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悪夢
嫌な夢を見た。
何の変化もない日常の悪夢、少年が求めたのは古い御伽噺のような、そんな事だった。
魔法が使ってみたい。翼が欲しい。常識を外れた異能の力を手に入れて、この世界を巡り、調べ、理解したい。そんな子供染みた想いが果てもなく積み重なって、渦巻いている。重苦しい、普通の町並みなのにも関わらず、その感情が悪意の様に変化してしまった様だ。
この話を、隣に寝て居た友人が起きると、事細かに説明した、異様に印象強く鮮明に覚えて居たからだ。友人も同じ夢を見たと言う。
友人は、この夢には何かを伝えたい意志を感じたと言う、私も其れに同意した。
それからだろか、私が彼と同じ幻想を抱いてしまったのは。
いつの日かこれが悪意にならない事を私は祈る。