨネーズを掛ければ、適当では有るが広島風お好み焼きの出来上がり。それを3人で作業を分担して作って行く。紙のお皿は飛ぶ様に消えていった、何せ食べ盛りの高校生だ、何処で消費するかも分からないエネルギーを無尽蔵に溜め込む。対面とはペースを落とさず、ほぼ同時の拮抗状態だ。

何十枚焼いただろう、未だに列は増えるばかりで、生産が追いつかない。向こうも一々トッピングを聞いて居たがばかりに、生産速度はこちらも変わらず、列が一向に捌けない。

後輩から声が掛かった、卵が底を尽きそうですと。卵は残り半ダース程、急いで後輩を走らせ、スーパーまで卵を買いに行かせる。其の場凌ぎで食堂から幾許か無心して貰った。此方が先に卵を手に入れ、相手側もスーパーに使いを送る。

彼らも此方と状況は同じか、延々とお好み焼きを焼き、お使い組が帰ってくると、お金を握らせ、また買いに行かせる、その繰り返しは突然終わりを告げる。

金が尽きたのだ、もう卵を買えない、近隣の養鶏場もこれ以上は出せないと言う。

そうして私達の戦いは敗北と言う形で終わった。

やはりコストも考えるべきであったか。

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